妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

天国への扉|Knockin' on Heaven's Door

 

踊ったな......。途中腕がうまく回らなくなったけど、それでも踊った。
歌ったし、仲間たちと色んな世界に行った。
こんな素晴らしい景色、もう二度と見れないだろうって思う景色を何度も見た。
ずっと好きだったと言ってくれたカラットたち。
虎だ虎だと言い続けたのに、根強くハムチと言われ続けたことはムカつくが、人生の心残りというほどでもない。
好きだって言ったら、好きだって返してくれた。そんな相手に出会えたのは幸運だからか、それとも自分の愛の力か。そういう意味でも大満足な人生だった。

ホシは今、天国への扉の前にいる。
いや多分そう。地獄ではないはず。
思い返しても、悪いことなんてしなかったから。誰かを傷つけたりもしなかったはず。
『思い残すことはないですか?』
見てると、前の人たちは皆さん、そんなことを聞かれてる。
ちゃんと答えてる人もいれば、頷くだけの人もいる。
いや、踊ったし......。うん、踊った。
あぁでも頭の中にはまだ、次から次へとフォーメーションが浮かぶ。
「スニョア、俺たちはもうツーステップぐらいで頼む」
そんなことを言ってきたのはエスクプスで、95ラインはもう本当は座ってたいとか言ったのはジョンハンで、カラットたちに混じって応援だけでもいいとか言ったのはジョシュアで。
「ヒョンたちまだまだ踊れるでしょ」
スングァンがプリプリ怒ってたのを笑いながら、「でもそういう踊りもありだよね」と言ったのはディノで。
コンサートでは各チームとは別にユニットも入れた。その分だけ休める時間が増えるからって。
そのうちみんな楽しみだして、ユニットはガチャで決めたりした。
それでも13人もいるからユニット全網羅なんてまだまだで、カラットたちは幾つになっても、何年経とうと、全部覚えてたしまだ出てないユニットを楽しみにしててくれた。
そうこうしてたらホシの番が来た。
『思い残すことは............、たくさんありそうですね』
途中から他の人たちとは言葉が違った。
それもそのはずで、ユニットのことを考えたらどんどんテンションあがってきて、あれも踊りたいとかこれならまだできるとか、このユニットならこんな曲で踊りで。アイデアは次々と浮かんでキリがない。
そしていつもみたいにホシの熱量が上がり続けた結果、みんなどこか薄っすらなのに、ホシだけはっきりくっきり、そしてギラギラまでしてた。
『一応お伝えしておきますが、今回ここを通られるなら、今生愛された分とか頑張った分とか諸々、来世に持っていけますよ。戻られても今以上にはならないことの方が多いですよ』
きっとホシ以外なら、その言葉に躊躇したかもしれない。まぁ多少なりとも悩んだり考えたりしたはずで、もう少ししっかりしてたらその仕組みとかだって聞いたかもしれない。
でもホシは違った。
「ケンチャナケンチャナ」
そう言って厳かな、明らかに天国に行けそうな扉に背を向ける。
でもそれもそうかもしれない。だって愛はいつだってたくさん貰ってて、でもその分ホシもカラットたちを含めたみんなのことを愛してる。
いつだって頑張ってきたし、それはこれからも変わらない。
それなら今じゃない方が、謎な仕組みが今回限りじゃなければ増え続けるだけで、それにまさかのその大チャンスが今回だけだったとしても、来世の自分は来世は来世で頑張るだろう。
またやりたいことを見つけて、好きな人たちを見つけて。
「来世の俺、お前はお前で頑張れッ」
振り返ってホシがそう叫ぶと、天国への扉はあっさりと消えてしまったけれど、後悔なんてない。
こんな出来事があったと話したいから覚えて起きたいけれど、目覚めたら忘れてそうな気もする。あぁでも全部忘れてもいいから、さっき考えたユニットと踊りと構成は忘れませんようにと願いながらホシは、なんだか周りの景色が高速で動き出したのに酔いそうになって目を閉じた。

目覚めたのは病院のベッドで、病室にはメンバーや家族やマネヒョンと、なんだか大人数だった。
ディノやスングァンもだけど、ウジすらな泣いていたから本気で危なかったのかもしれないが、起きた瞬間にはホシが「神ユニット思いついたから」とか言い始めたからか、ウジが結構本気でホシを殴ろうとして、当然のように「病人だから」とみんなから止められていた。

The END
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