妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

流れ星ピンナダ2

 

全然続きものではないけれど、ディノちゃんセンイルから書きはじめたこのおはなしが最初だったから、貼っておく。

sevmin.hateblo.jp

 

流れ星ピンナダ2

ドギョムはかなりのスピードで空を駆けた。怖がりでトロトロだったけど、スピード出した方が案外無事だってとミンギュが言ったから。
バカ、やめろッって言ったのは誰だったのか。後ろから聞こえた声は一瞬で遠ざかり、それほど進まずしてドギョムは見知らぬ星に墜ちていた。

流れ星のように空を駆けるけれど、実際には配達人なだけの自分たちが、星に墜ちるとどうなるのか。ドギョムは知らなかった。
流れ星の本当の意味を知っている星ならば、怒られはしても大丈夫だろうし。
流れ星を知るどころか、そんな人すら住めない星ならば、寂しくはあるけど大丈夫だっただろう。
だけど流れ星の本当の意味を知らず、でもある程度文明が発達してる星は、空から堕ちて来るそれを神の眷属と見るのか、それともエイリアンと見るのか。

とりあえず自動制御が聞いたのか、墜ちたといったって衝突は避けられて、自分の周り半径50キロぐらいを死滅させたりはしていなかったけど、ドギョムは持っていたはずの荷物は失くした。だから余計にオロオロしたかもしれない。

空を駆けてるだけで、特別な何かがある訳でもないから、野生動物とかと遭遇したらビビリ倒すだろうし、その星の人と会ってしまったって共通言語が通じなければどうにもならないし。

でも結局、ドギョムの不安は長くは続かなかった。
驚くほどの速さでジョンハンとジョシュアがやって来たから。
「ヤーお前何やってんだよ」
口調は怒っていたけれど、ジョンハンは一番にドギョムにケガがないかを確認してくれた。
「そうだよ。なんで闇雲に加速するんだよ」
お前はほんとに......みたいな口調だったけれど、ジョシュアだってドギョムの荷物を探し出してきてくれて、墜ちた形跡を消していくからと後を請け負ってもくれた。

流れ星みたいに空を駆けるこの仕事が気に入ってて、いつだって努力してて、頑張っているのに、ドギョムは元が不器用だからか、それとも怖がりだからか。
チングなミンギュやディエイトがいつだって速く遠くまで行くのに、いつまでたっても同じ場所への配達ばかり。

何も言わなかったけど凹んでたのはバレたんだろう。
「お前はお前の速度でいいだろ。どうせ長いことやっていくんだから」
そうジョンハンが言ってくれた。
「それに、お前を見て願ってる人だってきっとたくさんいる。星によっては流れ星が流れてる間に3度願い事を言わなきゃいけないんだぞ。きっとミンギュやディエイトじゃ、一瞬すぎて無理だろ」
でも......。そう言いかけたけど言わなかった。

そうしてまた荷物を渡されて「いつも通りに行けよ」とジョンハンに送り出されたドギョムは空を駆ける。
願いは叶えられなくても、誰かの願いを3度聞く間ぐらい、そこに輝いていられるように。少しぐらい鈍臭い自分の方が、どこかの星の誰かに希望を多く与えられるなら悪くないと思いながら。

The END
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