妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

俺の方が好きなのに feat.愛のバカヤロー

注意......

日頃から妄想を書いてますが、さらに妄想となっておりますので、ご注意ください。

クパン(両親?)と、ホシウジ(子供=小学校1年生頃)設定の301号室と、

ジョシュア(保護者)と、ディノ(永遠の5歳児)設定の302号室と、

ウォヌ(社会人)とミンギュ(大学生)の、兄弟?設定の303号室。

そんな彼らのおはなしですが、それでも良ければどうぞ............

 

sevmin.hateblo.jp

俺の方が好きなのに

ジョシュアを通じて何度も電話をかけて来いとエスクプスは言ったけど、ジョンハンはそれを無視してた。
電話ですべてが終わってしまうことが怖かったから。
何かに怒ってたからだとか、クプスのことを懲らしめてやろうだとか。そんなことは微塵も考えてなくて、ただただ、自分が咄嗟に口にしてしまうかもしれない『別れ』が怖かった。エスクプスがそれに対して『わかった』って、あの時みたいに答えるんじゃないかって怖かった。
だってあの時だって、別れを口にした瞬間には後悔したのに......。

でも、2人で暮らす家に見知らぬ誰かを入れることへの忌避感は強くて、でもクプスは気にしないんだ......って言う2人の気持ちのズレに、思いのほかショックだったのを覚えてる。誰もが、クプスすら信じなかった別れの理由は、ジョンハンにとっては大きくて。だから誰にも話さなかった。だって、たったそれだけのことってきっと誰もが笑うはずだから。自分がおかしいんだってわかってたから。

バカみたいに1人で泣いて、バカみたいにスマホは捨てて、当時はまだ大学生だったから、スマホが無くて困ったことしか記憶にない。
クプスに会わないように過ごして、でも風の噂でクプスが誰かと付き合いはじめたって聞いて傷ついて......。自分が別れようって言ったのに、なんでそれぐらい、我慢しなかったんだろうって思い続けた半年だった。

今はもう子どもたちだっているっていうのに......。

ジョンハンが子どもの頃、毎朝台所で1人、前日の夕飯の残りを食べながら忙しそうにしてる母親がいて、「ご飯ぐらいゆっくり食べてよ」って言ったことがあったけど、きっとゆっくりしてる暇なんてなかったんだろう。それでも母親は毎日ジョンハンと妹にはしっかりしたご飯を用意してくれていたし、夕食後には宿題を手伝ってもくれていた。自分の時間なんて全然なかったはずなのに。

でも今なら少しだけ、その時の母親の気持ちが判るかも......。
だって今はジョンハンが、台所で立ったまま『水かけご飯』で簡単にすませてしまうことが多かったから。それでも、子どもたちの世話に明け暮れたって、どんなに忙しくたって、1日があっという間に過ぎていく今が、ビックリするぐらい幸せなんだから。

なんでか家じゅう砂まみれにされたって、気づけば仕事用のパソコンをシールだらけにされたって。もっと食べたいって喚くウジに、もっと遊びたいってゴネてるホシに。着替えた途端にジュースを零されたって。お風呂あがりに家じゅう走り回って全然捕まらなくたって。
一日の終わりに2人の寝る姿を見たら、大変なことなんて、吹き飛んでしまうから。

そんな2人のことをわかっていて、そーっと家に帰ってくるクプスと、その日の出来事を話す僅かな時間が、自分でも驚くほどに幸せなのに......。

「ジョンハナ、お前ほんとに、バカだな」

エスクプスが帰って来て、ジョンハンを抱きしめた。
だから言えた。「でもお前に電話したら、女が出たもん」って。もしもクプスが抱きしめてくれなかったら、絶対に口になんてしなかったはず。プライドなのか、負けず嫌いなのかは判らないけど、それが別れの原因だなんて認めたくなかったからかもしれない。

「バカだな。ほんと......」

そう言ってエスクプスが抱きしめてくるから、「バカって言う方がバカなんだよ」って、子どもみたいなことを言ってしまった。
でも抱きしめてきたその腕を、そう言いながらもようやく抱きしめ返せたんだけど。

 

The END
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