妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

PSYCHO

醜い世界を描いても......

ムンジュンフィの見せてくれる世界はキレイだ。そんな気がする。


JUN 'PSYCHO' Official MV

PSYCHO

ワンルームで窓の開かない部屋。
簡易シャワーと一体型だけどトイレがあって、そこにドアがついてるなら全然マシだと、語学学校の先輩が言ってた。
ディエイトは韓国に来てまだ半年だから、そんなもんかと思ってた。
同胞は山といる。いざとなったら頼りなさいと親に言われた遠い親戚だっている。だけど誰にも頼らずに暮らそうと強い決意を固めてた。
同じ国の友達とばかり固まってたら、言葉だって覚えられないし......。
そう思ってたのに、不意に知り合いができた。そして友達になるまで、時間はかからなかった。
隣人は普通に生きるのがアホらしくなるぐらい男前だったけど、アイドルの練習生とかでもなく、動物のお医者さんを目指しているらしい。
「吠えちゃダメだよ。お利口さんにお留守番しててね」
ある日ディエイトが出かけようとすると、隣りのドアもちょうど開いて、そんな声が聞こえてきた。
だから思わずその男前の見た目に驚くよりも早く、「犬飼ってるの? 動物ってOKだった?」と言ってしまった。しかも母国語で。
犬への言葉は韓国語だったというのに、「飼ってないよ。イメージトレーニングだよ」と母国語で返ってきて驚いた。韓国語が流暢だっただけに。
でもそんなことよりも、「なんのイメージトレーニングだよ」と笑ってしまった。いつか、犬を飼いたいんだろうかって。
ジュンは、韓国語の練習のためだよ。と教えてくれた。なるほど、それはそうかもとちょっとだけ納得したし、動物のお医者さんを目指してるとも聞いて、それは本当にいつか役立ちそうだとも思ってたから。
でもイメージトレーニングの犬には名前もちゃんとあった。
「ミンギュって言うんだ」
そう言って紹介されたけど、当然そこに犬なんていなかった。
なんで友達にまでなれたかというと、韓国の店で1人飯を断られることが多かったからかもしれない。
空いてたのに週末だからと断られたその店には、懐かしい食べ物があったから、少しだけ立ち去るまでに時間がかかった。
「あ、飯? 良かったら俺と食べる?」
そんな時にたまたま遭遇してそう言われて頷いたのが最初だった。
それから時々、顔をあわせたらお互い見つけた美味しいご飯屋さんの話をして、週末にはあちこちの店に行った。
同胞なのにお互い韓国語しか話さなくて、お互いの部屋にも行ったことはない。電話番号も交換してない。それでも約束した日にドンピシャでお互い玄関のドアを開けられるのは、それだけ壁が薄いってことだろう。
一緒に街を歩くと、1日1回は必ずどこかの会社の名刺を貰ってた。見知らぬお姉さんどころかお兄さんからも声をかけられる。それをペラペラなくせにカタコトの韓国語で、時にはまるっと中国語で弾きながら、ジュンは気にした風もなく歩いてる。
「その顔なら、どんな仕事でも選びたい放題じゃん」
そう言ったら、「この顔が役に立たないから、動物の医者になりたいんじゃん」と笑ってた。
そんなジュンと一緒に暮らすことになったのは、これまた幻の犬のミンギュのせいだった。
ディエイトとは反対側に住む人もまた、ジュンが犬に向かって「待て。今日もお利口さんにな。部屋であんまり暴れないように」と言ってるのを聞いたらしい。そして当然のように管理会社に訴えられ、あっさり退去命令が出たとジュンは笑ってた。
本当なら「犬を飼ってるのか」と問合せぐらいはされるはずなのに、住んでるのが異国の人間だからかもしれない。
「どうせイメージトレーニングなら、犬じゃなくて猫にしたら良かったのに」
そう言えば、ジュンは笑って「黒猫も飼ってるよ。ウォヌって言うんだ」と紹介してくれた。
ちょっと痛いな......とは思いはしたものの、別段ディエイトに迷惑がかかることでもない。
「それで、どうするの? 次の住む場所」
そう聞けば宛はあるという。少し前からもう少し広くて窓が開けられる部屋を探していたとも。
「でも2人用なんだ。だから......」
すぐに頷いた訳じゃない。見てから決めるとちゃんと言った。でも思った以上に間取りもよくて、自分の部屋にして良いって言われた空間も気に入って、共有スペースは本当に半分こにしてくれるとも言うし、なにより洗濯物が干せる場所がちゃんとあった。
しかも家賃はこれまでとほぼ一緒で......。
だからディエイトは、「ちょっとだけ考えさせて」と言った5秒後ぐらいには、「引っ越しっていつ?」と聞いたぐらいだった。
2人の決まり事は少なかった。
家の中でも韓国語で話すこと。お互いの部屋には入らないこと。玄関のドアを開けながらミンギュには二度と話しかけないこと。リアルなペットは飼わないこと。
「まぁ見えないペットなら、邪魔にならなくていいけど」
呟くようにディエイトが言えば、「あ、1個だけ、ちゃんと見えてるペットもいるよ」とジュンが言う。
それならきっと金魚とか、そういうもんなんだろうと思ったら、それは石だった。
「石?」
「うん。流行ってるらしいよ。石」
「嘘でしょ?」
「いやほんと。まぁでも流行りに乗った訳じゃないけど」
イメージトレーニングがまだまだできない頃にはその石に話しかけていたらしい。名前はドギョムだと紹介された。紹介されたとて............。
「まぁいいけど、邪魔になりそうにないし。もう他には変なのないでしょ?」
ディエイトが聞くのにジュンは笑って答えなかったけど、2人が暮らす家の中にはウサギがいたり、ハムスターがいたり、後から気づけば結構色んなものと暮らしてた。
まぁいいけど。全部幻だから。
日当たりの良い場所に、時々ジュンは小さなお皿に乗せた石を置く。日光浴のつもりかもしれない。でもその石がいつだってお皿の真ん中になかった。それに気づいてしまえば、聞かずに我慢することもできなかった。
「ねぇ、前から思ってたけど、石の横には何があるの?」
「あぁそれ? みかん」
「は?」
貰ったんだという。韓国にはじめて着いたその日に見知らぬ人から。バス停で偶然出会った子に「絶対芸能人か練習生だ」と言われて、一緒に写真を撮ってほしいと頼まれて、韓国ってそういう国なのかと何も理解せずに写真を撮った。そしてお礼が、「いつか本物をあげるけど」って言われて、幻みかんを差し出され、それをジュンは受け取ったらしい。
もしかしなくても、そこからジュンの見えないペットたちがはじまったのかもしれない。
知れば知るほど......。
「言っとくけど、色々諸々知ってたら、俺一緒に住んでなかったかもしれないよ?」
思わずそう言うディエイトに、ジュンは楽しそうに笑うばかりだった。
「顔が良いのに騙されて、みんななかなか気づかないかもしれないけど、ジュニヒョン結構PSYCHOだからね。外では気をつけてよね」
ディエイトが注意するのにも笑ってる。
あぁでも一緒の家に虎やキリンもいるとディエイトが知るのは、まだまだ後だったけど......。
珍しく酔ったジュンが全員の名前を順番に呼びだして、「いや長いわ、いつ終わるの? うちそんなに大家族なの?」とディエイトがツッコむのも、まだ先のはなしだし............。

TheEND
2903moji

 

etc......

ジュンさんは、ハオちゃんとは全然違う世界を見せてくれるんだよな。うむ......。


[SPECIAL VIDEO] JUN - ‘PSYCHO’ (Performance Ver.)


[Choreography Video] 준 (JUN) - PSYCHO (Moving Ver.)


[Choreography Video] 준 (JUN) - PSYCHO (Fix ver.)


[INSIDE SEVENTEEN] JUN ‘PSYCHO’ MV BEHIND