ananでセブチの特集が組まれることが決まったとはじめて聞いた日......。
ウジとバーノンはそれぞれ自分の部屋でアンケート用紙を前にしていた。
とりあえずバーノンはペンが見つからなくて、座ったままでキョロキョロと、自分のまわりを探しはじめた。平和。
とりあえずウジは音楽を流しながら考えるかと、パソコンの電源を入れる。普通なら適当な曲や気にいってる曲を流したりするのに、ウジはベース音を作るところからはじめた。天才。
そしてバーノンはというと、フラミンゴの姿をしたペンを発見した。だけど見た目重視のそれはもうインクが切れていた。でもピンクのフラミンゴが可愛かったから嬉しくなったのか、書けないペンだというのにそれを元の場所にまたしまったバーノンだった。平和。
ウジはというと、自分がつくったばかりの音にあわせて、リズムを緩く刻んでいた。電子オルガンの音ものせてみて、ちょっと異国風な音をつくって、ウジは納得顔。勝手なananのイメージだったけど、きっとウジ以外の誰かが聞けばその不思議な音色に驚いたはず。天才。
その頃バーノンは、まだペンを探してた。
座ったままでは見つからないと気づいたのか、立ち上がって探し始めた。すぐに見つけたペンは、頭の部分がゴリラの顔になったもの。見た目重視でこれまたゲットしたんだろう。ペンとしてはすでにカスカスで役立たず。でもやっぱりバーノンは、それを大切そうに元の場所にしまっていた。平和。
ウジは気持ちが整ったのか、アンケートに答えていく。
好きな場所は。家。
好きなモノは。音楽。
好きな歌は。セブチの最新曲。
好きな人は。カラット。
迷いは全くない。でもアンケートに答えながらもメロディーが浮かんできてしまったらしく、パソコンに手を伸ばし、適当に鼻歌を歌いながら曲を作り始めた。適当な感じなのに、どうしたって音が少しずつ、ステキな感じに整えられていく。天才。
バーノンはまだペンを探している。
そろそろ自分の部屋の中で見つけるのは諦めればいいのに。何も気にせず、「アンアンアアン♪」とか勝手にananの歌を歌いつつ、時折「ペンが見つからないよ~♪」なんてことも歌に混ぜ込みつつ、ペンを探し続けてる。平和。
ウジはいつの間にかアンケートを放り出し、曲作りに没頭しはじめていた。天才。
バーノンはペンが見つからないけど、特にイライラすることもなく、そのうち頭もふりふり踊り始めた。平和。
そして小一時間ほど経過した頃、ウジはアンケートを忘れ去って、違う曲にまで手を出しはじめ、いつものように普通に働いていた。でも次から次へと、曲にしたいものが降ってくるんだからしょうがない。ただただ天才。
バーノンはとうとう、自分がペンを探していることを忘れ去り、何やら色んなものを見つけてはテンション高く楽しんでいた。ほとんどが使い道が謎なものばかりだったけど、買った時の気持ちとかも思い出して幸せそうに笑ってる。ただただ平和。
宿舎や事務所の中で、メンバーがそれぞれananでバタバタしてたというのに、ウジはいつも通りに自分のやりたいことをやり、バーノンもいつも通りに自分の気持ちのままに過ごしてた。
まぁ二人とも、アンケートのことは途中で忘れてしまったけれど。
ananがなんでananなんだ......なんてことも気にすることなく。
ananのセックステクニック18に惑わされることもなく。
ただただ天才で、ただただ平和な、ウジとバーノンだった。
数時間後、ウジのところには「ananてパンダのことだから」とわざわざ教えにきてくれたホシがいたし、バーノンの前ではスングァンとディノが二人して「ananにやられるところだった」とかなり盛った話をしていたけれど、まぁそれはまた全然別の、ほんとに別の、まったく別の、おはなし............。
The END
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