妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

川に続けて3回も落ちる子はバカと言われてもしょうがない

 

ドギョムが川に落ちて、ズタボロに濡れていた。
1回目は皆が驚いて心配もして、後から笑った。
2回目は皆が大爆笑。
3回目は、笑いながらもちょっとだけ、可哀想な子を見る視線も混じったかもしれない。

「え? ヒョン、もしかしなくてもバカなの?」

スングァンが思わずそう口にして、ウォヌが「あぁ、言っちゃた」とか聞こえるように呟いていて。

「バカでしかないでしょ」

ジョンハンが当然のように肯定していた。
まぁ川に続けて3回も落ちる子は、バカと言われてもしょうがない。

そこは広大な自然の中に作られた公園で、雑誌か何かの撮影で集まって、ひと仕事終えた状態だった。流れてる川は人工的に作られたのか、遊具が川の上に作られていたりして、大人だって楽しく遊べるような場所だった。

そこに、絶妙に石が配置されていて、小さな子どもが渡れるものもあれば、わざわざ「自己責任」っていう立て札が建てられた場所もあって。

一番最初にそこに挑戦したのはディエイトで、別段力むこともなく、助走をつけることもなく飛んで、見事に川岸から離れた、1つだけポツンとある石の上へと着地していた。もちろん、同じ場所から華麗に飛んで戻っても来た。

次にそれにチャレンジしたのはホシで、当然のように成功していた。
まぁそりゃそうだろう。いくら「自己責任」っていう立て札があるとは言え、公園の中の一部分にそこまで危険な場所がある訳もない。

きっと全員やればできるんだろうって感じの空気でもあったからか、「じゃぁ次俺~」と楽しそうに言ったのはドギョムで、苦手な高い場所でもなく、怖い場所でもなく、普通に成功すると思ってたのに見事に落ちた。

驚いたのは本人よりも周りにいたメンバーとマネヒョンだろう。何せ落ちた瞬間にはドギョムがその勢いのまま胸辺りまで沈んで、そこが深く作られていると知ったから。

「ドギョマッ」

叫んで落ちたドギョムに手を伸ばして自分も落ちかけたのはジョンハンで、咄嗟にエスクプスがそんなジョンハンを支えて、引き上げかけたドギョムにはミンギュもウォヌも手を伸ばしてと、物凄い救出劇が繰り広げられた感じだった。

「び、びびった......」

そう言ったのは、落ちた本人じゃなくホシで、物凄くポカン顏。
そして当の本人はというと、「俺、落ちた?」とかビショビショなのに疑問形で、それを見てようやく安心したのか、ウジが笑い始めた。

それをきっかけに、一緒になって濡れたジョンハンもエスクプスも、ミンギュもウォヌも笑い始めて、「逆にどうやって落ちたの?」というマンネなディノの疑問に、全員でそうだそうだと言い合ったほど。
試しにジュンが飛んでみて、軽く成功してた。

衣装じゃなくて良かったというマネヒョンの言葉に全員で頷いて、全身着替えてきたドギョムと、上だけ着替えたジョンハンと、放っとけば乾くだろって言ってたエスクプスと。

はなしはそこで終わるはずだったのに、「俺もやってみる」とディノが言い出して、思わずウォヌとホシが万が一にも落ちてもいいようにと助ける準備万端で臨んだのに、ディノもまたあっさりと成功してた。

「え、俺ほんと、なんだったの?」

そう言って、なんでか二度目の挑戦をするというドギョムに、ジョシュアが「やめとけよ。危ないだろ」って真剣な顔して止めたっていうのに、あんまりにも皆が軽く飛んで成功させるもんだから......。

「いや、俺今度はちょっと助走つけてみようかな」

とか言って、ドギョムが飛んだ。
そして当然のように落ちた。
助走をつけすぎて石を飛び越えて落ちた......というのならまだ理解するけれど、落ちたのはさっきと同じ場所で、「ドギョマッ」と叫んで今度も一番に手を伸ばしたのはジョンハンで、近くにいたジョシュアとバーノンまでもが手を伸ばして、またしても一緒に濡れていた............。

今度は慣れてきたのかウジが最初から大爆笑してて、スングァンも倒れ込む勢いで笑ってた。

「ヤー。お前二度も落ちるかよ」

そう言ってちょっと怒ってたのはエスクプスで、それ以外の面々はやっぱり笑ってたってのに、「ぅえ? 俺なんで落ちるの?」とこれまた本人だけが不思議顏。

「自分が思ってる以上に飛んでないんだよ」

一人冷静に分析したのはディエイトで、目の前の着地点の石の面積がそれほど大きくないのもあって、実際の距離と、頭の中での目測が間違ってて、さらには石の向こう側も水があることに気持ち少しだけ委縮した結果、全然ジャンプが足りないんだ......という冷静な説明に、思わず全員で「おぉ~」となったけど、肝心なドギョムは二度目の着替えに出ていて、それを聞いていなかった。

今度はジョンハンも丸ごと着替えてたし、ドギョムはパンツまで濡れたけどもう自分の分のパンツはなくて、なんでかバーノンのパンツを借りていた。

さすがに人のパンツまで借りるにいたっては、もうこれ以上は飛ばないだろう......という予想を覆し、ドギョムは飛んだ。そして落ちた。 

戻って来たドギョムに、ディエイトが言っていたことを意気揚々とスングァンが語ったのが原因だったけど、スングァンの説明はディエイトほど明確じゃなかったんだろう。

でも地面がある場所で、地面がある場所と石の場所を書いて、ここで練習してからジャンプしたらいいよというスングァンの説明に「おぉ、スングァナ賢いじゃん」とテンションあがったのはドギョムで、練習した結果は全然余裕で飛べていた。

「いや、もうやめとけって」と、今度もジョシュアは止めた。
「ドギョマ。次落ちたらお前は置いて帰るからな」と、エスクプスも言った。
「俺はもう助けないからな」と、ジョンハンまでもがそんなことを言う。まぁ一緒に丸ごと着替えさせられれば、それぐらいは言うかもしれない。

これが怖さがつきまとっていれば、ドギョムだってそんなチャレンジはしなかっただろうが、怖くはなかったんだろう。

「俺、落ちる方」ボソリと言ったのはウジで。
「俺も」ウォヌもそっちに乗っかった。
「三度目の正直」と言ったのはミンギュで。
「うん、さすがに一日三度も川に落ちる人はいないでしょ」と飛べる方に乗ったのはディノ。
「二度あることは、三度あるっていうよね」と言ったのはディエイトで。
「まぁ、落ちるだろうな」と言ったのはジュン。
「飛べる」信じるように言ったのはバーノン。
「いや、飛べないとまずいでしょ」もうすでに呆れていたのはスングァンで。

とりあえず飲み物を賭けた面々だったけど、ドギョムは華麗に飛んで、当然のように三度目も落ちて、もう助けないと言ってたはずのジョンハンが、三度目だというのに「ドギョマッ」と叫びながらやっぱり一番に手を出していた。

ジョンハンの株はあがったかもしれない。
ドギョムの株は、さがったかもしれないが、「もともとそんなに高くないだろ」とかディエイトに冷たいことを言われてた。
ミンギュとディノとバーノンとスングァンが、皆にコーヒーやらイチゴ牛乳やらコーラやらを買っていて、「次は昼飯賭けようぜ」とかウジが言い出していたけれど、「お前もう本気で次やったら、捨てて帰るからな」と真剣に怒り始めたエスクプスがいたから四度目はなかった。何せ「もう着替えないですよ」とマネヒョンも言っていたし。

でも最後まで、ドギョムは真顔で「なんで俺落ちるの?」って言っていたけど............。
帰りの移動車の中、久しぶりにドギョムはジョンハンからバカな子呼ばわりをされていたけれど、まぁ、川に続けて3回も落ちる子は、バカと言われてもしょうがないだろう............。

 

The END
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