バーノンは花粉症かなって症状が出たから病院に行ったら、謎な流行り病にかかってると診断された。
ちゃんとした薬はなく、泣くほど苦い漢方が一番効くとか。でも最近流行ってるからお高いし手に入らないらしい。
そんな医者の説明を、バーノンは興味なさげに聞いていた。
「嘘がつけない流行り病?!」
そう聞いて、「飛沫感染?」とか聞きながらも逃げていく95ラインと、「バーノンらしい」と笑う96ラインと、「どうなったら全快したってことになるんだ?」って言いながら調べ始めた97ラインと、ただただ心配してくれるマンネのディノと。
その横で、やたらニッコニコなスングァンがいた。
「なぁ、俺のこと好きだろ?」
どうやら今なら嘘がつけないんだから、ってことらしい。
「ノーコメント」
そう言ってやったら驚いていた。別に嘘がつけないだけで、答える答えないかは自由だし、黙秘権は行使できるってのに。
でもそのやりとりを見て、「なるほどな。そうだよな」って言いながら95ラインのヒョンたちが戻って来る。そして「スングァンらしい」と96ラインは笑い、「流行り病だとして、感染経路は?」ってまだ何かを解明しようと頑張ってる97ラインと、バーノンがいつも通りで良かったと言ってくれるマンネのディノと。
その横で、脹れっ面したスングァンがいた。
「じゃぁ、俺のこと嫌いじゃないだろ?」
それぐらい答えてくれたっていいじゃん、ってことらしい。
「ノーコメント」
そう言ってやったら泣き真似をしてた。でもヒョンたちに「そんなこと聞かなくたって判るだろ」って怒られてたけど。
でも聞きたい聞きたい。ボノニの口から聞きたいと、スングァンがうるさい。
「じゃぁ何が食べたいか聞いてもいいけど」
「何が食べたい?」
「物凄い辛いカレー」
「............楽しくない」
素直に答えてやったのに、楽しくなかったらしい。
「でもお前と食べに行きたいけど?」
そう言ったらなんでか照れていてご機嫌な様子になっていた。
当然ながら周りのヒョンたちに、「ただ飯を一緒に食うってだけの話だろうが」ってツッコまれていたけれど、スングァンには満足だったんだろう。
辛いカレーはそれほど好きでもないくせに、一緒に行くと嬉しそうだった。
いやでもこんな病にかからなくても、スングァンに嘘なんてついたことはないのに......。
きっとそう言ったらスングァンは舞い上がるほど喜ぶだろうが、聞かれないから黙っておいたけど............。
The END
1030moji