せっかくの休みの日。一番遅くまで寝ていたというのに、ミンギュにこの後どうすると聞かれ、「腹いっぱいになったから、もう少ししたらジュニと昼寝する」と答えたら、リビングで一人ゲームをしてたジュンが勝手に一緒に昼寝することになったことに驚いていたけれど、ミンギュは驚くでもなく頷いてどこかに行ってしまった。
「俺も寝るの?」
ジュンが苦笑しながらそう聞いてくるから、「隣りで俺が気持ち良さそうに寝てたら、絶対一緒に寝るって」と答えれば、ちょっとだけ考えて「そうかも」とか納得してた。
でも宣言通り、クッションを枕にゴロゴロしてたら眠たくなってきて「食べたばかりなのにそのまま寝たらブタか牛かラクダになるよ」っていうジュニの言葉に、『いや、ブタか牛かラクダかどれかハッキリしてくれよ』と返す間もなく寝てしまっていた。
でも気づけば同じクッションにジュニの頭が乗っかっていて。
なんでこうも、ちゃんと寝る時間以外の眠りは心地よいんだろう。
誰かの気配が傍にあって、何の警戒心もなく眠れることの幸せさを噛みしめる。
でも何かあればすぐに目覚めるはず......とか思ってたのに、気づけばジュンと二人で上掛けをかけられていたけれど、全然目覚めなかった。
気づけばカーテンも閉められていた。
どこからかコトコトと音がする。それはきっとミンギュが何かを煮込んでる音なはずで、優しい匂いもあいまって、あぁ、たぶんこういうのを幸せというんだろうなって噛みしめる。それから夜は眠れないだろうな......って、寝ながら心配してたりもして。
全員でひしめき合って暮らしてた宿舎の中で、誰が一番最初に「パンツだけは自分たちで洗おう」って言い出したのかを、ウォヌだけは覚えてる。そうなった事情もしっかり覚えてるけど、まぁそれは内緒。
洗濯する係をジャンケンで決めて、誰かが「パンツ洗うよ~」って叫べば、全員が急いでパンツを洗濯機に放り込みに来る。
なんでかその場で今履いてるパンツを脱ぐ奴もいて。
乾燥機能なんてついてない洗濯機なのに、洗っただけで干し忘れたのは確かドギョムで、次の日の朝、パンツがないと全員で慌てたのも覚えてる。それなのにミンギュがドライヤーとアイロンを使って全員分のパンツを器用に乾かしてくれて。
確かボイラーの温度設定を間違えて部屋中湿気だらけにしたのもドギョムだった。
カーテンの後ろからベッドの奥からじめじめで、このままだったらカビだらけになるって時にも、ミンギュが率先して動いていたはず。
誰かが困ってたら当然のようにそこにはミンギュがいて、頼もしい限りで。
それなのにやってやったなんて感じは微塵もなくて。
全員でジャンケンで決める練習室の掃除のときだって、たまには『いつも俺ばっかり色々やってるんだから』って言ったっていいはずなのに、そんなこと一回だって言ったこともなくて。
それだけオトコマエだったら、多少は驕ったっていいはずなのに。
「なに? 自分の男自慢かよ」
寝てたはずなのに、言葉に出てたのかもしれない。
目を開けて横を見てみたら、いつの間にかジュニはいなくなっていた。変わりにいつ帰って来たのか、ウジが同じクッションに頭を預けていて、ウォヌの上掛けにしっかり潜り込んできていた。
『自慢して悪いかよ』って言いたかったけど、やっぱり睡魔に負けたウォヌだった。
次に気づいた時にはウジのさらに向こう側にはホシがいて、枕がわりのクッションは二人に奪い去られてて、上掛けも奪い取られてたけど、何故かウォヌには別にちゃんとかけられいた。
The END
1461moji