妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

世界で一つだけの花屋 feat.愛のバカヤロー

注意......

日頃から妄想を書いてますが、さらに妄想となっておりますので、ご注意ください。

クパン(両親?)と、ホシウジ(子供=小学校1年生頃)設定の301号室と、

ジョシュア(保護者)と、ディノ(永遠の5歳児)設定の302号室と、

ウォヌ(社会人)とミンギュ(大学生)の、兄弟?設定の303号室。

1階で花屋さんを営んでるドギョムとか。

そんな彼らのおはなしですが、それでも良ければどうぞ............

 

sevmin.hateblo.jp

世界で一つだけの花屋

マンションの1階に花屋ができると知られると、町の皆さんから少しだけ批判の声があがった。
近くの商店街の中に、昔からある花屋さんがあったから。
でも新しい花屋の店主が、商店街の中の花屋の息子のドギョムだと知ると、ほとんどの人が「そりゃ良かった」と言ってくれた。

ドギョムが就職浪人中だったこともみんなが知っていたし、花屋の仕事が好きなことも知っていたし、でも人手が足りないような花屋でもないことも、やっぱり誰もが知っていたから。

商店街の中の店と違ってちょっと洒落た感じの店にするのかと思いきや、普通に花屋だった。だけど小さいパッケージされた花を作って売ってるからか、何かに添える花を買っていく人は多かった。値段設定もそれほど高くなかったし。

本当はもう少し値段を高くしたかったドギョムだったけど、「家賃も払わないのに暴利を貪る気なのかお前は」と両親からも姉からも守銭奴みたいに言われたので諦めた。
だからせめて店の名前はカッコよく、スタイリッシュに、フラワーショップ〇〇とかじゃなくて、フローリスト〇〇とかにしたかったのに、ドギョムが真剣に考えてる間に、店の名前は姉によって「ソクさんの花屋さん」に決まってた。
全然カッコよくなくてビビったけれど、ほとんどの人が「2号店」と呼ぶもんだから、その名前で呼ぶ人もいなかった。

母親からそこで店を出す話を聞いた時も、家賃がタダだと聞いた時も、ラッキーぐらいにしか思っていなかったけど、その店はディノのための店だって気づいた時には、ちょっとだけ気持ちを引き締めたかも。

商店街の中の花屋を手伝ってる時に、ディノは何回か花屋にも訪れた。
最初は「わー」とか「あー」しか言わない、可哀想な子だったし、いつだってジョシュアと手をつないでた。
ディノは時折売り物の花を強く握りしめてしまってダメにした。ジョシュアが慌てて謝ってその花を買おうとするのに、母親がいつだって「ここらの子どもたちはうちの花を握りしめて育っていくんだから」って笑い飛ばしてた。

でも気づけばウジとホシと一緒に手を繋いで歩いてるのを見かけて、「お花キレイだね」って言ってる姿も見かけて。でも時折やっぱり花をギュッとしてしまうのは、力加減が判らないからだろう。オモチャを掴む時の強さで花を握ってしまうから。
ホシがディノに向かって「アンデアンデ」って慌ててるけど、ウジは「ミアネヨ」って言いながら見上げてくるから、3人揃って可愛くて可愛くて。

その店はマンションの階段に続く場所にあって、それほど新しいマンションでもないっていうのに、密かに最新式の防犯ビデオとかが設置されているのを知っている。
それでも心配になったのか、マンションの1階に常に誰かがいてくれるようにと花屋を誘致したのはジョシュアで、だから当然それは、ディノのためで。

公園で不審者が出て、子どもたちに話しかけたと知った日に、ジョシュアは商店街の花屋を訪ねてきたらしい。
花屋を開いたからといって、別段何か、特別なことを依頼されることはなかった。
でも最新の防犯ビデオは何かがあった後には役立つかもしれないが、死角もあれば、気づかれなければ抑止効果もあまりない。それよりも、人の視線の方が、もっとずっと確かに抑止力にはなるかもしれない。

子どもたちが楽しそうに通るたびに、「おはよう」やら「いってらっしゃい」やら「お帰り」やら。そんなことを繰り返すだけの方が、ずっとずっと良いはず。
ディノはもうすぐ小学校に通いはじめる。もう花を握りしめたりもしない。

ドギョムは自分のことのように嬉しくて、「なんでお前が泣くんだよ」ってみんなから笑われたけど、ディノが小学校に通いはじめたその日にはオイオイ泣いてしまったほどだった。

The END
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