妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

誰かを蹴る時。それは誰かを守る時 feat.愛のバカヤロー

注意......

日頃から妄想を書いてますが、さらに妄想となっておりますので、ご注意ください。

クパン(両親?)と、ホシウジ(子供=baby)設定の301号室と、

ウォヌ(社会人)とミンギュ(高校生)の、兄弟?設定の303号室のミックスです。

それでも良ければどうぞ............

 

sevmin.hateblo.jp

  

 

 

誰かを蹴る時。それは誰かを守る時 feat.愛のバカヤロー

出会いとしては、最悪だった。

大学の後輩のウォヌが隣りの隣りに引っ越してくることになって、全部丸ごと引っ越し業者に任すのかと思ったら、荷物を運んでもらうだけだと言うから、わざわざ会社を半休で帰ってきた日。

「ご飯はうちで食べればいいよね」

そう言うハニに「おぉ。とりあえず、全然進んでないだろうから、手伝ってくる。最悪、風呂もうちだし、片付かなかったら寝るのもうちになるだろうけど、問題ないだろ?」と言えば、ハニが「全然大丈夫」と笑ってた。

チャイムを鳴らすなんて感覚もなく、当然のようにドアは開いてるものと思って手を出せばやっぱり開いてて、「入るぞ~」って声をかけつつ入っていったら、まさかのまさかの場面に出くわした。

それはでっかいベッドの上で、見知らぬ男がウォヌの上に乗っかっていた姿。
スポーツとか格闘技とは別にして、誰かを蹴ったりするような、そんな人生は歩んでこなかったから、自分が誰かを蹴り飛ばすことがあるとは思っても見なかったけれど、誰かを守るためなら躊躇しないんだと、見知らぬ男を蹴り飛ばしてから気づいた。

当然そのまま殴りつけようともした。何せウォヌを襲った男のことを、引っ越し業者か何かと思っていたから。エスクプスの中ではただの犯罪者で、警察に突き出すかどうかは別にしても、ウォヌを助けるためにもまずは男を倒さないといけないと思ったから。
ましてや隣りの隣りには自分の家があって、ハニがいて、そこにはホシとウジがいる。
ウォヌを襲った男がただの性犯罪者なのか、相手は誰でもいいっていう犯罪者なのか、それ以上に誰かれ構わず傷つける犯罪者なのかもわからない以上、倒さなきゃならない。誰かを、家族を守るためには。
咄嗟にそこまで考えて殴りかかったというのに、止めたのはウォヌだった。

「ヒョンッ! 待ってッ! 弟なんだ............」

弟ができたことは聞いていた。父親が再婚して、確か高校生の弟ができたと。何故か「俺もヒョンって言われるんだよ」って嬉しそうに笑ってた。

でもだからって、「そうか。弟なのか。なら問題ないな」とはならない。
犯罪者の身元が最初から判ってるってだけのことだ。

「同意だったのか?」

別に男同士だからとか、そんなことは関係ない。相手がまだ高校生だろうが、血は繋がってないとはいえ弟だとか、そんなこともどうでもいい。
今この状況のはじまりに、ウォヌの同意があったかどうかだけだ。

「お、俺たち、今日から一緒に暮らすんだ」

ウォヌの弟が、まっすぐエスクプスを見ながら言った。
でもそれがどうしたって感じで、「同意だったのか?」とエスクプスが再び問う。
弟を真正面から見たままの状態で、ベッドの上に座って慌てて身体を隠そうとモゾモゾしてるウォヌの返答を待った。

だって答え次第では、やっぱりエスクプスはウォヌの弟を殴り倒さないといけないから。

「ヒョ、ヒョン。ごめんちょっと、とりあえず、俺ら、服着るから。お、俺の服、ど、どこだろ?」

ウォヌが慌てながらも、何故か縋るように弟の方を見た。それだけで弟は理解したのか、「服が入ってる段ボールは判ってるから、大丈夫」と弟が真っ裸のまま立ち上がって別の部屋へと消えてった。

それだけでもウォヌが弟を頼りにしてるのが判って、少しだけエスクプスの怒りは減ったかもしれない。
弟の手は借りるのに、エスクプスに見られるのは恥ずかしがっている。
そんなウォヌの姿を見れば、ウォヌにとっての弟の存在が、弟以上なんだってことはすぐにわかった。

それでも服を着たウォヌだけを残して、弟のことは部屋から追い出したけど。
それからやっぱり「同意だったのか?」と問いかける。
ウォヌの視線が泳ぐから、多分同意ではなかったんだろう。

だから質問を変えた。「一緒に暮らすつもりなのか?」って。
そうしたらウォヌが、少しだけ困った感じで、でも「そうみたい」と答えるから。
それが二人のはじまりなのかもしれないと、そこで引いたのはエスクプスの方だった。

弟は玄関の外で待っていた。
エスクプスが出ていけば、「キムミンギュです」と挨拶してくれた。

「引っ越しの手伝いはいらないみたいだから。俺は帰るけど、隣りの隣りだから」

名乗りながらもそれだけ言って、終わらせた会話。
出会いとしては、ほんとに最悪だったかも。
でもウォヌはいつ見ても幸せそうで。二人とも笑ってて。そんなはじまりもあるんだと思っただけ。

エスクプスにとっては弟みたいなウォヌだったけど。もう一人弟みたいなミンギュが増えただけ。
人の出会いは数多あって、不思議で、劇的で、運みたいなもんで。
さすがにハニには言えなかったけど。

 

The END
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