妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

ドギョムdeパニック

 

時々、ドギョムはやらかす。頻度はミンギュより少ないけれど、内容は結構デカい気がする。
「俺、中国人だけど?」とディエイトが言えば、「俺はアメリカ人だよ」とジョシュアが言った。
ドギョムは知ってるけど?みたいな顔をして、意味も判らず驚いていたけど。

はなしは2時間前、事務所のスタジオにいる面子もいれば、ウジは宇宙工場にいて、個人の仕事でいなかったり、副社長のところにいたエスクプスがいたり。13人が固まってなかったのは確実だった。
『ドギョミは?』
その電話を受けた時、ホシはちょうどスタジオに入ったところで、それはウジからの電話だった。
「いないけど? ドギョミがどうした?」
『いや、カトクしてるけど返事もないし。そもそもあいつから電話が来てたから。2回も』
「わかった。探してみる」
そう言って終わった電話。当然ホシはその場にいたジョシュアやチャイナの2人やディノに、「ドギョミは?」って聞きながらも、ウジのところに電話を2回もかけたって話もした。
「なんだろ? ドギョミヒョンも、物凄い歌いたい歌ができたのかな?」
そう言ったのはディノで、どうしても歌いたい歌ができるとウジに連絡が取りたくなるからと言っていた。
なんだかそれを聞いて幸せな気持ちになったけど、そんな浮かれた感じはそこまでだったかもしれない。
「あれ? ドギョミは? いないの?」
そう言ってウォヌとミンギュがやって来たから。
聞けば2人のスマホにもドギョムからの着信が残っていて、大抵の用事はカトクですますのに珍しいと言い出したから。
そうしたら副社長のところに言ってたはずのエスクプスまで戻ってきて、「ドギョミは? 電話なに? 何回もかけてきたけど」と言った。
その頃にはちょうどジョンハンとスングァンも合流して、みんなに電話しまくってるドギョムのはなしを聞いていた。
「なに? あいつ全員にかけてんの? 俺のとこには一度もかかってきてないけど?」
笑いながら自分のスマホを確認したのはジョンハンだったけど、「あいつ今日、個人仕事なの?」って確認だってした。
わざわざスタッフヌナやマネヒョンに確認したら、「個人の仕事はないですよ」とか「社屋の中で朝見かけましたよ」とか言われて、全員で首を傾げたほど。
ホシもディノもウォヌもミンギュもディエイトも、ドギョムに電話しても出ないって言う。最初は代表してホシがかけたけど出なくて「人を代えたら出るんじゃないか」っていう失礼な話を笑いながらしてたのに、誰がかけても出なくて、最後は結構真剣な顔で「ハニヒョンかけてみてよ」とスングァンが言ったほど。
でもジョンハンがかける前に、「ドギョミヒョンッ?」って結構な声を出したディノがいた。ちょうど電話がかかって来たから。なのに電話の向こう側からは声一つなく、数秒で電話は切れた。
「え? なに? これほんとに、トラブル起きてんじゃない?」
ミンギュがそう言えば、ウォヌが「サスペンスものに良くあるよな。危機的状況で声が出せなくて、助けを求めて電話かけるってやつ」とか言い出した。
それならカトクを送ればいいし、最悪電話だとしても勝手に切る?っていう話にもなったけど、「トイレに閉じ込められてるとか?」とか誰かが言えば、当然のようにホシとディノが「ドギョマ~」って言いながら走って確認しに行く。
「わかった。女子トイレに間違えて入って出られないんだよ。ほら、それなら声出せないじゃん」
そう言ったのはスングァンだったけど、半分以上は笑いを狙ったって言うのに、「それだ」って言ってジョンハンが立ち上がるから、思わずジョシュアとエスクプスが止めた。そのままならジョンハンは女子トイレだって突入しそうだったから。
いやそれならそれこそカトクを送ってくるだろうって話をしていたら、ホシのもとにはウジからまた連絡があった。
『ドギョマは? 見つかった? アイツほんとなに? 俺にイヤガラセでもしてんの?』
ウジのもとには何度もドギョムから着信があって、出るたびに切れるらしい。
いやもうほんとなにこれ......ってジュンが頭を抱えだし、ジョンハンは再び立ち上がる。
ただし今度は自分が女子トイレに向かう訳ではなく、スタッフヌナたちに頼んでた。
それから「館内放送してもらう」と言い出して、本気で自分たちの社屋だというのにすぐに館内放送が流れた。
『セブンティーンのドギョムさん、イソクミンさん、おられましたら至急セブンティーン練習室までお戻りください』
きっとそれを聞いた人たちはナニゴト?ってなっただろうが、結構セブチの面々は必死だった。
ディノはもうオロオロしはじめてたし、スタッフヌナたちは社屋の全女子トイレを周ってくれたし、ミンギュとウォヌだって役員室しかないフロアのトイレだって見たほどで。
「大丈夫、落ち着け」
エスクプスがそう、全員に言ったほど。
館内放送までしてドギョムが見つからなかったら、ドギョムは社屋にはいないってことだろう。
「あいつ、外に行ったの? 1人で?」
7年を過ぎたって、大抵は2人で行動するのを続けてた。だから個別の仕事がある以外では1人でなんて行動はしないし、そうだとしてもマネヒョンか誰かは一緒のはずなのに。
絶対に何かあればジョンハンにだけは確実に頼ってくるはずなのに......。全員がそう思ったタイミングが一緒だったのか、不意にジョンハンのスマホが鳴った。
でもそれはドギョムじゃなくて、ドギョムのヌナからの電話で......。
ウジと同じように、何度も電話が鳴るけど出れば切れるし、かけなおしても出ないしっていう問い合わせだった。
「大丈夫。今ちょっとあいつ席外してるけど、俺が確認しとくから」
ヌナには心配かけないようにそう言ったジョンハンだったけど、思わず声が震えそうになったほど。
スングァンは怖くなったのか、ミンギュにしがみつくようにして立っていて、結構本気でパニックになるちょい手前って感じだったのに。

「ヤー、なんだよ。なんで俺のこと館内放送なんかで呼びだすんだよ」

そう言って普通にドギョムが現れた。
全員に、それこそスタッフヌナたちからも当然のように「どこにいたんだ」と詰められて、「え? おれもチャレンジやりたいから」と、弟グループの動画を部屋に籠って見てたんだと言ったドギョムは本気で驚いていた。
当然全員から「なんでじゃぁ電話をかけてきて、しかもワンギリみたいなことしてんだよ。かけなおしても出ないし」と文句を言われて、「え? 俺かけた?」とか言いながらお尻のポケットからスマホを取り出すドギョムは、嘘なんてついてるようには全然見えなかった。
「わ。ほんとだ。発信履歴と着信履歴が山のようにある。なんでだろ?」
そういうドギョムの手元をミンギュも覗き込む。
「壊れたの?」
そう言ってディノも覗き込む。
「いや、壊れたからって勝手に電話かけたり、かかってきた電話を切ったりはしないだろうし、乗っ取られたからってそういう動きはしないはずだけど」
ミンギュが冷静にそういう横で、ジョンハンとウォヌはドギョムを抱きしめて、安心してた。
とりあえず無事が確認できたから、後はもう後のはなしだと思ったんだろう。
でも、原因は結構すぐに判ったけど。
だってミンギュの手にあるってのに、ドギョムのスマホは勝手にウジに電話をかけはじめたから。
「お? あ? それじゃない?」
そう言ってミンギュが指さしたのは、ドギョムが持つイヤホンだった。
Bluetoothの新しいイヤホンが、ネットで別のものを買ったら当たったんだとドギョムは嬉しそうだった。音質も結構いいし、イヤホンだけで電話もかけられるらしいとも。
「いやだから、やっぱりそれじゃん」
原因がだいたいわかれば全員がホッとして、ホシはウジに電話をかけたし、ジョンハンもドギョムのヌナに電話をかけた。
そんな中でミンギュが、「説明書は? ちゃんと読んだのかよ」と言えば、「え、だって英語と中国語だったから読んでない」とドギョムが言う。
それに対して呆れたように、「俺、中国人だけど?」とディエイトが言えば、「俺はアメリカ人だよ」とジョシュアが言った。
ドギョムは知ってるけど?みたいな顔をして、意味も判らず驚いていたけど。
「感覚で使うなんて高等技、ドギョミヒョンには無理なんだって」と、かなりディノが酷いことを言っていたけれど、言われてもしょうがないって顔で全員から見られてた。
もちろん後から合流したウジにもドギョムは怒られていたけれど、最終的には笑ってた。
「お前のせいで俺たち、役員室のフロアのトイレまで全部見たんだからな」
そうウォヌが言うのにも。
「ハニヒョンなんて女子トイレだって入りそうだったよ」
そうジュンが言うのにも。
「パボや。パボすぎる」
そうスングァンが言うのにも。
だってなんだか、みんなの心配が本気だったと聞いて、どうしたって嬉しかったから。
最終的には全員から「GPSのアプリを入れさせろ」とまで言われていたけれど、やっぱりドギョムは嬉しそうに笑ってた。

The END
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