妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

る、るるるる

LEFT&RIGHT2(MV100M Anniversary)

2022/8/8(月)記念すべきスンチョルさんのお誕生日に、見事100M達成♪
ということでレフライ2はじまってます。
そして現在5周目ですが、まだまだ取っ散らかってます!!!!!
sevmin.hateblo.jp

 

る、るるるる

ディノの電話が鳴り続けてた。電話番号だってちゃんと出てる。
迷惑電話かもしれないけれど、履歴に残った電話番号を調べたりもしないし、ディノはただ無視するだけだった。
でもすぐに2回目が鳴り、3回目が鳴り。
4回目が鳴ったら出るルールなのに、少しだけ面倒になって、ディノは電波が届かない場所へと移動した。

なかなか最近ではそんな場所珍しい。
そこは地下にある小さい本屋で、昔からある。噂では最初の店主が携帯電話が嫌いで、ジャミング装置を設置してるとかしてないとか。
でも確かに電波が途切れるから、ディノはその本屋が嫌いじゃなかった。

小一時間ほどして外に出たら、途端に電話が鳴りだした。
つまりはずっとかけ続けていたのかもしれない。

「ヨボセヨ」

できるだけ声から表情を消してぶっきらぼうに電話に出たっていうのに、「ヤー、124回も電話したんだぞ」といきなり怒られた。
ディノにとっては4回目でも、実際には124回もかけたという。その事実だけなら変質的だけど、声は特徴的で、すぐに誰か判った。

「ウジヒョン? なに? どうしたの? 何かあったの? それより俺の電話番号、なんで知ってるの?」
「いいから黙れ、無事だよな?」

ディノのスマホの信号が消えたからと慌てていたウジの気持ちなんて当然ディノは知らなかったから、無事だと聞かれて驚いた。

「何か、不審なことはあったか?」

電話番号も教えてない相手からの電話は不審と言えば不審だろう。だから素直に「電話かかってきたし」と言えば、ウジはそれを正確に読み取って「俺以外にもか?」と聞いてくる。
ディノは黙ってた。でもそれを肯定と取ったウジは、「タクシーを捕まえて、俺が今から言う場所まで移動しろ」って、なんだかテレビドラマみたいなことを言う。

「でも、なんでもいいから情報をって言ってた。それと好きなものを交換してくれるって」

自分が移動することで、その先の情報が誰かに漏れるかもしれない。
リアルな世界だというのに、それはまるでヘンガレの中の出来事のような感じだった。
ただ違うのは、いつもなら誰かがディノのことをフォローして守ってくれて一緒に戦ってくれるのに、今は1人で、ただ電話がウジと繋がってるってことだけだった。

「いい。今から向かう場所はただのゲーセンだから。何の問題もない。ディノや、お前、スングァニを拾って来い」

会ったことはない。いつだって楽しく踊ってるスングァンは、よく言いあう相手でもある。ヘンガレの世界でもつい頑張ってしまうディノに、全然違う楽しみ方を気づかせてくれる相手でもある。

全部無視して家に帰ったって、良かったかもしれない。
でもタクシーを捕まえた瞬間に乗り込めば、視界の隅で慌てたように道路に走り出た人影があった。

「ヒョン、誰かが着いてくるかも」

そのディノの言葉になんでか一番興奮したのはタクシーの運転手さんで、頼んでもないのに街中を爆走しはじめた。
電話に出ただけなのに、ディノの日常が一瞬で違うものになりそうだった。

The END
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