妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

キムミンギュの新しい日常

キムミンギュの新しい日常 1

ミンギュがメンバー全員が見られるカトクで新しい日常を語るのを横目に、ウォヌはパンを齧る。

普通に朝に起きて何かを食べる。
誰だってしてる日常なのに、ミンギュのことをチラリと見たあとはずっと、ウォヌは目を閉じたままでパンを齧る。
だから時々はパン屑が着替え終わった洋服に落ちるけど、それすら気にならないのは、睡眠不足だからだろう。

「俺、明日も仕事だから」

って、ウォヌが言ったのに、昼過ぎまで寝てられるくせにミンギュが「俺だって仕事だって」と言い張って、「ちょっとだけだから」とか言われて『ちょっとだけってどこら辺までがちょっとなんだろう』とか考えてる間にも押し倒されて、結局いつも通りぐらいには抱き合ってしまったから。

お互い様だから、怒ったりはできない。でも悪いと思ってるのか、いや逆に迷惑だったけど、朝も早くからミンギュのスマホのアラーム音が鳴り響き、ウォヌは着替えも朝食も、ほぼミンギュに助けてもらってしまった。

ミンギュがやっぱり「大変だよ。色々」とカトクしてたけど、『いやお前が我慢してたら大変じゃなかっただろ。色々』とか思いつつも、ウォヌは最後の一口(小さめ)を嚥下した。

「ウォヌヒョン、トロトロしてたら遅刻するから、もうちょっと急いで」

そう言いながらミンギュが歯磨き粉のついたハブラシを手渡してくる。
『いやだからお前のせいじゃん』って言いかけたけど、ウォヌはひとまず「ありがと」と言った。

「ウォヌヒョンが今あれだから、俺、色々大変なんだよ」

それからも時々、そんなことを言ってるミンギュがいたし、それを聞くと誰もが大変だなって顔で態度で接してくれたけど......。
いつだってそんな時には黙ったまま、でも首を傾げるウォヌがいた......。

The END
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2025/6/30

 

キムミンギュの新しい日常 2

「入れたままで寝たい」と、ミンギュがめたくそ爽やかに言った。
今じゃなきゃできないことをする。確かそんな話題だったはず。
ジョンハンは全然お手本にならないしって言いながら、もっと地味なことをしたいと話してたはず。

「とりあえず俺は、自炊を頑張ろうかな」

そう言えば、「出前卒業?」ってミンギュだって笑ってたのに。
「せっかくウォヌが家にいるっていうのに、なんで俺パリなんだろ」とか言ってたはずのミンギュは、それでも「お土産なにがいい?」とも言っていて、ウォヌが確か、「お前が買ってくるものなら、なんだって嬉しいけど」って言った所ぐらいだったはずなのに......。

最近ちゃんと睡眠を取りすぎて、逆に頭と身体がびっくりして、何かを聞き間違えたのかもしれない。そう思ってウォヌが「なんか、物凄く観光客が買うっぽいチープな感じのお土産がいいかも」と言ったのに、「入れたままで寝たいって」と、ミンギュはわざわざ言い直した。
あまりエロくない。ただただミンギュは楽しそうな顔をしていて、どう?って感じだったから。

「何を?」

ウォヌはそう聞いたってのに、ミンギュはまたしても照れもせず、「ナニを」と言ってくる。
いや爽やかな奴が言うと、エロいことも爽やかになるんだと、ウォヌはちょっと関心した。

パリの土産物のはなしから、どうやってそこにたどり着いたかは判らない。聞きもしなかったから。

「今じゃなきゃできないことするって言ってたじゃん」

とりあえず自炊をしようとキッチンに立つウォヌの後ろで色々手伝いながらも、ミンギュが言う。
いや、そういうことじゃない......。
もっとこう、「ウォヌヒョン日頃なにしてるの?」って弟たちに聞かれた時に、「最近は自炊チャレンジ中」とか、そういうことを答えたい。
ミンギュのやろうとしているやつは普通に答えられないし、酒の席だって無理だろう。
それにそういうことは、別に今じゃなきゃできない訳じゃない。いや、それは言わなかったけど......。

The END
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2025/7/6~2025/7/7

 

キムミンギュの新しい日常 3

「ウォヌヒョン俺に、気なんて使ってないし、遠慮だってしてないよね」と、ハワイから電話をかけてきたミンギュは酔っていた。

「うん。してない」

だからそう言っただけで切ってやった。明日も仕事だと言うのに。でもすぐに電話が鳴る。

「だからなんだよ」

物凄く素っ気なく言ってやったのに、電話の向こう側のミンギュは「ほら、ほらウォヌは全然気なんて使ってないし遠慮もしてないし、俺のことだって当然愛してるし、早く会いたいから帰ってきてだってッ」と、エスクプスに向かって必死に話すばかりでウォヌの声すら聞いてない。
そうしたらもう1人の酔っ払い、エスクプスが「嘘つくな」と怒ってる。

どうやら2人で飲んでテンションあがって楽しんでたのに、ミンギュが先に2人暮らしを自慢したのか、「そんなのウォヌの我慢と遠慮でどうにかなってるに決まってる」と言われてケンカになったらしい。

2人はよくケンカする。でも次の日には仲良く笑ってる。
でもまた夜にはケンカする。
バカみたいに、子どもの口ケンカみたいなのを、どれだけ繰り返してることか。
まぁただの酔っ払いだけど。

「俺だって、ジョンハニが完全復活したら、一緒に暮らす予定だもん」

エスクプスのそんな声も聞こえたけれど、なんでかミンギュが「嘘つくな」と言い返してた。別に嘘だったとしても、どうでもいいのに。
「嘘じゃないもん。ほんとだもん」
そんな、必死なエスクプスの声も響くなか、「じゃぁジョンハニに電話して確認してみろよ」とか、ミンギュがなんでかムキになっている。
まぁバカみたいにケンカをしはじめたら、なんでも対抗したくなるんだろう。

「明日も仕事だから切るぞ。もうかけてくるなよ」

そう言って切った。
きっと酔っ払いのミンギュは掛けなおしてくるだろう。
だからスマホの電源を切って放置して、ウォヌは寝なおした。
あぁ、スマホの電源を落としたら、目覚まし代わりのアラームが鳴らなくなってしまう......って思いながら。明日遅刻したら、完全にミンギュのせいだと思いながら。

でも遅刻しなかった。アラームは鳴らなかったし、起きる予定だった時間には起きれなかったけど、ギリギリ起きなきゃいけない時間には起きれたから。

多少酔いも落ち着いたのか、ウォヌのスマホの電源が切られてることに気づいて焦ったミンギュがスングァンに連絡し、そのスングァンからジョンハンに連絡が行って、そのジョンハンだって仕事だって言うのに、仕事前にウォヌを起こしに来てくれたから。

朝食を食べる時間がなかったことをお前のせいだと言おうとカトクを開いたら、物凄い量のゴメンナサイとアイシテルと、その合間にエスクプスとのやり取りの説明と。
朝の忙しい時間に読むのも大変そうで、わざとじゃないけと既読スルーになってたら、昼にはなぜか土下座した写真まで届いてた。

The END
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2025/7/8〜2025/7/10

 

キムミンギュの新しい日常 4

最近なんだか楽しいとミンギュが言うのを、ウォヌはへ〜って気持ちで聞いていた。

「いやもっとこう、耐えられないぐらい寂しいとか。会った瞬間から離れる瞬間までウォヌヒョンのことギュッとしとかないと不安になるかとすっごい真剣に思ってたんだけど」

案外大丈夫だったとミンギュが言う。
ウォヌはやっぱりへ〜って感じで聞いてたし、リアクションもそれぐらいだったけど、ちょっとだけ首を傾げていた。

だってミンギュはいつだって、「ウォヌヒョン不足になるよ」って言いながら、結構な時間ウォヌのことをギュッとしてるから。
時間だって調節して、どうにか一緒の時間を過ごそうと頑張ってくれているのも知ってる。
どこかに行かなきゃいけないってたびに、「なんで俺、こんな仕事引き受けちゃったんだろう」とグズグズだって言う。
まぁ行ったら行ったでちゃんと楽しんで、あちこちのキレイな景色の写真を送ってくれて、「いつか絶対一緒に行こう」とも言ってくれるけど。

「いやでもほんと、涙に暮れるかと思ってたんだもん」

そう言うから、「お前は涙より笑ってる方がやっぱり似合うよ」って言えば、「ウォヌヒョ〜ン」って言いながら抱きついてくる。まぁその勢いでウォヌのことを押し倒すことも増えたけど。

「だってアイドルじゃないウォヌヒョンとのセックスできるチャンスなんだよ?」

いつだって前向きなミンギュのバカっぽい言葉に流されながらも、やっぱりウォヌは首を傾げてたけど......。
時々珍しくも後ろ向きにも見えるミンギュも、気づけばそのままグルっと前向きに変わってて、やっぱりウォヌの横で笑ってるけど。

The END
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2025/7/10〜2025/7/14

 

キムミンギュの新しい日常 5

ウォヌにはウォヌの新しい日常がある。まぁでも一緒に暮らしてるから、そこには当然のようにミンギュもいる。
時々は抱き合って眠るし、時々は少し離れて眠る。2時間後には出なきゃって時だって、わざわざウォヌの寝顔だけ見に帰ってくることもある。
そっと帰ってきてそっと出ていくつもりでいても、ミンギュはうっかり人の上にスマホを落としたりして「ぅわッ。ゴメン、ゴメン、ゴメン、ゴメンナサイ」と騒がしかったりするけど......。

ずっと好きでいてほしいとか。ずっと好きでいたいとか。不思議とそんなことは思わない。
もうお互いが当たり前に横にいる日常がずっと続いてるからかもしれない。
新しい日常がはじまってしまえば、どうしたって距離はあいてしまうっていうのに、寂しい寂しいって言いつつもそれすらもミンギュは楽しんでいるから。

「落ち着いたら」

どっかに行こうとか。何かを一緒にしようとか。あれを食べに行こうと果てしない場所を口にして。きっとその時になったら面倒くさくなって、近場でいいけどっていいそうだけど。
でもとりあえずウォヌはミンギュが口にするたくさんのいつかのはなしに「お、いいね」って感じで返してる。

約束したのにってムクれられるのは、多分数年後のはなしだからって......。

The END
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2025/7/14〜2025/7/17

 

キムミンギュの新しい日常 6

ちょっとゆっくりできる時に、近場で旅行したいかなと言ったのは、いつだったか忘れたけれど、だいたいそんなことをウォヌは言った。
それにミンギュは「お、いいじゃん」と笑ってくれてたはずなのに、いざ旅行の日程が決まったと伝えたらミンギュは驚いていた。

「まさかの1人で?」

一人旅も悪くない。でも「そんな訳ないじゃん」と言ったら「家族と?」と聞かれた。もちろんそれも悪くない。でも今回は違ったから「違うよ」と軽く答えたら食い気味で「誰と? 俺の知ってる人? あぁマネヒョンと?」と言われてはじめて、ちょっとだけ「お?」となったウォヌだった。

「プライベートなのに、マネヒョンと行く訳ないじゃん」

そう言いつつもミンギュも当然知ってるチングの名前を口にしたら、「あ、そうなんだ。楽しんでおいでよ」って感じのことを言ってくれると思ったのに、「は? 嘘でしょ? 3人だけで? 誰もマネヒョンついてこないの?」とか言い始めた。

ウォヌが兵役についてから、ミンギュは何故か少しだけ過保護になった気がしないでもない。
ジョンハンに言ったら笑って「そりゃあいつは今一般人の彼氏なんだから、普通の韓国ナムジャ程度には鬱陶しくなるだろ」と返された。

じゃぁ今の、ジョンハンに対するエスクプスはどうなんだとも聞いたけれど、「あいつは前から鬱陶しいもん」と言われて終わりだった。

危険なんて何もない場所に行くというのに、結構ギリギリまで「誰かはマネヒョン連れてくるんじゃない? 聞いてみてよ」とか、「マネヒョン誰も来ないなら、じゃぁせめてハニヒョンも連れて行きなよ」とか。
最終的にはなんでか「俺のスケジュール、どうにかできないか、事務所にかけあってみるよ」とかも言い出した。1年以上も先までガッチガチなスケジュールが、ウォヌのなんのハプニングも起きそうにない旅行如きでどうにかなるはずもないけど。

とりあえず無事にチングだけの3人での旅行は楽しめたけど、カトクには無事の報告を山ほど送る羽目になった。
鬱陶しいと言えば鬱陶しいけれど、そんな過保護なミンギュも嫌いじゃない。とは、さらに鬱陶しくなりそうだったから黙っておいたウォヌだった。

The END
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2025/7/17

 

キムミンギュの新しい日常 7

ホウコンがあった時、「一緒に行こうよ」と言われたけど断った。元からミンギュは日曜日に行くと言ってたのを知ってたから。
ジョンハンからも誘われたけど、やっぱり断った。

「ウォヌは行かないつもりだ」

と誰が言い出したのかは知らないが、ホシからもウジからも「来るだろ」とか「嘘だろ」とかカトクが来てた。
だから「多分金曜日、仕事終わりに行けたら行く」ってグループのカトクで言ったはずなのに、なんでか当日「ウォヌヒョンなんで1人で行ってるんだよ」とミンギュに驚かれた。

驚いてるミンギュに「お前カトク見てないのかよ」とツッコんでたのはドギョムで、「俺ですら見たわ」と言ったのはディエイトで。
中国で撮影中のディエイトですら知ってるっていうのに......。

「だってウォヌヒョンは絶対俺と行くと思ってたんだもん。同じ家に帰るんだし」

ミンギュはそう言ってもにゅもにゅした感じのスタンプを出していたけれど、月曜日だって仕事なのに、日曜日の夜に疲れることなんてしたくない。

「日曜日に俺と、もう1回行く?」

当然断った。明日仕事だからって。
ミンギュは「わかった」って言って、「ちょっと行ってさらって楽しんでくる」と軽い感じで出かけていったけど、すでにホウコンを体験した身としては、なかなかに身体の中に響く音ばかりだったから、さらっと楽しむなんて無理だろうとは思ってた。
そうしたらミンギュはやっぱり舞台まであがって楽しんだ上に、ちょっと乾杯だけしてきたって言って夜中間近に帰ってきたと思ったら、その熱くなった身体のままでなんでかウォヌのベッドに潜り込んできた......。

「バカ、明日月曜日なんだから」

って言ったのに............。
それからしばらくミンギュはウォヌから無視られていた。犬のように反省してるから許してやれってジョンハンがとりなしてくれるまで......。

The END
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2025/7/17〜2025/7/19
※不埒な愛は不滅6 の表側がコレ

 

キムミンギュの新しい日常 8

ミンギュは誰にでも優しい。誰とでも仲良くなる。だから当然誰からも好かれてる。
そんな相手とつきあったら不安になる。というのがドラマとかのセオリーだっていうのに、ウォヌは不安になったことなんて一度もない。

「飲みに行くけど、ウォヌヒョンも行く?」

ミンギュは当然のように誘うから。それが97ラインの飲み会だったとしても。その中に女子がいても男子がいても、ウォヌの知らない誰かがいても、「俺が一緒に行くんだから絶対楽しめるよ」って当たり前のようにそう言って。
それでも楽しくなってしまえばウォヌのことなんて忘れてテンション高くチングたちと乾杯って言い続けそうなのに、たまたま遭遇したミンギュのチングたちに混ざることになった時、ミンギュは当然のようにウォヌの横に座った。

「ほら、俺左利きでウォヌヒョン右利きだから」

そう言いながら、わざわざウォヌのことを奥側の席に座らせてもくれた。
ウォヌがちょっと苦手かも......って思ったことをちゃんと汲み取ったんだろう。

料理はウォヌの好きなものだけ、それも食べやすい量が渡されて、3回ぐらい乾杯したけどそのうち2回はミンギュがウォヌの分もさらりと飲んでくれた。
特にコソコソでもない。それが当然で当たり前って顔で。誰かに話しかけらたら楽しそうに言葉を返しながらも、ウォヌのことを気遣うのは忘れない。

飲みの席だから、見知らぬ女子が「ミンギュや。私のも飲んでよ」と言った。
別段酔ってる風でもなく、本気でそう思ってる風でもなく、ただただ楽しくなるように言っただけって感じで、ウォヌだって嫌な気持ちになんてならなかったのに。

「あ? 俺がなんで飲まなきゃいけないんだよ」

ミンギュはあっさりと断っていた。チングたちだからキツイってほどでもなく、言い方だってぞんざいでもなかった。
でも当然のように断ってくれて、誰かが言った「ウォヌさんのは飲んでるじゃん」って言葉にも、「当たり前だろ。ウォヌヒョンは特別なんだから」ってそれもさらっと言っていたはず。

楽しそうな話題の中にすぐに埋もれていったけど、少しだけドキドキしたのはウォヌだけだったかもしれないけど......。

ミンギュは当然のようにウォヌを大切にする。きっと誰かの前だって気にしないけど、時々キョドるウォヌのことを慮って、愛情表現は少な目にもしてくれる。でも2人きりの時なら隠しもしないけど。

好きだとか、愛してるとか。相手の気持ちが見えなくて不安になる人だって多いって聞くのに、やっぱりそんな不安とは無縁だった。ミンギュは言葉も態度も気持ちも惜しんだりはしないから。

「これだけ完璧な相手が横にいたら、俺、誰かに刺される不安には襲われるわ」

何気にそう言えば、ミンギュが「なんだよそれ」と笑ってた。

The END
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2025/7/19〜2025/8/22

 

キムミンギュの新しい日常 9

「本当は誰にも言っちゃダメなんだけど」とか言いつつも、コッソリと関係者以外知っちゃいけないという情報をミンギュは喋ってくる。
いやでも別にいいだろとは思う。今は一般人といえども一緒に暮らしてるし、相手はウォヌなんだから。

「いやでもほんとに、クプスヒョンはハニヒョンにも言わないって」

事務所で絶対誰にも言っちゃいけないって言われた時に、「俺はハニにも言わない」とエスクプスは言ったらしいが、絶対無理だろう。なんなら秒でカトクとか送ってたはずだと言えば、「そんなことないよ。俺もウォヌヒョンには極力耐えるって言ったら、俺はお前よりも耐えるって言ってたから」と言い出した。
そんなのもう、耐えてる時点で無理だろう。
でもウォヌが知ったって、ジョンハンが知ったって、どうってこともないはず。
ホシあたりが知ったらスポられる可能性は高いが、ホシ以外でいえばエスクプスの方がスポ率は高い。

「ハニヒョンに聞いてみる」

ミンギュがそう言って電話をかけたら、ちょうどエスクプスとご飯中だった。
思わずミンギュと2人して、「じゃぁもうダメじゃん」と言い合ってしまった。

「お前だってウォヌに言っただろ」

エスクプスが電話の向こうでぶーぶー言ってたけれど、まぁ事務所のスタッフヌナたちだって、2人が我慢できないのはわかりきっているだろう。

「本当はまだ内緒なんだけど」

って言いながら、きっとどっちかが。もしくは2人一緒にカラットたちにスポる日も近いかもしれない。
呆れるウォヌの前ではエスクプスとミンギュが電話越しに、どっちの方が我慢できなかったかって言い合っていた。
いやタイミング的にはほぼほぼ同じぐらいだろうけど......。

The END
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2025/8/22~2025/8/26

 

キムミンギュの新しい日常 10

ミンギュが落ち込んでいる......らしい。
そう言ってたのはドギョムで、「ウォヌヒョンとすれ違い過ぎて辛いって言ってる」と教えてくれたけど、2日前には確か抱き合って眠った気がする。

ミンギュが悩んでいる......らしい。
そう言ってきたのはディエイトで、「俺悩んでるアピールが酷いからどうにかしてよヒョン」と文句を言われた。
けど、ウォヌの前では悩んでる素振りも見せないんだから、どうにかしようもない気がする。

ミンギュが怒ってる......らしい。
そう言ってきたのはスングァンで、「俺にちょっかいかけてこないから、確実に不機嫌だよ」と教えてくれた。
まぁ基本ご機嫌なミンギュだって、時々は不機嫌なこともあるだろう。でもその不機嫌の持続力が弱いことも知ってる。
だからきっと家に返ってくる頃には、いつも通りのミンギュなはず。

別に示し合わせた訳でもないだろうに、ミンギュについての情報はその後もなんだかんだとウォヌのもとにやってきた。
別に教えてくれなくてもいいのに......とか素で思ってたけど、それは黙っておいた。

「ただいま〜。帰ったよ〜」

って、ミンギュはいつも通りに帰って来る。
別段不機嫌そうでも、落ち込んでそうでも、困ってそうでもない。まぁすぐに「会いたかったよ〜」って抱きついてはきたから、多少なりとも寂しかったりはしたのかもしれないけれど。

「聞いてよウォヌヒョン」

それからそう言って、今日の出来事の中でどうしてもウォヌにも伝えたいことを話し出す。
大抵、ムカつくことは長く覚えてられないのかよっぽどでないと少なくて、ほとんどが面白話だった。

だいたいは皆からカトクが来てたから知っていたけれど、それでも楽しそうに話すミンギュの姿を見るのもまた楽しくて......。
ウォヌには明日も仕事があって、ミンギュには数時間後には仕事があるっていうのに、着替えながらメイクを落としながら明日の準備をしながらと、ミンギュは忙しなく動きながらも楽しそうに話し続けた。
The END
◯moji
2025/8/26〜2025/9/29

 

キムミンギュの新しい日常 11

ミンギュは優しい。基本誰にでも。
でも親しい人たちにはもっと優しい。だから家族とかメンバーとかマネヒョンとかスタッフヌナたちにも優しい。

愛情深いとも言う。
優しさの度合いが違うのか、身体にあわせて包容力もバカ広いのか深いのか、底は見えない。

「キムミンギュにモテアソバレタ」

だから時々、そんなことを言うスングァンとかがいる。
いやまぁ付き合いも長いから、その言葉にギョッとする人間なんて、最近入ったばかりのスタッフぐらいかもしれない。
大抵はマネヒョンもスタッフヌナたちも、「また?」みたいな顔と態度で笑ってる。

「ガツンと言ってよ」

と、スングァンはエスクプスに言いつけに行く。
普段はニッコニコで弟たちを見てるエスクプスだって、いざって時は統括リーダーなんだからガツンと言ってくれるんだろう......と思ったら、ミンギュとは大抵同じレベルで言い合って、時々は負けている。
しかも同じレベルと言ったって、かなりの低レベルで、最後の方には「バーカバーカバーカ」とどちらかが言えば、お決まりのように「バーカって言ったほうがバカなんだよッ」ってどちらかが言い返す。

せめて社屋ならまだしも、はじめての撮影現場とかテレビ局の廊下とかでも繰り広げられるのがイタイところだけれど、あんまりエスクプスは役に立たない。

「ハニヒョンに言いつけるからねッ」

そして最終的にはほぼどちらも、ジョンハンに言いつけると言い合っている。

「俺、ウォヌヒョンが今ほらあれだから、色々スキルアップして成長してるとこ」

新しい日常にあわせてミンギュはさらに進化中だとさわやかに笑って言うけれど、そうかな......と、首を傾げそうになる。
まぁとにかく、ミンギュがいくらシュッとした顔をしていても、大抵のことはメンバーたちからウォヌに筒抜けだった。

The END
◯moji
2025/9/29〜2025/10/8

 

キムミンギュの新しい日常 12

「俺がもし、俺と仕事とカラットと、どれが一番大切なんだよとか言い出したら、ウォヌヒョン絶対、全部って答えてよ」

酔ってる訳でもないのにミンギュがイタイことを言い出した。
夏の終わり。

「でもほら、究極の選択だっけ? 2つのうち、どっち? 的なやつあるじゃん」

それはどうするんだと聞いてみたら、なんでかミンギュはグヌヌぬぬぬと犬の唸り声みたいなのをあげて考えていた。
ちょっとバカっぽいけどカワイイと笑えば、「え? ほんとに?」とすぐに喜んで笑うところも犬っぽい。

「まぁ本当にそう言われて覚えてたら、全部って答えるよ」

適当に約束をしたのにミンギュは満足そうだった。
だけど聞かれることなんてないだろう。そう思ってたのに、わざわざ電話をかけてきたドギョムにそのまんまの言葉で聞かれた。

絶対97ラインの3人でバカみたいなやりとりがあったんだろうなってのは丸わかりで、それをどうしたんだかミンギュは小狡く先回りをしたんだろう。

電話の向こう側からは、「ウォヌヒョンなら絶対全部って答えるよ」と自慢げなミンギュの声もする。

「カラットに決まってるじゃん」と言ったのはドギョムで。
「仕事とカラットってなんで別なの? それにキムミンギュも仕事の一部だろ」と言ったのはディエイトで。
「ぁ?」と不機嫌そうな声を出したのはミンギュで。

電話の向こう側ではウォヌの回答を待ってるはずの3人が、小競り合いをはじめそうになっていた。
でも3人の小競り合いは、ウォヌの一言でピタリと止まったけど。

「一番大切なのは、キムミンギュだよ」

ウォヌはそれだけ言って電話を切った。
ミンギュは泣きそうになってたし、ドギョムは素直にいいなって顔をしていたし、ディエイトは冷静に、いやでもまぁそれが一番全部取りに繋がるよねとか考えていたけど......。

電話を切ったウォヌがやれやれって顔でさっさとベットに横になったことまでは、誰も知らなかっただろう......。

The END
◯moji
2025/10/8〜2025/10/20

 

キムミンギュの新しい日常 13

くしゃみが止まらなかった日。ミンギュは「ウォヌヒョンが俺のこと話してるんだ」とか言ってたけど、ウォヌはミンギュのミの字も口にはしてなかったし、なんなら考えてもいなかった。
黙ってたけど......。
ちょっと寒くなってきたら、一気に寒くなる。そんなの毎年のことなのに、スタジオに現場に海外にと移動ばかりしてた頃には気づけなかった街の移ろいと寒さに、ウォヌの方が風邪をひきそうだったのに、なんでか体調を崩しかけたのはミンギュの方だった。

「鼻と喉の繋がってるところが痛い」

そう言ってたミンギュは物凄く悔しそうだった。
油断して風邪をひいたから悔しいのかと思ったら、「これじゃぁウォヌとキスできないじゃん」と、何故か勝手に人のことを呼び捨てていた。まぁいいけど。

「舌いれなかったら大丈夫かな?」

真剣な顔で聞かれても、ウォヌに判るはずもない。
ウォヌはただ呆れていただけなのに、答えないでいると真剣に悩んでいるとでも思ったのか、ミンギュは「俺、ググってみるよ」と言い出した。
いやそんなことググっても、答えなんて出るのか......ってウォヌが首を傾げる横では、ミンギュがさらに悔しそうな顔で「ダメだって。粘膜接触は止めた方がいいって」って言っていたから、インターネットの世界にはなんでも答えが落ちているのかもしれない。

別に今さら、これまでがあってこれからだってあるんだから、キスできない日があったって、痛くも痒くもないだろうに、ミンギュは「これじゃぁ一緒のベットにも入れないじゃん」と悶えてた。

「ウォヌヒョン寒気とかない? 風邪の兆候とか」

そう言いながらミンギュがウォヌの額に手を伸ばす。自分が風邪をひいたから、ウォヌのことを気遣ってくれてるんだろうと思ってたら、ウォヌが普通な健康状態だと知ると「ちぇッ」っと、これまた悔しがっていた。

2人ともが風邪ひきさんだったなら、遠慮せずにキスできるのに......ってことらしい。
一緒に風邪なんてひいたらきっと、治るものも治らないだろう。

でもミンギュは根性で、次の日には元気になってたけど。それから朝早くから仕事にでなきゃいけないのに、「昨日我慢したから長めね」とか言って、勝手に長めのキスを仕掛けてきたけど......。

そう思うと、やっぱり風邪なんてひかない方がいいかもしれない。と、思わないでもないウォヌだった。

The END
◯moji
2025/10/20〜2025/11/19

 

キムミンギュの新しい日常 14

急に寒くなった日の朝。
寒波が来るとは聞いていたけど、思った以上に寒かった。
でも、明日は仕事に行くのに、起きるのは辛いだろうと思いながら眠ったはずなのに、寒くなんてなかった。
起きれば同じ布団の中にミンギュがいて、後ろから抱き込まれるようにして寝てたからだろう。

時間が大丈夫なのかとか、スケジュールは?とか。
聞きたいこともあったし、自分の仕事の時間だってあったけど、思わず二度寝したほど。

暑がりのミンギュと寒がりの自分では空調が整わないことも多いけど、こんな寒さが厳しい時にはありがたい。

ミンギュはよく、「普通の彼氏みたいに送っていったり、迎えにいったりしようか」とか言う。ウォヌが今は一般人だからだろう。
でもミンギュは芸能人でアイドルのままだから、そんな時間が取れるはずもない。
俺等が行く頃には、落ち着いてるかもな......とか、もうずっとずっと昔にホシが寂しそうに言ったことがあったけど、嬉しいことにを通り越して恐ろしいことに、セブチは今も忙しく、人数が減ってもその勢いは止まりそうにない。
9人のダンスバージョンは驚くほどに複雑らしいとウジとホシが他人事のように話してた。
戻った時には苦労するだろうけど、でもきっと、慣れる前に踊り倒してる気がする。そして気づいたら踊れてるはず。

「ウォヌヒョン時間大丈夫?」

抱きしめてる手は離さないまま、ミンギュが後ろから声をかけてくる。

 

 

 

 

 

書きかけ〜
2025/11/19〜