妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

数えきれないほどの夜

 

13人もいるのに、ジャンケンで負けて負けて負けて。
気づけばミンギュと同室になっていた。
同じスマホケースだったから、ベッドの上や机の上にあるそれを間違えること数度。一度は仕事場に来てから気づいてエライ目にあったこともある。

もう面倒だからとお互いのスマホにお互いの指紋を登録しようと言ったのはウォヌだったのに、ちょっとだけミンギュが言葉を失っていて、気づけばミンギュがスマホケースを変えていた。
見ればドギョムがそれをつけていて、嬉しそうに「ミンギュに貰った」と言ってて。

なんだか、ちょっとだけ凹んだウォヌだった。
自分の方が大分、ミンギュに対してのハードルが下がってたというか、心フルオープンなのが自分だけだった事実に。

それなのにウジから自慢げに、「俺ら両片想いだし」とか、なんだか強烈な幸せなワードを浴びせられ、完敗した感じの日。
部屋に戻ってみたら、ミンギュがいなかった。
そんなこともあるさと先に寝てたら、帰って来たミンギュが自分のベッドじゃなくてウォヌのベッドに潜り込んできた。そしてそのまま、スウェットが捲られて、躊躇することなく勝手に手が入って来る............。

その手が温かくて、多分、酒が入ってるんだろうなって判ってたけど、拒否もしなかったというのに、「ヒョン、最近筋肉つけ過ぎて柔らかくないよ」って文句を言われてさらに凹んだかもしれない。

「じゃぁ触るなよ」
「嫌だ。これは全部、俺のもんだもん」

当然のようにミンギュが、スウェットの下まで脱がそうとしてくる。
滅多なことでは拒否なんてしないのに、きっとそのまま続けたってそれほど嫌じゃなかったはずなのに、珍しくもウォヌはミンギュの手が進むのを止めてしまった。

「ヒョン?」

嘘でも、「今日は体調悪いから」とでも言えば良かったかもしれないけれど、そんな言葉も出てこなかったのは、やっぱりもしかしなくても、凹んでたからかもしれない。
だってミンギュは、スマホの中身すら、見せてはくれないんだってことに。

ウォヌにやる気がないと知って、ミンギュはあっさりとベッドを下りて、部屋まで出て行ってしまった。
そのまま強引に事を進められても嫌だけれど、やらないなら別にいいけどって感じで離れていくのも嫌かも......とも思って、そんなことならしとけば良かったと、またしても凹む。

こんなことなら、両想いなんてものより、ずっと片想いの方が幸せかもしれない。
ウジが言う「両片想い」なら特に。
きっといつだって、相手のことを見てる。相手がどこを見て、何を考えてるのかを、ずっと見てて、その見てるってだけでもきっと幸せで。
相手の気持ちを想像してドキドキして、なんとなく楽しくてワクワクして、毎日が楽しいかもしれない。

ジャンケンで負けて負けて負けて。ミンギュと二人部屋になって。二人して思わず見つめあってそれから笑ったはずなのに。
引っ越しの日には、ベッドを二つ並べるか離すかで真剣に悩んだりしたのに。
部屋の入口のドアにカギをつけるっていうミンギュに、バカじゃないのって言いつつも反対もしなかったはずなのに。

ちょっと泣きそうで、ギュッと目をつぶる。
どうしよう。堪らないかも............って思った時に、ミンギュが戻って来た。
ただシャワーを浴びてきただけのようで、それに気づいたのは、やっぱりミンギュがウォヌのベッドに入って来たから。それから当然のようにウォヌを抱きしめて寝る体制を取った時に、濡れた髪がウォヌの顔にかかったから。

やらないのに、一緒に寝るってことに、やっぱりちょっとだけ泣きそうになったかもしれない。
ミンギュに抱き込まれるようにして、眠った夜。
自分のベッドで一人眠った方が絶対楽なはずなのに。

目覚めたら、「なんで俺にスマホ見せられないの?」って聞いてみようかと、思いながら眠った夜。
あぁそんなことよりウジに、「両片想いより、抱き合って眠る方がいい」って自慢してやらなきゃって、ちょっとだけ考えて、思わず笑ったりもして。

色んな事を考えてたら、いつのまにか眠ってた夜。

 

The END
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