キムミンギュが恋をした × キムミンギュに恋をした 4
このおはなしはについて
続き物です。
「キムミンギュが恋をした × キムミンギュに恋をした」と、
「キムミンギュが恋をした × キムミンギュに恋をした2」と、
「キムミンギュが恋をした × キムミンギュに恋をした3」の続きです。
まだ読んでない人は、よろしければそちらからどうぞ。
끝나지 않는 봄(終わらない春)
哀しい夢を見たはずなのに、起きれば猫を抱いてる自分を抱いてる人がいる。
それは春の夜の出来事。
MINGYU side
猫たちはいつの間にか大人になって、ミンギュとウォヌがじゃれあう姿をまったりと眺めるようになった。
台所で、廊下で、キッチンで。当然のようにどこでも抱きしめてキスしても、だからかウォヌは文句を言うこともなくなった。
それだけ長く一緒にいたのかもしれない。
「俺たちの春、長くない?」
だからちょっとだけテンション高くそう言ったっていうのに、「俺の春はもう終わったけど」とウォヌが言った。
「え、どういうこと? なんでウォヌヒョンだけ春が終わったの?」
まだ春で、ミンギュの誕生日だって過ぎたばかりだというのに、相変わらずウォヌは少しズレている。
「俺の春はミンギュの誕生日までだから」
そして照れもせずにそんなことを言う。
ウォヌの中にはミンギュの存在がちゃんとあって、それは春っていう言葉よりも強くあるらしい。
「いやでも、俺が言ってる春は、そういう春じゃないよ」
2人のラブラブ期間が長いんだって説明をミンギュが必死にしたっていうのに、「ラブラブかな?」って首を傾げられてしまった。
世の中のラブラブの定義は確かにわからない。
一緒に会社に行って一緒に帰ってくるのがラブラブだとしたら、2人はラブラブではないだろうから。
「でも俺ら一緒に住んでるじゃん」
ミンギュがそう言えば、「愛の冷めた夫婦とかも色んな事情で一緒に住んでるよ」とか、どんなドラマ見てんだよみたいなことを返された。
WONWOO side
猫が大人になってしまった。いやでも、可愛いのは子猫のうちだけだと良く聞くけれど、全然可愛い。
ミンギュの誕生日も無事に過ぎて、ウォヌの中では春は終わった......って気分でいたというのに、ミンギュは俺たちの春は長いという。
その理由は2人がラブラブだからって話だった。
2人にだけ判るサインを仕事中に出し合ったりもしてないし、夜景のキレイなホテルでデートをしてたりもしないし、何より2人は車を持ってないし。
ラブラブじゃない理由は山とある。
それを順番に説明してやれば、「どんなドラマ見てんだよ」と呆れてた。
最近会社では、韓国ドラマは下火で中国ドラマが流行ってるんだと教えたら、「俺たちはちゃんとラブラブだよ」って言われたけれど、ちょっとだけウォヌは自信がない。
愛してるとか好きだとか会いたいだとか。ウォヌは滅多と口にしないから。
「同じ家に住んでるから、ありがたみが判らないんだよ」
そうも言われた。そうかも......と思いはした。
「でも猫たちがいるから......」
身軽には出ていけない。
真剣な顔でそう言えば、「猫たちがいなくたって一緒だよ」と笑われた。
MINGYU side
猫たちがいるから簡単には出ていけないとウォヌは言う。
いやそこは、ミンギュとはもう離れられない......ぐらいは言って欲しいところだが、一緒にいることが事実なんだから、欲張ったりはしない。
でも「猫たちがいなくたって一緒だよ」とは言って置いたけど。
絶対ウォヌはもうミンギュがいないと生きていけない。もしもウサギなら3日で死にそうな気がする。そう言い切ったらウォヌは楽しそうに笑ってた。
「死にたくないな......」って言いながら。
新しくできた店の話題や、今度食べたいケーキの話題や、猫たちの寝相の悪さの話や。話題は尽きない。
さりげなくそこに「今度じゃぁ、夜景のキレイなレストランとか、押さえようか」とか混ぜてもウォヌは普通に「夜はダメだよ」とか言ってくる。
簡単にはいかないが、夜だって家にいれば一緒にいられるんだから、問題はない。
「俺も、料理ができるようになろうかな」
ミンギュばかりが料理するのが申し訳ないとでも思ってるのか、ウォヌがそんなことを言う。
「別にいいよ。作りたいものがあるならやってみなよ」
やりたいならやればいい。無理をする必要はないし、一生側にだっているつもりだけれども、ミンギュが料理できない時に途方に暮れることだってあるかもしれないから。
「なんか、反対されたことってないな、お前に」
ウォヌが独り言みたいに呟く。
「反対するようなこと、ウォヌヒョンがしないからじゃん」
そう言っても首を傾げてた。
WONWOO side
好きなことをすればいいとミンギュは言う。
料理だってなんだって。
だからとりあえずレトルトのパスタを作ってみた。普通のミートソース2人前。
湯煎か電子レンジかの方法があって、電子レンジにはちゃんとワット数とか分数とかも書いてあったけど、自分の家の電子レンジがどうだったかは覚えてない。お湯でもいいけど火傷しそうな気がするし、猫が足元でウロウロしてるのにお湯を沸騰させるのも怖い。
レトルトを手に考えること数分。
そのうちレトルトにはソースが入ってるだけで麺は含まれていないことに気づいたウォヌだった。
とりあえず、「家にパスタってあったっけ?」とミンギュにカトクを打ってみる。
1分と経たずに既読がついたと思ったら電話がかかってきた。
「パスタ食べたいの?」
それほど食べたい訳でもなかったけれど、とりあえず「うん」と言う。
「外で食べる? それとも俺が作ったやつ? ちなみにミートソースから作れるし、ナポリタンでもいいし、ペペロンチーノも明太子も、なんでも作れるよ」
そう言われて手元のレトルトのミートソースをじっと見つめてしまったウォヌだった。
でも結局パスタの有無もちゃんと聞かずに「明太子」って答えたんだけれど......。
끝나지 않는 여름(終わらない夏)
夏だから暑いはずなのに、猫たちとタオルケットにくるまる人のために、温度設定を守ろうと頑張る人がいる。
それは夏の夜の出来事。
MINGYU side
暑い......。対策としては人別に空調を整える機能があるエアコンを買ったし、ミンギュがいる場所には必ず扇風機がミンギュだけを狙ってる。
猫たちは自由に部屋の中を行き来できるようにしてるから、暑さ寒さはそれなりに調整するだろう。
それからウォヌは大抵、タオルケットにくるまっている......。
時々はそのタオルケットの中に手を忍ばせるけど、大抵はそのタオルケットごと抱き締める。
「ん、お帰り」
ちょっと寝惚けてるウォヌはミンギュが今帰ってきたと勘違いして、お帰りと言う。一緒に夕飯だって食べたけどと思いつつも、「ん、ただいま」って返しておく。そうすればウォヌは安心したようにまた眠りに戻るから。
抱き抱えられるようにして眠ることにも慣れたのか、寝ながらミンギュの手を擦ることがある。時々は自分のしっくりくる場所に手を勝手に動かされることも。
お互い暑くなりすぎたら離れていくし、それでも目覚めればお互いの眠る場所に手を伸ばしていることだけは確認する。
そんな夜を何度超えても愛おしいことに変わりはないんだから、不思議だった。相手がウォヌだからだと理解するまでにかかった時間は僅かだったけど、果たしてそれをウォヌも理解してるかは謎だ。
理解してなくてもいいけど、腕の中に居続けてくれるなら、それだけで全然いいんだけど。
毎日飽きもせずにそんなことを考えながら、ウォヌの横に潜り込む。
きっと自分は暑がりだから寝てしまえばウォヌのことを手放してしまうだろうって思いながら......。
WONWOO side
夜中に目覚めたら1人だった。
隣りにいるはずのミンギュがいなくて、目を閉じたまま頑張って手を伸ばしたけれど触れるはずの身体がなかった。
時々は朝起きられなくてミンギュが仕事に行ってしまうことはあったけど、夜中にいないことは珍しかった。
さっき「お帰り」と言ったような気もするし、いつものように抱き込まれて眠ったような気もしてたのに。
「ミンギュや? トイレ?」
だからそう問いかけてみた。自分も行きたいからちょっと聞いただけって風情で。
なのに返事はないし、耳を澄ませて見てもトイレをしてるような音もしない。
そんなに広い家って訳でもない。だからウォヌは立ち上がって、はっきり見えない暗がりを歩く。もう目を閉じてても判るぐらいの家の中、それでも気を付けて歩くのはうっかり猫たちを踏んでしまわないように。
やっぱり広すぎない家はいい。部屋を出た瞬間にはこっちに向かって歩く姿を目にしたから。
「あ、ごめん起こした?」
そう言うミンギュの手には猫たちのトイレ掃除をした後のなんだかんだがあったから、真夜中だというのに猫たちに起こされたんだろう。
「いや、トイレに起きただけ」
ちょっと不安になってお前を探しに来たんだ......なんて言わない。だけどトイレの中で、用事もないのに便座に座り込んでしまう。
いないはずなんてないのに、いて良かったと思う。それからもし本当にいなかったらどうしてたかなんて、とりとめもないことを考える。
「ウォヌヒョン、常温の水いれたから、またすぐ寝るにしても一口だけでも飲んで。乾燥してるから」
でも当たり前のようにミンギュの声がする。
さっさとベッドに戻ってしまってもいいのに、トイレから部屋へと戻る途中に水の入ったグラスを手にミンギュが立っているはず。
MINGYU side
猫たちがまだ小さかった時から、トイレをするたび褒めていたら、そのうちトイレをしたら教えてくれるようになった。それもまた当然のように褒めていたら、今では夜中だろうとトイレの後には起こしてまで自慢してくる。
しょうがないから褒めてやるけど。
そして気づいてしまえば片付けたくなるのは性格で、ウォヌの寝顔を見ながらも起き上がってそっとベットからおりる。
トイレを片付けると、どうしてだかもう一匹が起きてきて目の前でトイレに入る。きっと猫にも性格があって、一番綺麗な状態でトイレがしたいんだろう。だから当然、ミンギュはもう一度トイレを掃除する。
どんなに夜中だろうと、ほぼそれがお約束で、真夜中にただただ静かに猫のトイレ待ちをして、二回目の掃除も終わって、手に色んなものを持って廊下を歩き始めたらウォヌが起きてきた。
「ごめん起こした?」と言えば、「トイレに起きてきただけ」と言って、ウォヌはそのままトイレに消えてった。
猫たちのあれこれを片付けてそのまま寝室に戻ってしまってもいいのに、なんとなくウォヌを待ってみる。猫たちがトイレを終わらせるのを待つみたいな感覚で。
でもなんか、恋人のトイレ終わりを待つのって変態臭いと思いなおして、水を取りに行く。その場から去ればいいのにやっぱり待ちたくて。
乾燥してるから水飲んでなんて、ただの口実なのに、ウォヌは素直にそれに口をつけて、ちゃんと「ありがと」って言う。多分疑うことすらしてないんだろう。
同じタイミングで起きたことをいいことに、あぁキスがしたいなとか、良ければその続きだってしたいなとか。ミンギュがいかがわしいことを考えているなんて......。
一緒に寝室に戻って一緒のベットに寝る。当たり前のようにウォヌの身体を抱き込めば、当たり前のように身体を寄せてくる。
あぁ、その首筋に吸い付きたいなとか思いつつ、「朝までまだ、寝られるよ」と言えば、ウォヌはすぐに寝息を立て始めた。
WONWOO side
気づけば朝だった。
夜中に起きたことが夢だったのか、現実だったのか、少しだけ不確か。
だから「昨日夢見たのかもだけど」って言いながら、ミンギュを探したことを口にすれば、朝の準備をしながらもミンギュが夢じゃないと教えてくれた。
猫たちが起こしにくるのはなんでいつも俺なんだとミンギュが笑ってた。
ウォヌだって起きてさえいれば、猫たちが砂をかく音にすぐに気づくけれど、さすがに寝てる時には気づかないことがほとんどで、しかも猫たちは絶対にウォヌのことは起こさなかった。
きっと猫たちにとってウォヌは飼い主というよりも仲間に近いのかもしれない。
よく一緒に惰眠を貪ってるし......。
「俺のことも起こしていいよ」
だからミンギュにそう言ったのに、ミンギュは「そうだな」って言っただけだった。絶対に起こしそうにはない風情で。
朝起きて猫たちのトイレを覗いても、いつもキレイだった。だから猫たちもミンギュを起こすのかもしれない。
一緒に寝ようとウォヌの身体にくっついてくることはあっても、ご飯を催促するのはミンギュの方ばかりなのも、いつだってテキパキとミンギュが猫たちにご飯をあげているからかも。
時々は「今日は祭りだ」とかって謎な発言のもと、普段はあげないような高価なものだったり、変わったものだったりを手に入れてくる。
テンション高い猫たちと一緒に、荷造り用のヒモを持って走り回ってたりもする。
それから猫たちを順番にたくさん撫でてゴロゴロ言わせてる。当然のように最後にはウォヌのことも抱きしめにくる。
だからやっぱり自分も猫っぽいと思うウォヌだった。
끝나지 않는 가을(終わらない秋)
いつまでも暑いと思ってたのに、気づけば街の中は秋色に染まってた。
でも外に滅多とでないウォヌは気づかない。
それは秋の夜の出来事。
MINGYU side
ミンギュの買ってくるケーキが秋めいてきたと誰かが言っていたと、今さらなことをウォヌが言っていた。
Tシャツばかりだった洗濯物に、羽織りものにできるシャツも増えてきてるってのに。
ただ寝てるだけのウォヌの方が、秋を肌で感じてるのかもしれない。
ミンギュに抱き着いてくることも増えてきたから。
冬になればピッタリとくっついて眠るほどだから、秋も深まればさすがに気づくだろう。
でもそういうのに疎いウォヌのことは嫌いじゃないんだけど......。
ベットのシーツも変わったし、タオルケットだけだったのに薄手だけど掛け布団だって出した。それからこれは気分だけど枕カバーだって買い替えたけど、ウォヌは何も言わない。
自分の恋人が髪型を変えても絶対に気づかないタイプだろう。
でも気に入ってるのか、枕に頬ずりするようにして寝てる。その姿を見るだけで、ウォヌが何も気づかなかったとしても、満たされるんだけど......。
何か夢でも見てるのか、言葉にはならないけれどウォヌの口が動いてた。耳を近づけて見ても言葉としては聞き取れない。
別に寝苦しそうでもないから不快な夢でもないのかもしれない。そう思いつつも寝てるウォヌのことを抱きしめなおして、背中を軽く叩く。
あぁ、夢の中でも一緒にいれたらいいのにって思いながら。
ずっと一緒に抱き合って眠ってたら、そんなスキルが身につくとかないのかなって、結構真剣に思いながら。
WONWOO side
ケーキが秋っぽくなったと言ったのは誰だったか。ウォヌは気付きもしなかったのに。
それをミンギュに伝えたら笑ってた。なんでもないように。
でもそうと知って見回してみれば、ひんやりシーツは普通のボアボアシーツに変わってた。枕カバーだって。
ミンギュの方が忙しいはずなのに、いつの間にそんなことをしてるのか。
「俺が寝てる間に、何やってんの?」
だからそう聞いたら、「え、抱きしめたりはするけど、それ以上のことは勝手にしてないよ」と違う意味で慌ててた。
別にそっちはどうでもいいんだと言えば、「え、ほんとに?」と、なんでか浮かれていたけれど。
それからなんでか「秋だし山登りに行こうか」とか、「秋だしハイキングに行こうか」とか。
ミンギュは日頃言わないことを行ってウォヌを謎に疲れさそうとするけれど、そこに不埒なミンギュの思考が詰まってるだなんて、当然気付きもしないウォヌだった。
ただ、「ほら、これも秋だからだよ」と季節によって少し変わってきた食材や、景色や、小物などを教えてもらっては、「ほんとだ」って言うぐらいだった。
「秋だから、俺も、ケーキを買いに行こうかな」
秋は関係ないし、秋以外でも好きに買ってこいよみたいなことをウォヌが言ったって、「秋だもんな」とミンギュは笑ってる。
それからウォヌを甘やかすかのように「じゃぁ一緒に買いに行こうか」とかも言ってくる。
普通ならケーキぐらい1人で買えるけど的な返事になるはずなのに、ウォヌはちょっとだけ口元で笑って「うん」と言ってしまった。
MINGYU side
ウォヌは何かに満足すると、安心した猫のようにすぐに寝てしまう。
ケーキを一緒に買いに行く約束をした次の瞬間には、どこの店がいいかをミンギュはググったりしたっていうのに。
それほど遠くなく新しいケーキがあって、美味しいと過去にウォヌが言った店がよくて。
持って帰って家でケーキを食べるなら、その日の夕飯は事前に準備しておけるやつがいいとまで考えて予定を立てた。まぁそれだって壮大な旅行の予定とかって訳じゃない。会社帰り、それも少しだけ早めにあがって向かう場所をピックアップする程度で、後は天気と気分で決めればいい。
ウォヌが乗り気じゃなければ潰える程度の予定だった。
それはほんの小さな、ウォヌの眠りすら邪魔するほどでもないもの。
起きたらウォヌはケーキのことなんて忘れてるかもしれない。でもミンギュは覚えてる。
大した予定でもないのに楽しみで。予定通りに行かなかったとしても楽しめる気がしてて。
ただウォヌの横で眠る。明日を楽しみに。
そしてきっと明日には、新しくできた思い出を噛み締めながらまた、ウォヌの横で眠るんだろう。
少しずつ涼しくなったっていってもまだ暑いのに、しっかりとウォヌのことを抱きしめてるウォウとの間にネコが入り込んでくる。2人の間を押しのけて眠る場所を確保するというよりは、2人の間にある身体の重なった部分に自分も乗っかりたいみたいな感じで。
きっともう少しすればもう一匹だって当然来るだろう。そして暑くなるか飽きるまでそこに居続けるはず。
眠る猫の喉を撫でてやれば、グルグルと喉を鳴らす。順番に撫でていくついでにウォヌにも手を伸ばせば、さすがに喉は鳴らさなかったけどウォヌは眠りながらも口元で笑ってた。
WONWOO side
仕事場で、ケーキ屋をググる。
昨夜の話題は朝には出なかったけど、きっとミンギュは覚えてるはず。
でもウォヌにはケーキを選ぶ基準がわからなくて、検索数の高いものだとかで探してみれば、場所は決まって賑やかな場所にあったりした。
ウォヌにしてみれば遠すぎて、ハードルが高い。
地図アプリから近所のケーキ屋の場所だって調べたけれど、近くの店なんて、もう飽きてしまってるかもしれない。
そう思えば毎週毎週、ミンギュはどこかから美味しいケーキを買ってくるけれど、金銭的な負担以上のものがあるはずなのに、嫌な顔1つしたことがない。
ウォヌにしてみれば結構悩んだ。
その結果、「俺、なんでケーキなんて買うって言ったんだっけ?」みたいなところに落ち着いた。
当然ながらミンギュに「俺、ケーキ買う?」って謎なカトクをして、「大丈夫。帰り待ち合わせして帰ろう」と返事を貰って、何もかもミンギュに任せた感じになっていた。
でもそれで誰も困ったりはしてないし、なんならミンギュは喜んでいる。
ウォヌはちょっとボーっとしてたけど、問題は解決したとばかりにやっぱり昼寝に勤しんでいた。
昼間に寝すぎたら夜に寝れなくなるぞと言ったのは、ハラボジだったかもしれない。
でもミンギュは、寝れないなら起きてればいいよと笑うばかりで。ウォヌの困ることも、嫌がることも、何故かミンギュは絶対にしない。
だから次にあったら「なんで?」って聞いてみなくちゃと思いながら寝てたら、寝過ごした。
待ち合わせする予定がミンギュは支社に来ていて、そして仕事でもないのに日頃ウォヌがいる場所だからとあちこちを片付けながら待っていた。
「あ、起きた?」
そう言いながらミンギュがエプロンを外す。
そして2人でケーキを買って帰った。
会社の近くの店なのに、ちょうどコグマのケーキが新しく出たばかりだってはなしで、秋っぽいケーキは懐かしいような味だった。
끝나지 않는 겨울(終わらない冬)
寒くなれば一瞬で、目覚めた夜中、気づけば窓の外には雪が降っている。
抱きしめて、抱きしめられていて。そして布団の中には猫が2匹もいる。
幸せしかない、冬の夜の出来事。
MINGYU side
秋にウォヌとケーキを買った時に猫たちが食べられるというケーキも買った。
今日はパーティだよと言いながら食べさせたからか、猫たちはどうもパーティって言葉を覚えた気がする。
滅多と日常でパーティなんて言葉を使うことはないけれど、うっかり漏らしようなら猫たちは何が貰えるんだって感じでやって来るから。
「クリスマスパーティを、会社でするって聞いた?」
そう言ってからウォヌが自分の口を押えてたけど、しっかり猫たちに聞かれてた。
「普通のマンマしかないよ。ごめんごめん」
ウォヌは謝ったけど、猫たちはもう何か貰える気満々で、ウォヌに必要以上にスリスリしてた。
仕方ないからとミンギュはチュールを隠してる場所から取り出す。
いつだって同じ場所においてたら、その近くに行くだけで猫たちが期待するようになったからだったけど、最近はウォヌすらその隠し場所が判らないのか、ミンギュに「あれどこ?」とか聞いてくる。
2人で暮らし始めて何度目かの冬だからか、ウォヌと猫たちの世話をして過ごす、ミンギュにとっては慣れ親しんだものだった。
でもやっぱり冬だから、時々どちらかが体調を崩すけど。
WONWOO side
風邪をひいた。一緒に寝てるし、2人の間や足元や、時々は足の間とかに猫たちがいるから暖かさは結構あるっていうのに、どの一瞬にやられたのかも判らずに、ウォヌは風邪をひいた。
もう風邪をひいたって怖くはない。
体温計は脇に挟むタイプのヤツしか持ってなかったはずなのに、ミンギュはいつのまにか非接触タイプのものをゲットしていたらしく、ウォヌのおでこで熱を測ってる。
なんだか楽しそうだと「ちょっとやらして」と手を伸ばしても、「熱がもう少し下がったらね」とかわしたくせに、「でもこれ手首でも測れるんだよ」と見せてくるから、ちょっとだけ唇を突き出して不満をあらわにしたら、そこにキスされた。
風邪をひいたら、移ったら困るからペットボトルは直接口をつけて飲んだらダメだよ......とか言うくせに、キスはするんだ......って感じ。
書きかけ~<(_ _)> どれ