流れ星ピンナダについて
続きものではないけれど、ディノちゃんからはじめたセンイルおはなしが溜まって来たので、contentsページを作りました。
流れ星ピンナダ7
「あ」
ウォヌがそう言った時、横にいたのはウジで、ウジは「お」と言った。
手にしてたはずの荷物は一瞬で奪われた。
別に泥棒とか、見知らぬ誰かにって訳じゃない。
誰がいっぱい荷物を届けられるかを謎に競ってるらしい97ラインの3人がいて、それを応援してるマンネラインがいただけのこと。
ウォヌの手から荷物を奪っていったのはドギョムで、「ウォヌヒョンの荷物は俺のに決まってるだろ」と文句を言いながらその後を走っていったのはミンギュで、「決まってたのか?」って聞いてきたのはウジだった。
とろい訳では決してないのに、ウォヌが「いや、決まってないと思うけど」って言った時にはドギョムもミンギュももはや見える場所にはいなかった。
「ウォヌヒョンはどうする? ウジヒョンは?」
さっきから同じ場所にいて全部見てたはずなのに、ディノから聞かれた言葉にウォヌは首を傾げてた。
「誰が1番になるか、賭けるんだってさ」
ウジがさらに補足してくれて、「ミンギュ、ミョンホ、ドギョムの順にオッズが高いらしい」と言っていた。
ということはミンギュが優勝候補ってことだろう。
「でもドギョミはハニヒョンに泣きつきそうだし、ミョンホだって勝つために手段を選ばなそうだから、ジュニが裏で暗躍するだろ。だからあのオッズは正しくないと思う」
ウジは冷静にそんな分析までしてた。
なるほど......。
「でもそれなら、俺だってミンギュを本気にさせられるけど?」
ウォヌがそう言えば、ウジが真剣な顔で「ほんとだな?」と聞いてきたから頷いていおいた。きっとこれでウジはミンギュに賭けるだろう。
「ミンギュや〜」
通り過ぎる時に応援するように声をかける。コッソリと、勝てたらなんでも言うこと聞いてやるけど......とも囁いて。
俄然エンジンのかかったミンギュが、慌てるドギョムや悔しがるディエイトをよそに本気を出している。
ウォヌヒョン狡いよとディノには言われたけれど、「なんで? コッソリ手伝ったりはしてないよ」と当然のように言えば、グヌヌヌヌってなっていたけど。
流れ星だと思われてる自分たちの前には、願い事は山とある。切実なものも、簡単なものも。
叶えてあげたいとは思うものの、自分にできることなんてミンギュを喜ばせることぐらいだと知っているから......。
あんまり必死に駆けることはないけれど、無難に走りはする。それでもウォヌだって、キラキラと輝いている......。
The END
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