妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

君よ、恙無きや

 

永遠なんて、ありえない。
ずっと一緒にって言葉だって、きっと三年も経てば色褪せる。

そう思ってることを隠しもしないウォヌの横には、もう何年も、ミンギュが変わらずに居続けている。

好きだとか、好きじゃないだとか。
これは愛だとか、愛じゃないだとか。
そんなことを言い合いながらも、「いいよ。俺が証明するだけだから。一年後も、二年後も、三年後も。ずっとずっと、俺が一緒にいるんだから」というミンギュの言葉すら信じなかったウォヌの横には、本当にずっと、キムミンギュがいる。

「なぁ」
「お?」
「ミンギュはさ、俺の、どこが好きなの?」
「............いや、俺が知るかよ」

ウジの作業室の中、ウォヌがウジに問いかける。まぁ、ウジには判らないだろう。本人じゃないし。

「じゃぁさ」
「ぉお」
「俺はさ、ミンギュのことが、ちゃんと好きなの?」
「............いや、だから、俺が知るかよ」

まぁそうだろう。それこそ自分自身に聞いてくれって感じ。
ウジの作業室にはウォヌも来るけど、ミンギュだって来る。そして同じようなことを言ってたりする。

「ウジヒョン」
「お?」
「ウジヒョンのこと、物凄い好きだけど......」
「おぉ」
「なんでウォヌヒョンのことが、こんなに特別なの?」
「............いや、俺が知るかよ」

謎に比較されても困る。ウジが何かを答えてくれると思ってるのかも謎だが、ミンギュが次々と、「スンチョリヒョンも好きだし、ハニヒョンも好きだし、シュアヒョンも好きなんだけど。なんでか、ウォヌヒョンだけは、特別なんだよ。なんでだと思う?」とか、真面目な顔して聞いてくる。
顔はイイのに、頭はそれほどなのかもしれない......と、残念な弟を無視してたウジの横で、ウォヌがなんで自分にとっての特別なのか......を、真剣に悩んでるミンギュがいた。

でもそれはもう、大分昔の話。まだセブチがデビュー前の話だから、ほんとにほんとに、大分昔の話。
今はもう、お互いの気持ちだって判ってて、落ち着いた雰囲気だって醸し出しているというのに、でも時々は今でも、二人はそれぞれにウジの作業室にやってくる。

「なぁ」
「お?」
「ミンギュがさ、まだ、俺のこと好きだって言うんだけど、気持ちってさ、普通はさ、少しずつ落ち着くというか、消えていくというか、平坦になっていくもんじゃないの? なんでいつまでも、こんなにドキドキすんの?」
「............いや、俺が知るかよ」

もう真夜中も過ぎてる時間帯。ウジはまだ作業室で働いている。頭の中には次の次の曲ぐらいが流れてて、あとちょっとでたどり着けそうな微妙な感じのところで頑張っているっていうのに、眠れないからってやってきたウォヌが、真面目な顔してそんなことを言う。いやでもそれは、ただの惚気でしかないんだけど......。

「ねぇウジヒョン」
「あ?」
「ウォヌヒョンがさ、なんだか年々可愛くなるんだけど、凄くない?」
「ぁあ? 俺が知るかよ」

ちょっとキレぎみなウジがいた。まぁそうだろう。もうすぐ朝っていう時間の作業室。ウジはまだ働いていて、ついさっきまではウォヌが座っていたソファに今度はミンギュが座ってて、「ウォヌヒョンがカワイイんだけど」ってうるさいから。

「なに? ウジヒョン機嫌悪いの?」

ミンギュがちょっとだけ驚いていたけれど、ウジにしてみれば、仕事の邪魔はされるわ自分に聞かれても困ることばかり言われるわ。たまったもんじゃないだろう。

「もうすぐ俺の誕生日じゃん? プレゼントは何がいい? って、あいつが聞いてくるんだけど、別に俺はプレゼントなんて欲しいとか思ってる訳じゃないけど、今回は特別なものを送りたいってあいつが言うから」

ウォヌが自分の誕生日プレゼントで悩んでた。いや、知らねぇし。

「もうすぐウォヌヒョンの誕生日じゃん? 今回は特別なものを送りたいって言ってるんだけど、ウォヌヒョン、真剣に考えてくれるかな? そういう、意味のあるものって重たいかな? いやでも、それとは別のプレゼントだって、ちゃんと用意する予定なんだけど、重たすぎるかな?」

ミンギュがウォヌの誕生日プレゼントのことで悩んでた。いや、知らねぇし。

ウジの迷惑も顧みず、ウォヌの誕生日まではそんな日々が続きそうだった。何せ二人とも、ウジのまともな回答なんて、最初から期待してないから。なんとなく、気持ちを吐き出したいだけだから。

「一緒に、いてくれるだけでいいんだけど」
「一緒に、これからもいさせてくれるだけでいいんだけど」

結局二人とも、同じようなことを言っていた。
それを知ってるのはウジだけだったけど、もちろんウジがそれをそれぞれに伝えることなんてしないし、誰かに言ったりもしないから、それはウジ以外、誰も知らないはなし。

まぁでもウジの頭の中で咀嚼されて、それはいつか、何かの曲に反映されるかもしれないけれど............。

 

The END
2017moji