妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

時代は変わる|The Times They Are A-Changin'

 

一歩前に進む勇気よりも、ホシにしてみれば同じ場所に留まる方が勇気がいる。
我慢とも言うのかもしれない。
セブチのことを考えてくれる人たちがたくさんいて、信じて従ってタイミングを見計らって。それはきっとアイドルとしての戦略ってことだろうけど、ホシはいつだってそのスピードの遅さにイライラする。
事務所の大きさとか、マネージャーの数とか、それこそついてくるスタッフの人数とか。
与えられる控室の場所や大きさや、スタジオまでの移動距離や。
バカみたいなことで競ってる風潮があって、いつだってくだらないと思ってた。
練習生時代には、そんな事務所の名前、聞いたことないとよく笑われた。
「ムカつくな」
そう言ったらマネヒョンやスタッフヌナたち、家族も含めて大抵の人は気にするなと言ってくれたけど、エスクプスは真っ正面から「俺たちが忘れられなくしてやればいい」と言ってくれた。
「そんな小さな会社じゃ、例えデビューできたとしても7年も持たないだろうとも言われたし、ブラックが過ぎるし、下手すりゃ奴隷制度みたいなもんじゃんって、俺も言われた」
なんでかウジの方が酷い言われようで思わず笑ったけど、「お前と俺がいるのにな」とウジは言った。
みんなあんまり信じないけど、昔はウジの方が熱かった気がする。なんなら「目にもの見せてくれるわ」みたいなことを言いつつ曲を作ってたはず。
マネヒョンの数もスタッフの数も結構すぐに増えたのに、なんでかセブチだけはそれがステータスには結びつかなかった。大抵が、「だってあそこは大所帯だから」と逆にバカにしたように笑われた。
バカにされたことはムカついたけど、それでも何かを変えようと頑張ってきた訳じゃない。
ずっとセブチで居続けたいと思ったのは事実で、「それなら売れなきゃ、続けられない」と冷静に言ったのは誰だったか。
ビタ揃えしたいと思った訳じゃない。そこだけを目指してた訳でもない。でも「俺らカッコ良くない?」ってミンギュやドギョムが嬉しそうに笑うから。
いつだってディノは1番頑張ってくれた。マンネで最初なんてほんとにガキにしか見えなくて、夜中まで続く練習はつらかっただろうに。
セブチは今でも踊りの練習を必死にする......とは言われるけれど、それはやっぱり今もディノが変わらないからな気がする。
楽しいことが仕事になって、メンバーを家族のように愛してることが人気の元だとも言われるけれど、ケンカばかりしてた時期もあったのに、いつだってジョンハンやジョシュアが全員のはなしを聞いてくれて抱きしめてくれて、誰も間違ってないと言い続けてくれたからで。
誰もが知ってる会社になった。
今でも踊れてる。
7年なんて余裕で超えし、超えてもまだまだ上を目指してる。
たくさんの車に、たくさんの荷物に、広い楽屋。スタッフヌナたちの声はセブチに負けないためかデカいとよく笑われるけど、そこには羨望の声が含まれている。
廊下を歩けば挨拶してくれる見知らぬ人が増えた。
「もっと俺たち堂々としててもいいんじゃない?」
ドギョムなんて時々そう言うほど。
それなのに全員相変わらずかたまってるし、楽屋の中でも案外かたまっててギューギューで。
まぁそれも、人数の多い新人さんたちが楽屋の狭さで苦労してるのを見ると、エスクプスがセブチの楽屋の一部を勝手に貸し出すからだろう。
「俺たちがいない時間帯、あの子らに鏡とか貸してやって」
そう言われてスタッフヌナたちが、大量のセブチの荷物を楽屋の隅っこに押しやってる姿をよく見かける。
なんでかジュンはあちこちで人気ものになってるし。なんでかスングァンは後輩たちのもとに写真を撮ってほしいとお願いしてたりするし。そんな中でもバーノンは相変わらずな状態でボーッと自分の世界を楽しんでいる。
忙しすぎるディエイトとは現場でしか会えない。でもセブチで謎に鍛えられたおかげか、自国のバラエティでは無双してるらしい。
そんなはなしをすると必ずウォヌが、「だから俺らみたいに、一緒にまた暮らせばいいじゃん」と自慢気に言う。
またいつか、みんなで一緒に暮らすかもしれない。
そういう意味ではまた、何かを変えてしまうかもしれない。でも楽しいんだからしょうがない。

The END
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