妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

流れ星ピンナダ5

全然続きものではないけれど、ディノちゃんセンイルから書き始めたこのシリーズも書こう。

sevmin.hateblo.jp

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流れ星ピンナダ5

ジュンは夜空を駆ける時、あまり何も考えてない。だからどんなに遠いところでも結構一瞬で、そのかわり誰かとすれ違っても気づかない。
もちろん色んな人からの願い事だって、全然気づかない。
気を取られることもなく、その思いに心掴まれることもない。ただただ無心と言えばカッコイイが、基本何も考えてない。
もちろん誰かに呼び止められて、弟たちの代わりに荷物を運んでと頼まれれば嫌とは言わない。

その日もジュンは誰かの荷物を抱えて駆けていた。遠くから誰かの声がする。
うっかり聞き逃していたけれど、あまりにもずっと呼ばれるものだから気がついて振り返れば、後ろからハオがついてきていた。
「どうした~?」
「ヒョン悪いけど、俺の荷物もついでにお願い」
そう言って、荷物を託される。お願いされた割にはこれからのお届け先とちょっとだけ場所は離れているけれど、気にせず引き受ける。
「ハオは?」
ちょっとだけ寝る。そんなことを言われたってジュンは気にしない。だというのにディエイトは、「ミンギュがやらかしたから、俺そっちのヘルプに入るから」と言う。
「判った。早めに切り上げて、何かあったら手伝う」
ジュンの方がかなりの距離を駆けるというのに、笑ってそう言えば、ハオは当たり前のように「うん。頼りにしてる」と言って去って行った。
景気付けに無駄に大きく回転して、それからまた軌道に乗る。
どこまでも真っ直ぐに駆けるのも、斜めにも、緩い曲線を描きながら飛ぶのも、どれも嫌いじゃない。
荷物を届けても止まらずに、そのままの勢いで駆け戻るのも嫌いじゃない。
時折スピードに乗り過ぎることもあるけれど、事故は起こしたこともない。
「ジュニヒョンなんでそんなにキラキラしてんの? なんかほうき星みたいになっちゃってるよ」
そうディノに言われたこともあるけれど、夜空を駆ける時に誰よりも輝いてる時があるらしいが、自分では判らない。
「うぅぅぅん、男前だから?」
笑ってそう言えば、スングァンには「は?」って顔と声で文句を言われたけど。
ただのスタミナの問題だろうけど、ジュンは早い。それは走りはじめた時からで、中距離を過ぎても、長距離を過ぎても、なんなら往復で戻って来ても、まだまだ早い。
時々ミンギュとディエイトとドギョムが、誰がジュンについて行けるかで競争してるのも知っているけれど、追いつかれたこともなければついて来られたこともない。

時々は空を駆けながら、見知らぬ人たちの願いだって叶えられるんじゃないかって考える。そのスピードを少し落としさえすれば、それぐらいの余裕はありそうだから。
でもジュンはそんなことしないけど。
願いはきっと自分で叶えてこそ......だと思うから。

The END
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