妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

病院のなか、陽の当たる場所2 feat.愛のバカヤロー

注意......

日頃から妄想を書いてますが、さらに妄想となっておりますので、ご注意ください。

クパン(両親?)と、ホシウジ(子供=小学校1年生頃)設定の301号室と、

ジョシュア(保護者)と、ディノ(永遠の5歳児)設定の302号室と、

ウォヌ(社会人)とミンギュ(大学生)の、兄弟?設定の303号室。

1階で花屋さんを営んでるドギョムとか。

202号室の苦学生のチャイナ(ジュンとディエイト)とか。

そんな彼らのおはなしですが、それでも良ければどうぞ............

 

sevmin.hateblo.jp

 

病院のなか、陽の当たる場所2

ディエイトが帰り支度をしていたら、珍しくゆっくりと歩くジュンがいて、陽当たりの良い窓際で、長い脚を自慢気に伸ばして立っていた。
「なに? 足が長いの自慢してるの?」
思わずそう聞いたら「なんでだよ」と言われたけれど、白衣着てなきゃどんな服だろうと足の長さが目立つからと言えば、「だからって別に自慢なんてしてないだろ」と言われた。
聞けばディノとジョンハンと一緒に来たという。
元気に飛び跳ねてる割にはケガは少ない。それは楽しそうにダンス教室に通ってるからだと最近聞いたばかりなのに。
「子猫を触っちゃったんだよ」
簡単に説明を聞いて、あぁ......となる。
自分でちゃんと認識して避けられる訳じゃないから、子どものアレルギーほど大変なものはない。
最近小児科の研修をはじめたディエイトは、小さな子どもたちが病院にいることに、癒やされることもあったけど悲しくなることも多くて、ちょっとだけ凹んでた。
「もう終わるなら待ってるけど」
「足の自慢しながら?」
そう言ってやればジュンはなんだよとむくれて見せたけど、ジュンが怒ったとこなんて、ディエイトはほとんど見たことがない。
「後はカルテのチェックだけから、多分20分もかからない」
そう言うとジュンは長い足を放り出すようにして、陽の当たる場所にある椅子に腰をおろしてた。
本人にはそのつもりはなくても、やっぱり足の長さは目立つだろう。
声ぐらい自分でかけたらいいのに、ディエイトにジュンのことを聞いてくる人は多い。先輩後輩同僚問わず。売店のおばちゃんたちだって。
別にジュンは、とっつきにくいことなんて一つもないのに。
ジュンの後を追うようにして同じ病院に入ったディエイトは、時折、不意に誰かに意地悪をされることがある。でもディエイトの後ろにはジュンがいて、そのジュンには大きな後ろ盾があるらしいと知ると、大抵は何も言わなくなる。
何もしてないのにな......とジュンは言うけれど、見てる人は見てるんだろうとディエイトは思う。
マンションの階段でケガしてたチビチビたちを助けただけなんだよ......とも言っていたけれど、それからもチビチビたちと遭遇すれば何かと世話を焼いていた。
ケガもしてないのに自分にも包帯を巻いて欲しいと大騒ぎするディノと、ウジと同じがいいと包帯下の血の滲み具合まで再現して欲しいと訴えるホシと。少しだけ意識を逸らそうと、ディノにもホシにも、それから包帯を巻いたウジの足にも、大きめな電車柄の絆創膏を貼ってあげるよと差し出して見せれば、そうしたら今度はそれぞれ、欲しい色があったようでもっと大騒ぎになっていた。
でもウジだけは静かにピンクかキイロかで悩んで、最終的には2枚欲しいとか言い出したんだよと笑いながら教えてくれた。大人しそうに見えて1番しっかりしてるというか、図々しいというかって。
1秒でも早く家のベットに倒れ込みたいような状況だっただろうに。
子どもたちは不意に会えるジュンの存在を気に入ったようだった。でもジュンだって、ジュンのことを見ても驚いて固まったりしないチビチビたちを気に入ったのかもしれない。
ディノの保護者でジュンとディエイトの家主だったジョシュアもまた、子どもたちに見せる愛情深さに、そんなジュンのことを気に入ったのかもしれない。
ジョシュアは家から近い新しい病院を用意してくれた。ひと1人押し込むだけでも大変なはずなのに、ディエイトの席まで用意するという。但し仕事もできないのにできたことにはしてあげられないけど......と申し訳ないように言ったらしいが、それはジュンにしてもディエイトにしても当然のことで、それにそれだけでも上出来だった。
でも当然そのはなしに、ジュンがすぐに乗った訳じゃない。それこそ最初は腎臓を1つ欲しいとか、そんなことを頼まれるんじゃないかとまで考えたらしいから。
でも頼まれたのは、子どもたちを見守って欲しいってことだけだった。特別に何かをするでもなく、ただ温かく、優しく、たまに会えば嬉しがるだろう子どもたちに変わらず接してくれるだけでいいっていう、そんなことだけで......みたいな条件だった。
でもそんな存在が簡単には手に入らないことを、異国で暮らしているからこそディエイトにはよく判る。だからこそジョシュアは、少しでもディノの世界が優しさに包まれるようにと考えたんだろう。
「急がなくていいぞ」
陽だまりの中で、ジュンがなんでもないことのように言う。
そこにもまた、優しさがある。

The END
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