幸せになろう
もう十分幸せなのに、ハオはそう言う。
「まだまだ上があるよ」と笑うから、「じゃぁ今日はハオの部屋で寝ていい？」って聞けば、あっさりと「ダメ」と言う。
「それなら、まだまだのまもないじゃん」と文句を言えば、「ジュニヒョンの部屋ならいいけど」とハオが楽しそうに笑ってみせた。
誕生日はいつだって、たくさんの愛を貰う。
滅多にその愛にはこたえられないし、メンバーたちにだって照れてしまって愛してるなんて言わないことが多いのに。
「いいよいいよ。俺らが変わりにお前に愛してるって言うから」
ジョンハンがそう言って抱きしめてくれる。それから当然のようにエスクプスとジョシュアが続く。相変わらずクオズのヒョンたちは優しい。3人ともジュンのことを抱きしめてくれて、おめでとうと愛してるを当然のようにくれる。
「まぁいいよ。お前が俺らのことちゃんと愛してるのだって判ってるし」
そう言ったのはウジで、チングの3人も当然のようにジュンを抱きしめる。
チングなだけにちょっと強めのハグで、バシバシと叩いても来るけど、やっぱりそこには愛情がある。でもホシは限度がなく叩いてくるけど、ほんのちょっとで自分の誕生日がきて倍返しされることには気づいていなかった。
「ジュニヒョンチュカヘ」
ただただそう言ってくれるのは97ラインの3人で、この3人のハグはいつだってちょっと長い。
「ハオは長くなくてもいいじゃん」と言えば、「なんでだよ」と怒るけど、言葉でも態度でも愛してるを伝えようとしてくれる弟たちがいて......。
ここまでくればあとはマンネラインだから、より一層の愛情が貰えるような気がするのに、「ジュニヒョンって、ディエイヒョンにしか愛してるって言わないよね」とかぶっ込んでくるスングァンがいたりする。
「俺がこんなにジュニヒョンラブって言ってるのに、少し酷くない？」
ってことらしい。
「確かに。それは言えてる」
って、バーノンが言う。いやそんなこと、バーノンにだけは言われたくない......って感じなのに。
「でも俺ら、ディエイヒョンの次でも全然いいよ」
13番目のディノがそう言えば、スングァンとバーノンが「さすがマンネ」とディノのことを褒めていた。
もう十分幸せだけど、そんな仲間たちを見てたら確かに「幸せになろう」と言いたくなる気持ちは判る。守りたいとも思う。大切にしたいとも。
失ってから気づくなんてことはないように、愛をちゃんと知っている自分でいたいとも思う。愛を愛で返したいとも。
「じゃぁ俺の部屋で」
仕事終わりにそう言ったらハオに電話越しに笑われた。
誕生日の夜は1人自国にいて、仲間からのおめでとうは数日前の話だったから。
「じゃぁ戻ってから」
そう言ったら「誕生日だけのプレミアムなんだから、来年に決まってるじゃん」とさらに笑われたけど。でも信じてる。ハオはそんなことを言いながら、ちゃんと特別なプレゼントをくれるって............。
The END
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