流れ星ピンナダについて
続きものではないけれど、ディノちゃんからはじめたセンイルおはなしが溜まって来たので、contentsページを作りました。
流れ星ピンナダ3
結構ちゃんと考えて、バーノンは空を駆けている。なのにヒョンたちは「ちゃんと前を見ろ」とか言う。
まぁ時々はスングァンと3回ぐらい遭遇する。
激重愛のストーカーだなと思ってたけど、自分が同じ星をグルグルしていたことに、7周ぐらいしないと気づかないバーノンがいた。
「あ」
スングァンとまた会った。呆れたような、怒ったような、俺がいないとダメじゃんみたいな顔をしてるような。そんな感じの「あ」って声を出したスングァンがいた。
「お?」
それに対して、またあったなみたいな「お?」って声を出したバーノンだった。
「さっきから良く会うけど、荷物の届け先が近いなら、まとめて持ってってくれたら良かったのに」
そう言えば、「そんな訳ないじゃん」と言われた。「言っとくけど、俺はもう行って帰って行って帰って、今からまた行くとこだから」とも。
「OMG」
そしてやっと気づいた。音楽聞きながら駆けていたからは言い訳だけど、リズムに乗って気持ち良く駆けていたけれど、同じ星をグルグルしていたことに。
宇宙だと景色もあまり変わらないから......も、当然言い訳だけど。
「よし」
バーノンが、「今から本気だす」みたいな声を出す。
それをスングァンが疑わしいって顔で見てた。
まぁそうだろう。本気だすってことの「よし」ではなかったから。
「ミンギュヒョン、ディエイヒョンッ」
バーノンが「よし」って言った後に呼んだのは2人のヒョンだった。空を光の速さで駆けて行く2人なら、きっとバーノンの仕事を半分ぐらい渡したってどうにかしてくれるだろう。
「どうした?」「何かあった?」
本当に光の速さでバーノンの前に現れたヒョンたちに「気づいたら星を7周してた」って素直に話したら「何やってんだよ」とは言われたけれど、「荷物は? ほら」と当然のように引き受けてくれた。
「後で覚えてろよ」とスングァンが言うから、「おぉ、後でお茶しよう。これ急いで届けてくるから」と答えておいた。
多分これで、スングァンからのお小言は半分ぐらいにはなるはずだから。
バーノンが空を駆ける。
誰よりも自由に駆けるから、空を見上げてそんな流れ星を見つけた人は特別なんだけど、それに気づく人はどれだけいるだろうか。
色んな願いの中、鼻歌混じりのバーノンが行く。キラキラと、輝きながら。
The END
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