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SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

No War! Seventeen's Story 3

注意......

「No War!」は続き物です。そして長いです。
どこかからたどり着いた方はひとまず、contentsページからどうぞ。

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No War! Seventeen's Story 3

「俺、トイレに行かなくても生きていけそうな気がする」

ウォヌが突然そんなことを言い出して、ミンギュが笑った。
泣きすぎたから、身体中の水分を涙として出してるからって意味だろうけど、トイレはやっぱり、必要だろう。

「どうしよう。俺、色々限界来て、実はおかしくなったのかな?」

幸せすぎて怖くなったんだろう。
会えただけなのにそれが不安になるぐらい幸せってどうだろうとも思うけれど、泣き疲れすぎてミンギュに身体を預けて座り込んでるウォヌにしみたら、自分の涙で溺れそうなぐらいの出来事だったんだろう。

「寝るの嫌だな」

ウォヌは何度もそう言って、それでも泣き疲れすぎて、ミンギュに持たれながらうつらうつらしてる。

「大丈夫。俺も一緒だったんだから、夢じゃないよ」

そう言っても、「全部、夢だったらいいのにって思ってきたけど、今日のことだけは、夢だったら立ち直れないかも」と言って、疲れてるはずなのに眠りたがらない。

「大丈夫。明日も、明後日も、ジュニヒョンもミョンホもここにいるって」

二人はとっくに眠ってた。あったかい布団なんてないから申し訳ないと言えば、どこでだって眠れると笑って、本当に適当に横になったと思ったらすぐに寝てしまった。
でも二人一緒に眠るなんてどれぐらいぶりだろ......とも言っていたから、ここまで戻って来るまでの道のりが偲ばれた。

「俺、明日も泣く」

ウォヌが明日も泣くと宣言するのにちょっと笑いながら、「いいよ。泣いたって。でも少しずつ、笑いも増えていくでしょ」と言ったミンギュの言葉は、ウォヌには届かなかったかもしれない。
そこには泣き疲れた、睡魔に負けたウォヌがいたから。

次の日、夢だったかもしれないと真剣な顔して「起きたくない」とか言ってるウォヌを、ミョンホが笑って起こしてた。だから朝からウォヌはまた泣いて、ジュンにケラケラと笑われていた。

そんなウォヌにしてみたらジュンとディエイトにはずっとそばに居続けて欲しかっただろうが、二人はここを拠点にしつつ、あちこち動き回ってた。
一日中いないこともあれば、数日かけてどこかに行く時もある。その間、何度ウォヌから、「俺、やっぱり夢見てたのかも」って聞いたことか。

そしてその日も、「俺、やっぱり夢見てるんだと思う。この夢、二度と醒めないようにするには、どうすればいいんだろう」ってウォヌが呟いた。
笑いながら、「そろそろ現実だって認めなよ」と横に座るウォヌを見れば、ポロポロとか、ボロボロとかを通り越して、とめどなく涙を零し続けてるウォヌがいた。きっともうそれは、言い合わらずならダーダーとか、ジョボジョボとかの勢いだったかもしれない。

「ど、どうしたんだよ、いきなり」

そう言えば、「だってほら、ハニヒョンが、一番キレイだった頃のままだよ」とウォヌが言う。もしかしたら本当にもうウォヌの心は壊れてしまったのかもしれない。

ミンギュが真剣に心配したっていうのに、ウォヌの視線を追うようにして顔を動かしてみれば、そこには確かに、懐かしい人がいて、長い髪を無造作に束ねてて、確かに一番キレイだった頃のままに見えた。

「いやこれは、確かに夢かも」

思わずミンギュがそう言えば、「あぁ、やっぱり」とウォヌが哀しそうな声を出す。
だっていくらなんでも、こんなに昔のままなんて、あり得ないから。
それなのにユンジョンハンはどんどん近づいてきて。

「チャニは戻ったか?」

ただいまでも、久しぶりでもなく、目の前まで来たジョンハンはそう言った。
いつだって美人で、ワガママそうに見えて、いつだって優しかったジョンハンは、やっぱり昔のままで。

「これが夢じゃないなら、ハニヒョン死んだのかも」

驚きすぎて思わず不吉なことを口にしたら、「ぁ? 俺が死ぬかよ」ってジョンハンが言う。
その言い方もよく知る昔のままで。

「まだ戻ってないのか?」

ミンギュにそう問いかけながらも、泣き続けるウォヌのことを抱きしめるものだから、ウォヌはさらに泣きだして、いつだって優しかったジョンハンのその姿に、ミンギュだって堪らなくなってきた。

だってずっと、ウォヌを守って頑張ってきたけど、ミンギュだてヒョンたちがいてくれたらって、思った時は少なからずあったから。自分一人じゃ、どうしてもダメだった時の方が多かったのも事実で。

何度か尋ねたエスクプスとジョンハンのもとでだって、泣くのは我慢したってのに。
今はもう耐えられなくて、「ハニヒョン............」って言葉しか出なかった。
夢なら、二度と醒めてほしくない。ミンギュもまたそう思って、ウォヌの気持ちが少しだけわかった。

「お前、何泣かしてんの?」

懐かしい声がして、そこには二人分の荷物にしては多すぎる荷物を抱えたエスクプスがいた。
ジョンハンがいるんだから、当然エスクプスだっているだろう。
ウォヌはさらに泣いていたけれど、なんだかそれが現実だってことに今更ながらに気づいて、ミンギュの涙は引っ込んだかもしれない。

「俺に荷物押し付けて先に行ったと思ったら」

優しかった兄は、ジョンハンだけではなくて。
いつだって弟たちのことを気遣ってくれた優しい兄は、「俺も泣きそうになるだろ」って笑ってた。辛そうな表情だって隠すことなく、矢面に立ってくれてた人は、強くもあり、弱くもあり、でも絶対、セブチを諦めなかった人。

エスクプスはいつだって、自分たちの一番の兄で、リーダーで、どんなにミンギュがやらかしたって失敗したって、「お前がいるから俺はいつだって安心してられる」って言ってくれる人だった。

「ただいま」

エスクプスがそう言えば、ジョンハンも忘れてたって感じで、「ただいま」って言ってくれて、ウォヌはもうジョンハンに縋り付くようにして泣いてた。
きっと今度はヒョンたちから、離れられなくなるのかもしれない。

「俺ら、北で戦いが起きたって聞いて、戻って来たんだよ。ディノは? 戻って来てるか?」

改めてそうエスクプスが問いかけて、二人が長く務めた兵役を終えた理由を知った。

「多分ディノは大丈夫。まだ戻ってきてないけど、ジュニヒョンが一番最初に逃がしてくれたはずだから」

突然そこでジュンの名前が出て、二人とも意味が判らなかったんだろう。ミンギュがちゃんと二人が帰ってきたって話をしようとしてるのに、なんでか感極まったウォヌが泣きながら、「突然目の前に現れて、ジュニと、エイサが、ただいまって。俺たちのところに、帰って、きてくれたんだ。ジュニとエイサが、チャニは守ったって。あいつだけは守らなきゃって思ったって言ってくれたから」と、全体的に幽霊でも見たかのような話をして、そんなつもりじゃないだろうに、話をかき回してた。

「ウソじゃないよ。帰ってきたんだよ」

そう言っても、「ジュニと、ミョンホが? どこに?」と言われて、「ここ3日ほどはいないけど」っていうあやふやなことしか言えなくて、やっぱりミンギュの発言も疑わしい感じのものになっていた。

「どうしよう。やっぱり俺が、おかしくなったのかも」

さらにはウォヌがそんなことを言って泣くもんだから、さらにゴチャゴチャになったかもしれない。でもウォヌにしてみれば、待って待って待って、待ち疲れてもう辛いのも哀しいのもよく判らなくなるほど待っていて。

ジュンとディエイトが目の前にあらわれたことだって奇跡みたいなものだったのに、それに続くようにしてエスクプスとジョンハンがあらわれたんだから、自分がおかしくなったと思っても、しょうがないかもしれない。

ただ、時がたったんだと、それぐらい長い長い時が流れて、少しずつ物事が動くタイミングだったんだと落ち着いて考えられるようになったのは、もっとずっとずっと後のことだった。

「おかえりヒョン」

とりあえず全員落ち着こうって、エスクプスが言い出して。
順番に話そうってことにもなって。
ようやく落ち着いて、そう言えたミンギュだった。

 

The END
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