妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

処理能力が高い親子 feat.愛のバカヤロー

注意......

日頃から妄想を書いてますが、さらに妄想となっておりますので、ご注意ください。

ウォヌ(社会人)とミンギュ(高校生)の、兄弟?設定です。

それでも良ければどうぞ............ 

sevmin.hateblo.jp

 

処理能力が高い親子 feat.愛のバカヤロー

起きるには早すぎる朝に、ウォヌは目が覚めた。

15センチも離れてない距離にはミンギュが当然のように寝てて、上半身裸だった。布団をめくってないので判らないが、下半身はそうじゃないはずと信じたい。

着た記憶はないけれど、自分はパジャマの上は着ていた。地味にデカいから、多分ミンギュのだろう。

いや、どうせ着させてくれるなら、自分のを着させたりしないで、なんでちゃんとウォヌのを着させてくれないのか......と思わなくもないけれど、ミンギュは見た目よりも大人に見えて、そういう所で子どもっぽいところがあるというか、自分にもウォヌにも、または二人のことを知らない周囲の人に対しても、ウォヌは自分のものアピールをしたがるところがある。

その手のことを、自分が特に気にしない性格で良かったと、ウォヌはしみじみ思うことがある。
まぁだからこそ、最初に押し倒された時から今まで、続いているとも言うけれど。

ミンギュとは、ウォヌの父親とミンギュの母親が再婚したことで家族になった。
家でも滅多に顔をあわせない父親から、外での食事に誘われて行ってみれば、そこにミンギュの母親と、学生服姿のミンギュもいたのが、最初だった。

父親は大学で物理学を教えていて、少し世俗から離れた感じの人だった。まぁしかし、親戚からはウォヌは父親に良く似てると言われるから、似たもの親子ではあるかもしれない。

再婚相手と紹介されて、ウォヌはちょっとだけ固まった。父親と、ミンギュの母親と、ミンギュをマジマジと見回してしまったから、きっと気分は良くなかっただろう。でも黙ってる訳にはいかなかった。

「父さん............、いつ母さんと離婚したの?」

ミンギュの母親の笑顔が固まっていたし、ミンギュも口を開けて驚いていた中、父親だけが「ん?」って顔をしてたはず。

確かにウォヌが高校を卒業する頃には母親はもう家にはいなかったし、年一、ウォヌの誕生祝いに絵葉書が届く以外は特に連絡はないし、その絵葉書すら年一届くだけで決してウォヌの誕生日にあわせて届く訳でもない。

地質学者の母親は、フィールドワークに忙しく、海外を飛び回ってる。
時折学会とかで帰国してるのも知ってるけれど、息子に会う暇はないようだった。
ただ父親と母親が離婚するとか、したいとか、したとかって話題は聞いたことがない。

父親は「そうか。うーん、そうか」としか言わず、ウォヌも「うん、まぁ、多分だけど」としか言わず。

多分その場で一番最初に復活したのはミンギュの母親で、洋服とかファッション系の雑誌の編集長をしているというバリバリな感じの人が、現実問題を片付けるには一番適任だったんだろう。

テキパキもしてたし、押しも強かったかもしれないけれど、決して嫌な感じではなかった。ズバリと「お母さまに、聞いてみましょう」と言われても、別段どんな感情も湧き上がってきたりはしなかったから。

「うん。そうだな」
「あぁ、そうだね」

父親もウォヌも納得はしたが、二人して母親の連絡先なんて知らなかったという体たらく。

「最後の絵葉書はジンバブエから来てたけど」

ウォヌのその情報も、実際にはなんの役にも立たなかった。
いやしかし言い訳ではないけれど、母親だってきっとウォヌの連絡先は知らないだろう。
連絡事項がある時は、昔電報が来ていた。
最近では母親の研究室のスタッフから普通に連絡が来るけれど、大抵は家に置いてある資料についての問い合わせで、それも父親が面倒だからと勝手に合鍵を渡してしまったはずだった。

メニューも見ずに、注文もしてないのに料理を待つ父親と、メニューを見ながらも、味が想像できなくて何にするか決めかねているウォヌを前に、料理の説明をしてくれたのはミンギュだったし、その間にも母親の研究室に連絡して母親の所在と連絡先を突き止めてその場で電話をかけだしたのはミンギュの母親だったし............。

あぁ、処理能力が高いんだな............。
それがミンギュ親子に対するウォヌの印象だったかもしれない。

後から笑いながら、ミンギュが「普通は美男美女が第一印象って言われるんだけどな」とか言っていたけれど、「そう言えば男前だな......」と言えば、さらに笑われた。

フランス領ポリネシアにいるという母親は、父親とウォヌが食事をはじめる頃には捕まった。時差については、よく判らないけれど、ミンギュが「大丈夫」と言っていたから大丈夫だったんだろう。

ミンギュの母親がスピーカーフォンにしてくれたから、久しぶりに母親の声を聞いたけれど、別段心が震えるほどの感動......なんてものもなかった。

「あぁ、再婚? それはおめでと。悪いけど、ヘリが出るから。風待ちだったの。じゃ」

よくこの父親と母親との間で自分が生まれたもんだと思うほど、あっさりしたものだった。結局離婚できてないという事実は、多分母親も気づいてないか忘れてるか気にしてないんだろう。

でも母親がおめでとうと言ってくれたから、何も問題ないとばかりに全員でシャンパンを飲んだんだけれども、ミンギュが学生服だったな......と気づいたのは大分後になってからだった。

多分父親と母親の離婚の手続きは、ミンギュの母親がしたんだろう。
気づけば父親は再婚してた。

家を出たのは当然と言えば当然だったんだけれども、まさかミンギュまでもが家を出るとは思わなかった。しかも一緒に住むつもりでいたとは。さらにはそういうつもりでいたとは.........。

引っ越しの手伝いをすると言ってついてきたミンギュは、ウォヌが知らぬ間に自分の荷物を運びこんでいた。しかもウォヌが家から持ってくるつもりだったベッドの変わりに、二人で寝ても十分なダブルベッドを注文して手配していたし。

そのベッドが幾らするのか............。実は家に遊びにきたクプスヒョンが「これ、高いんじゃねぇの?」と口にするまで気にしたこともなかった。思えば高校生のミンギュが買えるような代物ではないだろう。

遅まきながら、「このベッドって幾らした?」と聞いてみれば、逆に「今さら?」と驚かれたけれど、結局金額は教えてくれなかった。まぁでも、独り立ちの前祝で母親のカードを使わせてもらったというから、別にいいのかもしれない。

「ふーん」

そんな言葉で流せば、ミンギュに笑われた。まぁそのまま抱き着かれて押し倒されたけど。

 

The END
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