妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

雨が降る降る feat.愛のバカヤロー

注意......

日頃から妄想を書いてますが、さらに妄想となっておりますので、ご注意ください。

クパン(両親?)と、ホシウジ(子供=baby)設定です。

それでも良ければどうぞ............

 

sevmin.hateblo.jp

 

雨が降る降る feat.愛のバカヤロー

仕事のために珍しく一人で外出した日。
カフェで待ち合わせた担当の人と打ち合わせをはじめて一時間ほどたった頃、雨が降り始めた。
帰る頃にはあがってるだろうと思ってたのに、駅まで走るだけでもビシャビシャになるだろうっていうぐらいの結構な雨の量が、ずっと続いてる。

昔なら、気にせず濡れて帰ったかもしれない。
でも今は自分が風邪をひく訳にはいかないから。
傘をどこかで買おうと悩みながらも、すぐに壊れそうな安い傘にするか、それなりの値段のしっかり使えるようなのにするか、真剣に悩みながらも打ち合わせを続けてた。

何せ、家計を任されているから。
赤ちゃんが二人もいるから。
今でも結構お金がかかるのに、成長しはじめれば、きっともっとかかるだろう。何せ二人分だから。
そう思うと、傘一本買うのにも躊躇する。
もしも絶対に風邪をひかないと判ってるなら、全然濡れて帰るのに。

クプスは洗濯物を、雨が降る前にしまってくれただろうか。
ホシもウジも、まだ寝てるだろうか。
夕飯を買って帰ると言ったけれど、この雨の中、持ち帰るのは大変かもしれない。

打ち合わせ中だというのに、思い出すのは家で待つ家族のことばかり。
そんな自分に、ちょっとだけ笑ってしまって、担当の人に変な顔をされたりもした。

真面目な顔して「すみません」とか言うものの、やっぱり気づけば考えている。
いろいろ。
考えることも、悩ましいことも、尽きないから。

大変だけど、大変なんだけど。でも幸せだと思うのは、いつかそう遠くない未来に、小さい長靴を履いたホシとウジが水たまりに向かってジャンプする姿が思い浮かぶから。
はじめてのカッパだってカワイイはずだし、はじめての傘だってカワイイだろう。

赤ちゃんな二人の今だって毎日が楽しいのに。
ホシはいつだってテンション高く吠えている。最近お気に入りの虎の人形と闘っているつもりらしい。結構大きいそれを片付けてしまいたいけれど、それが見当たらないと大泣きするからしまえない。
もらい物だから一つしかなくて、二人が取り合ったらどうしようというのは杞憂だったらしく、ウジは全く興味を示さない。
ウジは小さいのに食い意地が張って、自分の手の中のものを食べながらも、ホシの口の中に手を突っ込もうとしてジョンハンを慌てさせる。

それでも毎日楽しくて、笑ってばかりの毎日だから。
雨の中、一人で帰ることになったって、大丈夫。

昔クプスと一緒に二人で一つの傘で、よく歩いたことだって懐かしく思い出すけれど、それでも大丈夫。

打ち合わせが終わって、クプスに終わったとメッセージを送る。
駅までは走って、最寄り駅からはしょうがないからタクシーに乗る予定で、その前に夕飯を買うからと。出前でもいいんだけど、それでなくてもこんな雨の中、しかも階段しかないのに三階まできてもらうのは忍びない気がするから。

そのつもりだったのに、最寄駅について改札を出たら、「ジョンハナッ」と笑って手を振るクプスがいた。

「お、お前、何やってんの? ホシとウジは?」

そりゃ驚くだろう。
昔、迎えに来てくれた時と同じように、傘を二本持って手を振ってる姿はそりゃ嬉しかったけれど、そんなことより。
そうそんなことより、今はもっと大切な存在があるから。
自分の喜びとか、楽しみとか、幸せとかよりも、もっともっと大切な存在があるから。

「大丈夫。ミンギュとウォヌが、見てくれてる。ゆっくりして来いって言ってくれたけど、急いで飯食って帰ろう」

駅前のチェーン店に飛び込んだ。いつもなら人で溢れてるのに、雨だからかすぐに座れた。
ゆっくりして来いと言われたって無理な話で、目の前で注文してるクプスだって、食べたいものというよりは、一番早く出てくるものを選んでる感じ。

「ぇえい、雨だからって。タクシーで帰るって言ったのに」
「おぉ、俺もそれでいいと思ったけど、たまには外で食べてきたらって、言ってくれたってのもあるし、雨はひどいし、なにより、俺が来たかったんだよ」

それ以降はお互い無言で、久しぶりの外食だというのに急いで食べた。
お礼込みのお土産を買って帰るのに、財布を出せば横からクプスが傘を持ってくれて、傘が戻ってくれば当然のようにお土産を持ってくれて。

雨が降る中、二人で歩いて帰るのも久しぶりだったけど、昔はただ隣りにいただけだったのに、今はもうなんだか、ただ家族だった。いることが特別じゃなくて、いることが当然の、ただ家族なんだなって感じで、ちょっとだけ泣きそうになった。

傘に当たる雨音と、激しさに救われたけど............。

 

The END
1865moji