妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

で、結局俺どうすればいいの?

LEFT&RIGHT


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で、結局俺どうすればいいの?

スングァンは、驚いていた。
突然襲われた時も当然驚いたし、ミンギュがいきなり現れてバイクでニケツして逃げた時も驚いたし、そこにジュンが現れた時も驚いた。

多分もう、こんなに驚くことはないはず......と、ジュンが運転する車の助手席でマジマジとジュンを見ながら思っていたっていうのに......。

まず、豪華な門に驚いた。
その門が自動で開いたと思ったら、そのまま車がその中に入って行って、家だと思われる建物まで遠かったことにも驚いた。でもその敷地の中の道々に、テレビでしか見たことがないような、壺とか持って立ってる女の人の白い銅像とかがあって驚いた。

それなのに、玄関にしてはドアがバカみたいにデカイ扉を開けて出てきた人が、美人過ぎて驚いた。でも不思議とひと目でそれがユンジョンハンだと気づいたけど。

「な? な? な? ホンモノ見たら、驚くだろ? 俺がうっかり『ハニヒョン、リアルの方が美人じゃん。なにあれ......。リアルであんな人間、存在する?』とか言っちゃった気持ちも判るだろ?」

ミンギュが横から煩かったけど、確かに......とも頷ける。
そう言ってるミンギュだって男前でびっくりしたというのに、ジュンが現れて、生きてる人間でこんなに整った人がいるんだってびっくりして。もうさすがに最後だろうと思っていたというのに、目の前には天使みたいな人がいた......。

「おぉ、スングァナ。お前無事か?」

ヘンガレの世界のユンジョンのままの口調で、それもまた驚いたかもしれない。
ガス欠になったバイクをその場に下ろして、ジュンが「じゃ、後は」ってだけで帰って行こうとしてた。

「ジュナ、お前も寄ってけば?」

そうユンジョンハンが言ったのに、「いや、やめとく」とだけ言って、ジュンがあっさりと去って行ってしまった。

なんだか色々驚きすぎて、半年分ぐらいの驚きを一日で体験したんじゃないかって感じ。きっともう多少のことがあったって、そうそう驚かないんじゃないかって、そう思ってたのに...............。

「おぉ、スングァナ~」

お邪魔しますとあがりこんだ先はダダっぴろくて、それにも驚いていたのに、さらに奥にある部屋から出てきたのはエスクプスだった。見た瞬間にわかった訳じゃない。ハニヒョンが、「クプスや。なんで出てくるんだよ~」とか言ったから。

統括リーダーで、なんでか車が大好きで、踊ったり走ったり逃げたり戦ったり、一緒にしてたら「俺はヒョンだから」って助けてくれたりするけど、その割にはビビってることも多いヒョンだったけど、それでもスングァンがバレーボールしたいって言えばいつだって一番に「おぉ、やろうぜ」って言ってくれるのがエスクプスだった。

ダダっぴろい部屋の、さらに奥の部屋から出てきたエスクプスは、車イス姿だった。
それに乗ってる理由がケガして今だけ............とかじゃないってのは聞かなくても判ってしまった。その上半身に対して下半身が驚くほどに細くて、少しだけ見える足首から先が驚くほどに白くて。
スングァンがちょっとだけ何を言えばいいのか判らなくて躊躇したというのに、「ヒョン、元気そうじゃん」とミンギュが笑ってた。

ジュンがもう帰ったと聞くと、「やー、なんでジュニはいつも俺と会おうとしないの?」とムクれてた。
聞けば一度もリアルな世界では会ったことがないらしい。
お互いの電話番号だって知ってるし、カトクで話すこともあるのに、タイミングなのか避けられてるのか、リアルでは会えたことがないらしい。

いろいろ驚きすぎて、なんだか美味しいお茶とかケーキとかも食べちゃいながら、思わずまったりしてしまったほど。でもスングァンにしてみれば、色々あった一日だったけれど、何一つ解決していない状況だったことに、やっと気づいたんだろう............。

「で、結局俺どうすればいいの?」

ダダっぴろい豪邸の中、スングァンが呟いた。

 

The END
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