妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

ディエイトの機嫌がなおるまで

LEFT&RIGHT2(MV100M Anniversary)

2022/8/8(月)記念すべきスンチョルさんのお誕生日に、見事100M達成♪
ということでレフライ2はじまってます。
6周目がはじまりましたが、すでに2023/8/8(火)がもうすぐです......。
そして本当は6周目で終わらす予定が、たぶん終わらないwww
sevmin.hateblo.jp

 

ディエイトの機嫌がなおるまで

瞑想することは好きだし、お茶だって嗜む。どちらも心が落ち着いて、ディエイトの心は解放されてどこまでも自由になるっていうのに、今はどうしてもイライラが収まらなかったディエイトは、珍しくも冷蔵庫の中にあった冷たいペットボトルの水を飲んだ。
冷たいものなんて、滅多と口にしないのに。
ただヘンガレで、ギャルがムンジュニの腕を掴んでただけなのに。
いやでも今まで、時々は見知らぬ人もいたけれど、ほとんどがいつもの面子だったのに。思えばジュンに嬉しそうに抱き着くのなんてスングァンぐらいで、そんなスングァンはディエイトにもミンギュにもウォヌにも、つまりはほとんどの面子に嬉しそうに抱き着いてくる。
別にいい。大したことじゃない。別に、気にしない。
そう思いながらもパソコンには近づかないし、スマホも放り出して、やっぱり水を飲んだディエイトだった。
その時、玄関から電子音がした。暗唱番号を押す音。
この部屋に来たことがあるのはジュンだけだから、当然ジュンだろうと思ったのに、電子音は最終エラー音に変わった。そしてまた押される電子音と繰り返すエラー音。
子どものイタズラなのか、タチが悪い誰かなのか。
思わず機嫌の悪かったディエイトは舌打ちしながらも、玄関に向かう。音も立てず気配も決して、そっとチェーンをかけてから玄関から距離を取る。その瞬間、電子音が解除されて、結構な勢いで玄関が開かれた。当然チェーンに阻まれて、これまたガシャンと結構な音がした。
「ハオッ! ハオッ!」
思わずまた舌打ちが出そうになったディエイトだったけれど、思った以上に必死な声を出したジュンに驚く。
「なに? ちょっと待って。ガンガンしないで。チェーン外すから一回閉めるよ」
慌てて玄関に近づいてそう言うのに、その間も「無事か、ハオ、大丈夫か?」とジュンから声がかけられる。
無事も何も......。意味が判らない。そう言おうと思ったのに、チェーンが外れるやいなや家に飛び込んできたジュンに、ディエイトはしっかりと抱きしめられた。
「電話したし、カトクもしたし、ウジにも頼んでヘンガレでもメッセージを送ったし。なんで無事なら出ないんだよ」
必死なジュンはよく喋る。まぁ普段楽しそうにしてる時もよく喋るけど。
ジュンは後ろ手で器用に鍵をしめて、ディエイトを抱きしめたまま部屋の中に入った瞬間立ち止まる。
「誰かいたのか?」
封の開いたペットボトルが転がっていたからだろう。ディエイトは水なんて飲まないのに。
「俺が飲んだんだよ。珍しくも、ちょっと、そんな気分だったんだ」
そう言ったディエイトは、自分の中にあったはずのなかなか消えそうになかったイライラが、もうどこにもないことに気づいていた。

The END
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