流れ星ピンナダについて
続きものではないけれど、ディノちゃんからはじめたセンイルおはなしが溜まって来たので、contentsページを作りました。
流れ星ピンナダ10
ディエイトは華麗に走る。流れ星に見える自分が好きだから。
願い事は甘いものも可愛いものも、時に切実で哀しいものもあるけれど、誰かの希望なのも好きだから。
仕事は当然好きだし、もう兄弟のような家族のような仕事仲間たちも好きだから。
時々はちゃめちゃになることもあるけれど、それだって好きだった。
主にチングなミンギュがやらかしたり、ドギョムがピンチに陥ることも多いけど、何やってんだよって言いながらも全員が集まる姿も好きだから。
「配達間違いの、受け取り拒否?」
いや、配達間違いなら、そりゃ受け取りは拒否るだろう。だと言うのに、「困るよって言ったんだけど」とドギョムが困ってた。いや、だから、配達間違いなら相手だって困るだろう。
「ちょっとぐらい近所の人なら、受け取ってくれたらいいのにな」
とか、ミンギュはおおらかなことを言うが、ちょっとどころか大分疑問だった。
「近所の人だったの? 本当の配達先の人」
ディノも疑問に思ったのか、まともな質問をする。
「ううん、知らない人だって。最近開発された星だから、人はこれから増えてくらしいけど、知らないって」
いやそれなら、やっぱり配達間違いの品を見知らぬ人が受け取ってくれるはずはないだろうに、ミンギュは「世知辛いな」とか言う。そしてドギョムは届けられなかった荷物を手にそれに頷いていた。
何言ってんの? そう思ったら、スングァンがちゃんと「何言ってんの? ヒョンたち」とツッコんでくれた。
なんとなくそのヒョンたちに自分も含まれてそうで、え、俺も? ってなってる間に、「配達間違いのものは、依頼元に確認しなきゃ」とディノがさらにまともなことを言う。
「え、何それ」
ディノのまともな発言に驚いてたのはバーノンで、「俺、大抵ウォヌヒョンとかシュアヒョンとかに渡してた」とか言って、大雑把過ぎる対応をしてたのがバレて、スングァンに睨まれていた。
「とにかく、ヒョンたち適当なことしないでよ」
スングァンが言う。やっぱりそこには自分も含まれているようで、ちょっとだけヤーって言いたくなったけど、ミンギュは当然のようにディエイトに向かって「どうする?」と言ってくる。
助けるのも、助けられるのも好きで、ほぼほぼ助ける側だったとしてもいい。
だから、「方向が同じなら、何個か仕事貰うけど」って言えば、ミンギュもドギョムも次の配達先を確認しはじめた。
「いや待って、なんでお前まで?」
そう言えば当然のように、「今フォローしとかないと、後でもっと大変じゃん」とか言われて、思わず納得してしまったディエイトだった。
余分に増えた荷物を持って飛ぶ。
戻りは遅くなるだろう。
でもまぁ、困ってるドギョムがいつまでも右往左往してるよりはいい。ミンギュがいても解決しないかもしれないけれと、一人よりはいい。
それに多分ヒョンたちの誰かが、手伝いに来てくれるか、迎に来てくれるはず。
でもミンギュとドギョムのことが心配になって、爆速で夜空を駆けたディエイトだった。
The END
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