ananでセブチの特集が組まれることが決まったとはじめて聞いた日。
ディノとスングァンは、「日本の有名な雑誌」ってことしか知らなかったから、二人で一緒にスマフォでググったら、ババンと出てきたのがたまたま「SEX特集」だった。
日本語は判らなくても、万国共通の「SEX」って言葉に二人してフリーズ。
俳優さんなのか判らないけれど、物凄くカッコイイ人がほぼほぼ裸で表紙を飾ってた。
二人の目の前には、ananに出るための準備なのか、アンケート用紙があって、得意なことは......とか、好きなことは......とか、色んな項目がある。
直接ananの担当者が作ったアンケートなのか、事務所が用意したものかは判らない。
「オットケ............」
スングァンが呟く。ディノはもう声も出ない。
途方に暮れるとは、多分、今みたいなことを言うんだろう。
サービス精神が豊富なスングァンは、どうせなら読む人が楽しんでくれることを書きたいと思っての事前調査だったけれど、これはハードルが高いかもしれない。求められるものが大人すぎる..................。
大きな勘違いが入ったが、勘違いを正す人はいなかった。
そしてやっと息を吹き返したディノが、「ァ、ァ、ァ、ァンァンって、そ、そういう意味だったんだ.........」と言いにくそうに言い出して、それを聞いたスングァンがまたもや「オットケ............」と頭を抱えていた。
韓国では普通売ってないような大人な本とかが、日本では普通にコンビニにあったりするのは知ってるし、実際に見てビックリしたこともある。恐るべし日本。
日本のカラットたちに喜んでもらえるならなんだってしたいけど、は、果たして自分たちにそんな事が語れるのかと言えば、難しすぎる。恐るべし日本。
芸能の申し子と呼ばれ、引き出しは多い方だと自負しているスングァンだって、「セ、セ、セ、セ、セ.........」と最後まで言えていなかったほど。
「お、お、俺ら、マンネラインだもん」
ディノの発言に、スングァンも頷く。ディノより一つ年上なだけだし、好きな女性のタイプぐらいならどうにかなっても、「セ、セ、セ、セ、セ………はムリだよ。オットケ......」ということらしい。
二人してアンケート用紙を前にして、固まること数十分。
このまま朽ち果てるんじゃないかってぐらい困ってたら、「どうした?」って声をかけてきたミンギュがいて、二人して「「ヒョンッ!」」と思わず叫んでミンギュをのけ反らせていた。
「ヒョン、ァ、ァ、ァンァンの意味知ってた?」
直接は言えなくて遠回しに言ったら、「パンダだろ」って即答。
「「パンダ?!」」
スングァンとディノの声がハモった。
二人して悩んだ時間を返してくれ......となったけど、二人の勘違いを笑ってミンギュが正してくれたから、落ち着いてアンケートに答えることができたスングァンとディノだった。
俺たちパボすぎ~と笑いあっていたスングァンとディノだったけど、同じような勘違いをしたホシとドギョムも悩みまくっていたことなんて、全然知らなかった。
まぁそれはまた、全然別のおはなしだけれども............。
TheEND
1329moji