注意......
日頃から妄想を書いてますが、さらに妄想となっておりますので、ご注意ください。
愛のバカヤローの番外編。大人になったホシくんとウジくんの2人暮らしです。
愛のバッキャロー 同居と同棲の違い
同棲初日
引っ越し当日。ホシは何個も段ボールを運んだし、窓を開けて部屋の掃除だってしたし、昼飯の出前だって頼んだ。
俺頑張っただろって自慢気に言ったらウジに、「いやそれって自分の引っ越しなら当たり前のレベルじゃん」とすげなく言われた。
それでもめげずにゴミと化した段ボールをまとめて捨ててきたし、窓にはカーテンもつけた。それから夕飯の出前も頼んだ。
「同棲初日だから、ちょっと豪華にしといた」
そう言ったらウジに冷たい視線を向けられて、「同居な」って言いなおされたけど、「照れるなって」と笑ったら無視された。
付き合いは長い。それこそ生まれた頃から一緒なんだから、ウジが照れてるのなんて完璧に判る。
途中ホシだけが先に家を出たけれど、晴れてまた一緒に、2人で暮らすことにした。
まだベッドは買ってない。だから当然敷いた布団はピッタリくっつけて並べて、気持ち2人の枕を近づけておいた。
いや引っ越しで疲れてるけど、そういうことだって有りは有りだし。
浮かれた気分でニコニコと、いや多少はニヤニヤしてた自覚はあるけれど、「お前バカだろ」とウジがさっさと布団に潜り込む。
いやでも、布団を離したりはしなかったし、枕はそのままの位置だし。
それってやっぱり、それってやっぱり、それってやっぱり? そういうことなんだと思う。
「何もしないから、久しぶりに一緒に寝よ」
そう言いながら、隣りの布団に潜り込む。
ウジは「鬱陶しいだろ」って言いつつも、少しだけ横にズレてくれる。
慣れ親しんだ匂いに、慣れ親しんだ場所に、慣れ親しんだ感触に、「ごめん。何もしないって嘘だから」って即バラしたら、隣りからは「死ね」って冷たい一言が来た。でもその手は振り払われなかったけど......。
The END
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同居初日
引っ越し当日。ウジはバタバタと動くホシを見ながら、運ばれてくる段ボールの中身を取り出しては、ため息をついていた。
ほぼ生まれた頃から一緒にいるから、家を出るタイミングで一緒に暮らしたって全然変じゃない。そこに実は何かがあったって、誰もそんなこと気づきもしないだろうから。
なのにホシはエスクプスにもジョンハンにも、「俺ら同棲する」とか宣言してた。
まぁでも昔から、その気持ちを隠す風ではなかったから、2人だってある程度は覚悟を決めてたんだろう。
「2人がいいなら、反対はしない」
なんて言われて、謎に嫁にでも行くかのように祝われた。
何かあったらいつでも戻ってこいとも言われたけれど、ホシとなんかあったとしても、どっちも戻る先は同じなんだから、あまり意味はない気がする。
高校の頃に家を出てたホシと、今回はじめて家を出たウジだから、一緒に暮らすのは久しぶりだったけど、そんなのなんでもなかった。
もっとドキドキするかと思ったのにそんなこともないし、もっと普通かと思ったのにそれもなくて。
ただどうしたって浮かれてるホシがいて、そんなホシのことを呆れて見てる自分がいただけ。
謎に布団が並べられてて、それを見たウジの反応をホシが楽しそうに見てたけど、ウジは「お前バカだろ」って言って無視した。
なんでもない。ただの布団で、それこそずっと一緒に寝てきたんだから。
「何もしないから、久しぶりに一緒に寝よ」
そう言って同じ布団に潜り込んできたけれど、それだって大したことじゃない。
別々に寝てたって、気づけばいつだって真横にいたり、枕替わりにされてたり、抱きつぶされそうになったことだってあったから。
「ごめん。何もしないって嘘だから」
でもホシがそんなことを言う。だから「死ね」って言っておいた。
だって「待ってた」だなんて、言えるはずがないから......。
The END
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