妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

kare wa naze utau noka

ご注意ください

ナナツアーネタです。
読んだってネタバレではないと思うけれど、嫌だなって言う方は、ナナツアー見てからお読みください。
いやでも、見なくたって全然いいと思うけど......。

 

kare wa naze utau noka

バーノンは一瞬で失敗した。まぁあのカードを捲った時点で負けは決まっていたけれど......。
「あの子はなんであんなに歌うの?」
だいぶ序盤にナナツアーのスタッフさんたちがそう口にしていたけれど、それにはスングァンが「それがイドギョムだから」と確か答えていた。
そう。まさにそうで、歌わないドギョムがいたら、それはきっとニセモノだろう。
もしも宇宙人に身体を乗っ取られても、きっとすぐにバレると言うか、宇宙人の方が嫌気がさして逃げ出して行くはず。何せ「なんで歌わないの?」「なんでまともな歌しか歌わないの?」「なんで今日はそんなに大人しくしか歌わないの?」「なんで歌いながら絡んでこないの?」とか、メンバーたちどころかマネヒョンや身近なスタッフたちからだって山のように聞かれるだろうし、しまいには「なんで歌しか歌わないの?」とか言われて、本当に宇宙人なら頭を抱えることだろう。

いつだってどこでだって、ドギョムは歌う。
本当にゲームがスタートした瞬間には歌ったから、バーノンは思わず立ち尽くしていた。
「ならお前だってウォヌヒョンみたいに、みんなの邪魔をしまくれば良かっただろ」
なんでかプンスカ怒ってスングァンは、後からそう言ったけど。
バーノンは言われてはじめて気づいたって顔をして、「ほんとだ。そうだ。お前に張り付いてれば良かった」と言って、絶妙にスングァンのことを喜ばせていた。

 

ドギョムが歌いだした瞬間、つまりはゲームがスタートした瞬間、『ゲーム中に1曲完成させてくれって方が簡単だったのに』と頭を抱えてたのはウジだった。そうは全然見えなかったけど。
でもきっと、自分のはそれほど難しくない。
だから最初にやったのは、そう自分に言い聞かせることだった。大抵のことはそう思えばできるから。
キッチンで騒々しいドギョムや、リコーダーを早速奪われているジョンハンや、とぼけた顔しつつも相変わらず整ってるジュンや、その他それぞれ自分のミッションのことを考えて散らばっていった面子を横目に、ただじっとスマホを見つめてたウジだった。
いやでも、俺には最適なミッションだって、やっぱり自分に言い聞かせながら。
そしてそれは本当にそうで、当然のようにウジは頭脳戦でそれを成功させたから。

 

ドギョムが歌いだした瞬間、つまりはゲームがスタートした瞬間、心の中でガッツポーズをしたのはジョシュアだった。最速で成功したのは自分だってのも判ったからだろう。
最初にそのミッションを聞いた時には、自分が歌わせるのはちょっと難しいかな......とか思ったけれど、思えばドギョムは歌わせなくても勝手に歌う。
出会ってから10年以上、ドギョムの歌を聞かなかった日の方が少ない。宿舎が分かれて、スケジュールも別で......なんて状況以外で一緒にいるのに聞かなかった時なんて、多分両手の数もない気がする。
つまりは、ほぼ歌う。
後からバーノンのミッションを知って、本当ならナナツアーのスタッフたちは、歌わそうとする人間と歌わせないようにする人間の攻防が見たかったんだな......と思ったけれど、まさかあそこまでドギョムが歌うとは思ってなかったのかもしれない。まぁそれも面白いけど。
とりあえずジョシュアはそれとなく邪魔をして、それとなくバナナを4本も食べて、それとなく楽しんで、それとなく、ちゃんと自分の分量は確保した。

 

ドギョムが歌い出した瞬間、つまりはゲームがスタートした瞬間、負けはもう決まってたウォヌは、とりあえずジョンハンのリコーダーを奪うことにした。
自分に残された道は、全員の邪魔をすることぐらいだと知っていたから。
いやもう諦めて部屋にこもって寝ることだって考えたけど、やらなくて良かった。ジュンのミッションを自分が成功させてしまうとこだった。
デッカすぎるほどのワインの瓶は、酒好きだったとしても1人で1時間弱で飲み切るのは無理だろうし、全員で頑張っても難しいだろう。いやもしかしたらミンギュは頑張って飲んでくれるかもしれないが、見れば不憫な状態でずっと何かを作ってたから、頼むに頼めなかった。
結局後半から取り掛かってワイン2杯は飲んだ。お口直し的にビールも1本飲んだ。昼間に飲んだワイン分もあったから、結構酔ったかもしれない。
ミッションを失敗させようと見せて、スングァンもウジもその他のメンバーも結構真剣に酒を取り上げてきたけれど、それはそんなに酒に強くないウォヌのことを心配もしてだろう。
見た目酔ってるようには見えないから、ナナツアーのスタッフさんたちにしてみれば、皆のウォヌへの心配は不思議に写ったかもしれない。
でももう寝ようって時に、ウォヌは自分の部屋が判らなくなったけど。
「俺の部屋どこだっけ?」
そう言えば誰かが部屋につれてってくれるけど、いつも一緒のはずのミンギュの荷物がないからとウォヌが「俺の部屋じゃないみたい」と戻って来る。今は旅行中だから、部屋割りが違うじゃんと説明されたって、あぁそっかとか言いつつも、やっぱりウォヌは戻って来る。
思わずディノが「部屋変わる?」と口にしたほど。変わらなかったけど。ウォヌが眠りに落ちるまで、ミンギュが側にいることになったけど。

 

ドギョムが歌い出した瞬間、つまりはゲームがスタートした瞬間、ディエイトはニヤニヤしそうになるのを結構耐えた。
まさかのジョシュアがスタート直後に成功してたとは知らず、絶対自分が一番に成功すると信じて疑ってなかったほど。
本当はスタートした瞬間猛ダッシュしても良かったけれど、それでは分量が......と、少しだけ様子を見ることにした。
みんなそれぞれ自分のミッションのために散ってた。チングの2人はそれぞれ台所でゴソゴソしてて、見るからに大変そうで、楽しいでしかなかった。
「ヤー、なんでこんなに楽しいの?」
そう言えば、「なに? お前のミッションそんなに簡単なの?」とミンギュに聞かれた。
「超難関だよ。でもきっと、俺ならできると思うけど」
やっぱりニヤニヤしそうになるのを我慢して答えた。
そらからタイミングを見計らって走った。それも楽しくて。当然ながら頭からビショビショになったけどミッションは成功して。やっぱり楽しくて。ミッション中けどシャワーすることにして服に着替えて。でも全部全部楽しくて。
結果発表で、瞬間成功したジョシュアの話を聞いたけど、悔しくなることもなく、それもまた楽しかったディエイトだった。

 

ドギョムが歌い出した瞬間、つまりはゲームがスタートした瞬間、ドギョム自身はというと、何も考えてなかった。
気分良く歌いはしたけれど、何か意図があった訳でもない。
自分だけがキッチンでゴソゴソしてたら悪目立ちするだろうけれど、ミンギュも一緒になってゴソゴソしていたし、近くではウジもコソコソしていたし、ジョシュアは堂々とバナナを食べつつ邪魔して来たけれど、朗々と歌いながらもドギョムは卵を頑張って割った。
火はつかないし、卵の分量は多いし、みんなが邪魔してくるし、ゲームの途中では自分のせいでバーノンが瞬間失敗に終わったと知って驚いたし、出来上がってみたら本当に量は多いし、でもバーノンと同盟を結んで半分食べてもらったし、邪魔してたはずのジョシュアも結局は手伝ってくれたし。
終わってみれば成功したし、近くで、そして最後までドタバタしまくってたミンギュに比べてみれば、自分は全然マシだったと、なんだかほっこりしたドギョムだった。
結果自分の歌のせいで1人は成功して1人は失敗してたけど、それだって悪くない。きっとカメラなんて回ってなくても歌ってたかもしれない。そう言えば、「まぁお前は歌うな」と皆に言われたけれど......。

ドギョムが歌い出した瞬間、つまりはゲームがスタートした瞬間、ディノはワーワーワーワーって感じの雰囲気に乗って動き出した。
全員にバックハグ。マンネな自分のためにあるようなミッションは、成功する以外の選択肢なんてなかった。
途中一度、ディエイトのせいで危険な状況になるかと思ったけれど、それこそワイワイし過ぎてて誰も聞いちゃいなかった。
まぁそれに万が一にも本当にバレたとしても、「ヒョ〜ン」ってディノが情けない声を出したらほとんどのメンバーが折れてくれるのを知っている。
唯一対抗してくるのはスングァンぐらいだけれど、スングァンなんて序盤で片付けてきた。
それこそ後ろからだろうが横からだろうが前からだろうが、ハグしたってなんにも疑問に思わないぐらいハグならし慣れてる。思わずナナツアーのスタッフさんたちに、「10秒ぐらいでも大丈夫ですよ」とか言いそうになったけど、黙っておいた。きっと自分からハードルをあげたとバレたら、後からジョンハンあたりに怒られそうだから。
そしてウジやディエイトや、普段し慣れないメンバーも乗り越えて、し慣れたメンバーなんてちゃっちゃとやっつけて、当然のように成功したディノだった。
ちょっとメンバーたちから、ナナツアーのスタッフたちにもマンネとして可愛がられすぎてズルをしたんじゃないかと疑われたほど。映像が残ってたから良かったけど......。

 

ドギョムが歌い出した瞬間、つまりはゲームがスタートした瞬間、スングァンはかなり途方に暮れた。書道だなんて自分のためのミッションなのに、何も今じゃなくたってって感じ。
なんでかホシは側に立ってるし。
まさかの自分がホシの邪魔をしてるなんて気づきもせずに、「ホシヒョン邪魔しないでよ」と文句を言っていた。
いつもは優しいばかりのウォヌは本気で邪魔をしてくるし、それなのにバーノンはのほほんと座ってるからちゃんとミッションをやってるのか心配になるし。まぁ始まった瞬間にバーノンは失敗してたけど。
それからディノも来て、後ろからもたれかかってくる。それがミッションだとも知らず、「墨だけすらせてよ」って言えば、「ウォヌヒョンが、後で筆を隠すって言ってたよ。ハニヒョンの笛も、ウォヌヒョンが隠したみたい」とコッソリ教えてくれた。
墨だけ墨だけって言いながら、少しだけ少しだけって言いながら、書いてはみたけれど、その時にはもうすでに書き終わってたスングァンは、ムスっとした顔を隠すのに苦労したほど。
そして後半は真剣にゲームを楽しんで、ミンギュのミッションを完璧なまでに阻止をした。
結構達成感。そしてやっぱり放送人だな自分......と思ったスングァンだった。

 

ドギョムが歌い出した瞬間、つまりはゲームがスタートした瞬間、ミンギュは自分がミッションを成功させられるのか、自信はなかった。
でも自分ならできるかも......と思ったのも事実で、結局何度、作りかけのメレンゲの中に水を入れられただろう。
単純にユンジョンハンがもう......。
それにもましてブスングァンがまた......。
いやでも一番ダメだったのは、ウォヌじゃないかと思ってはいる。
「なんでヒョン、俺だけちゃんと邪魔しないんだよ」
思わず後からそう言ってしまったから。
「いやだってお前不憫そうだったし」
「みんなにはちゃんとというか、結構しつこく邪魔してたじゃん」
自分にだけ甘いというか、緩いウォヌは嫌いじゃない。でもそれが放送に乗るのはどうだろう。
「別にいいだろ? その分俺とスングァニがちゃんとやったから」
ジョンハンはそう言うけれど......。
「ウォヌヒョン、次はダメだよ。仕事だからね」
そう言えば、ウォヌは「わかった」と言ったけど、多分同じことがあってもウォヌはミンギュにだけは甘いというか、緩いだろう。
メレンゲは結局のところ失敗したけれど、なんだかウォヌの愛を感じた気がしないでもないミンギュだった。

 

ドギョムが歌い出した瞬間、つまりはゲームがスタートした瞬間、ホシは自分のミッションがそれほど難しいとは思ってなかった。
実際には手も足も出なかったけど。
何故ならスングァンがずっとホシのミッション用のブツのほぼ真横、少し上で、座っていたから。
しょうがないからホシだってスングァンの横に立っているしかなくて、「ホシヒョン邪魔しないでよ」と文句ばかり言われたけれど、『お前だって俺の邪魔してんだよ』と何度叫びたくなったことか。
その間にもウォヌはウロウロして色んな邪魔行動をしてて、それを見てたらブツを取り出した瞬間に奪われそうだった。10個のうち1個でも失ったら失敗になってしまうのに。
ジュンもウロウロしてて、邪魔っけだった。
ウジは「俺はもう失敗した」と言ってあらわれたけど、それはなんとも嘘臭かった。でも日頃のよしみで黙っておいてやったけど。
結局ホシがブツを手に入れたのはだいぶ経ってからで、ウォヌやその他の面子を気にしてサウナの中で頑張ってフラフラになったけど、結局は成功しなかった。
自分が食べたから悪いのか。誰がやっても失敗したのかは判らない。でも失敗した原因の半分はスングァンだと思う。そう言ったら、「それならハニヒョンみたいに正々堂々と持ち込めば良かったじゃん」と言い換えされた。
いやハニヒョンだって正々堂々と持ち込んで失敗してたけど......。言い返したかったけど、プンスカスングァンに負けたホシだった。

 

ドギョムが歌い出した瞬間、つまりはゲームがスタートした瞬間、ジョンハンはウォヌにリコーダーを奪われてミッションは失敗に終わった。
でもまぁ手元にそれがずっとあったといても、成功はしなかっただろう。
ミッションのカードをひいた瞬間にはこりゃダメだなってことが判ってて、だからそもそも渡されたリコーダーを隠しもせずに手にしたまま戻ってきたけれど、それを見てナナツアーのスタッフたちは本気で驚いていた。
メンバーたちはジョンハンの規格外というか、こういう動きをするだろうなっていう予測の範囲外を当然のように行くジョンハンにはもう慣れているけれど、まだナナツアーのスタッフたちは慣れてないんだろう。絶対ウォヌやホシのようにどこかに隠すだろうって思われていたのに、気にせずそれを持ったまま戻っていくんだから。
それからミンギュのメレンゲどこから、ミンギュも含めて床までビショビショにしたりして、盛大に邪魔をするかと思ったら、普通に誰かの手助けもする。
やっぱりそれは予測の範囲外らしく、あちこちで「ぉお?」ってことがあがることが多かった。
最後の方に「俺やってみるよ」って言ったけど、ウォヌに隠されたリコーダーの1部が見つからなくて、それはジョンハンのせいではないってのに、ジョンハンが絡むとやっぱり予想外なことが起こると驚かれてた。
結局撮影後、スタッフ全員であちこち探しまくって見つけたらしいから。
「いや俺のせいじゃないよ」とジョンハンは言ったらしいが、いややっぱりジョンハンのせいだろう。って思うスタッフたちは多かったとか......。それはまさに、日頃の行いってやつかもしれない......。

 

ドギョムが歌い出した瞬間、つまりはゲームがスタートした瞬間、ジュンは思わず「............」ってなって、立ち尽くしそうになった。
皆が楽しそうにしてから、ジュンも楽しそうにしてたけど、終わった......としか思えなかった。まさか始まった瞬間にバーノンが失敗してて、失敗を確信してたウォヌがいるだなんて気づきもしなかった。
唯一ジュンが気づいたことと言えば、ハオがやたら楽しそうでニヤニヤするのを我慢してるってぐらい。きっとミッションの内容が簡単か、得意なことか、楽しいことか、それともアッと驚くようなことで壮大なことか。そんなことだろう。
変に思い詰めてる風でなくて良かった。思ったのはそれぐらい。
何もすることのないジュンにしてみれば、ミッションの時間が無さ過ぎるとバタバタするメンバーたちが羨ましいぐらい。
ホシはなんでかスングァンの側にずっと立ってた。
ウォヌは珍しく皆の邪魔ばかりしてる。
ウジはミッションに失敗したと言ってLIVEをまわしてたけど、それは嘘くさいなと思ってた。思うことはウォヌも一緒なのか、そのLIVEをウォヌが終わらせまくってたけど......。
まぁ結果から言えばエスクプスのお陰でミッションは成功したけれど、何もしなかったのと変わらないので分量的には少なかったかもしれない。
そう言えば、「俺に頼みにくれば良かったのに、シャワーした後、俺なら寝たって問題なかったのに」とハオは言ったけど、きっと寝はしなかったあろう。終始テンション高く、楽しそうだったから......。

 

ドギョムが歌い出した瞬間、つまりはゲームがスタートした瞬間、エスクプスは当然ながら韓国にいた。
ゲームをたくさんするとは聞いていたけど、その詳細までは知らなくて、ましてや自分のおかげでジュンが成功したことも後から聞いた。
弟たちからは楽しかったとたくさんカトクが届いていて、「帰ったらクプスヒョンもハグさせてね」と言うディノがいたり、「俺やりすぎたかも」と何故か反省するスングァンがいたり、「歌わないイ・ソクミンなんてこの世に存在しないよね」とか言い出すバーノンもいた。
楽しかった空気が伝わってくる。もちろん写真だって山と届く。ビッショビショなのに楽しそうに笑うディエイトに、ビショビショで情けない顔のミンギュに、これまた濡れて笑ってる姿も綺麗なジョンハンに。
後から異常な量の水の使い方に水道が止まったと聞いて、ディエイトとミンギュとジョンハンがやらかしたんだと信じて疑わなかったほど。
思わずエスクプスはナナツアーのスタッフさんに「大丈夫ですか?」とカトクしたほど。
遠く離れてたって統括リーダーだから、何かあるなら自分が動かなきゃいけない......それぐらいの気持ちでいたけれど、「多分大丈夫です。みんな物凄い食べますけど」って返信が来て笑った。
それからやっぱり「いや、いざとなったら俺のカード、使ってください」ともカトクしといたけど......。

The END
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