注意......
日頃から妄想を書いてますが、さらに妄想となっておりますので、ご注意ください。
クパン(両親?)と、ホシウジ(子供=小学校1年生頃)設定の301号室と、
ジョシュア(保護者)と、ディノ(永遠の5歳児)設定の302号室と、
ウォヌ(社会人)とミンギュ(大学生)の、兄弟?設定の303号室。
そんな彼らのおはなしですが、それでも良ければどうぞ............
ホシの記憶、ウジの真実
小学校1年の時のウジの初恋の話をホシは自分が体験したかのごとく語るけど、ウジにはその記憶がない。
双子のように一緒に育ってきたというのに、2人の見るものは、ものの見事に違うものばかりだったからかもしれない。
それでもホシが途中からウジのクラスに来たのは覚えてる。それこそ、それからがウジにとってはちゃんとした学校生活がはじまったようなものだったから。
先生が何かを質問すると、子どもたちは元気に手を挙げる。それがルールだったのかもしれないけれど、ウジにはそのルールを習った覚えはなかった。
たぶんただただテンパっていただけだろうけど、なんであんなに元気よく、ハイハイハイハイと皆が手を挙げるのかが判らなかった。
ウジの隣りの席を根性でゲットしたホシも、元気に手を挙げる。
「お前、なんで手、挙げてるの?」
聞けばホシは笑って、「え? 手挙げる時間じゃないの?」って答えたから、きっとテンションだけで手を挙げてたんだろう。
でも中にはホシと同じような感じで手を挙げてる子がいて、先生に名前を呼ばれても笑ってるだけだったり、困ってたり、急にモジモジして何も答えられなかったり。
1年生なんて、そんなもんでいいだなんて、ウジに教えてくれる人はいなかったから、ホシが同じクラスにならなかったら、ウジは1年間フリーズして過ごしてたかもしれない。
でもホシのおかげで、教科書の隅っこには絵を描いて遊ぶことを覚えた。
授業中におしゃべりすることも覚えたし、判らないことは教えあって助け合ってもいいことも覚えた。
それでも先生の呼びかけに、ホシが「はいはいはいはいはいはいはいはいはいッ」ってテンションバカ高く叫んでる間にも、ウジはなんでか真っ直ぐ上にじゃなくて、前に手を挙げてたりしたけど。
「あの子、ウジよりちっさい」
ホシがそう言った日のことは、実は覚えてる。
その子は確かにウジより小さかった。でもだから覚えてた訳でもない。その子が転校してきたからホシがウジのクラスに来てくれたことを知っていたから覚えていただけのこと。
それこそ転校して来たのは双子の女の子だった。
でも1人はウジより大きくて、1人はウジより小さくて。
大分後になって、ウジより小さい子は身体が弱くて、だから双子だったのに同じクラスにって話になったって知った。
ホシが物凄く嬉しそうに、その子を見てた。
学校の中にはウジよりかわいい子はいなかったとか言ってたくせに......。
だから名前を教えてあげたのに、なんでかホシはそれに驚いていた。
それがウジの初恋だと、ホシは大きくなってからもずっと言っていたけど、そんなことは全然なかったと思う。その子のことを見てたこともなければ、その後気にしたこともないから。
ただそれよりも、ホシがキラキラした目で、「あの子、ウジよりちっさい」って言ったことの方が、嫌だったことを覚えてるのに......。
でもホシはすぐに、隣りのクラスのウジより小さい女の子のことは忘れてしまった。まぁその子も元気になってきて、すくすく育ってすぐにウジよりデカくなったからだろうけど............。
The END
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