妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

社内恋愛が生まれる世界線6

注意......

続きものだけど、別に前を読まなくても読めるかも。
そしてはじめに諸々書くのが面倒になってきたので、contentsを作った。

sevmin.hateblo.jp

 

社内恋愛が生まれる世界線6

エスクプスがはたと気づいたみたいな顔をして、「なぁ、シュアがイソクミンと付き合ってるって噂、知ってた?」と聞いてきた時、ジョンハンは「噂じゃなくて事実の方を知ってるけど」と澄ました顔で言った。
「なぁ、ホシとウジが一緒に暮らし始めて、それがルームシェアじゃなくて同棲だって知ってた?」と聞いてきた時、ジョンハンは「まぁ知ってる。ホシはウジの両親に挨拶もしたことも」とまたしても済まして言ってしまった。
『なんでお前が知っていて俺が知らないんだよ』的なキレ方でもするのかなって思ってたら、「俺らが先頭ぶっちぎってるつもりだったのに」とか言い出した。
恋愛なんてそれぞれのペースでするものだから、人と比べたって意味はない。そんなことは判ってても、言いたくなる気持ちも判る。
「だな。でも社内でヤったことあるのは俺らだけだと思う」
ジョンハンが自慢気に言えば、エスクプスは怒るでも恥ずかしがるでもなく、「そこだけか......」とか言うから、本気で悔しいのかもしれない。
「いや、そこ自慢するところじゃないから」と冷静にツッコむ人間(ジョシュア)は当然、いなかった。
「あ、でも。それもすぐに俺らだけじゃなくなりそう」
ジョンハンが思い出したようにそう言う。エスクプスが「なんで?」と聞けば、「だってボイラー室にベッドあるってシュアが言ってたもん。あるなら絶対するだろ? 当然」とジョンハンが言うのに、エスクプスは真面目に「絶対するな」と頷いていた。
「いや、お前らとは違うから」と、頭を抱える人間(ジョシュア)は当然、いなかった。
最近ホシは仕事で目覚ましい。ウジという相方を得て、働き方のコツでも掴んだのかもしれないし、それこそ気持ちの問題なのかもしれない。
そして雑用とも言えない仕事ばかりを押し付けられていたドギョムのことを、案外お人よしで面倒見の良いジョシュアが育てはじめたことも知っている。だからきっとそれなりに頭角をあらわすような気もする。ジョシュアはあぁ見えて的確だから。
でもそのことはジョンハンは黙ってた。言ったらますますエスクプスが動揺しそうだったから。
競うようなものでもない。勝ち負けでもない。どっちが先か後かの問題でもなくて、言ってみればこれは、よそはよそ、うちはうち......ってことだろう。
でもそういうのも嫌いじゃない。ジョンハンはそういうタイプだった。そしてエスクプスもまた負けず嫌いだった。
ベタベタするのも好きだし、ベタベタしないのも好きだし。ただ一緒に飯を食べるだけなのも好きだし、ただただ夜をともにするだけでも好きだし。
その同じベクトルで2人とも仕事も好きだった。やっぱりそれは負けず嫌いだからかもしれない。
まぁでも俺らを超すのは難しいだろ。油断ならないのはシュアんとこだけな気がする。ジョンハンが冷静にそう思ってる間、エスクプスも似たようなことを考えていた。全然違うベクトルだったけど。
まぁでも俺らを超すのは難しいだろう。油断ならないのはミンギュんとこだけな気がする。あいつは持久力がありそうだから......って。

会社の中では当然ながら2人で一緒にいることなんてほとんどない。
ジョンハンがエスクプスを見かけたのは2度ぐらい。カトクは山ほど届くけど、仕事だってちゃんとしているようで、同僚たちと話す姿はただただ男前だった。
だから「仕事してるお前、男前だな」ってカトクを送ったら、それを見た瞬間見せた笑顔が、物凄いど真ん中に来た。
それをジョシュアに言ったら、「いや、仕事中に何やってんだよ」と言われたけど。
いやでも、声が好きだなとか、手が好きだなとか、顔だな、目だな、表情だな、いややっぱり声だなとか。そういうのがグルグルする。
そう言えば、「お前は女子中学生か」とバカにされたけど。
仕事中にも、資料の中にエスクプスの文字を見つけるだけで、それをなぞってる自分の指に不意に気づく時がある。そう言えば、「仕事しろ仕事」と言われたけれど、日常含め、仕事にまで踏み込まれても嫌じゃないどころか、心地よいことに驚く。
「ハニヒョンごめん、トラブった」
夕飯には何かを食べに行こうとエスクプスと言っていたのに、珍しくウジが謝ってきた。
ウジと仕事をするのが楽だと思うのは、言い訳も無駄な説明もせずに、伝えたいことを明確に伝えて来るところかもしれない。
「変更が入ってたのに、なんでか途中から前の要件定義書で動いてた?」
だからジョンハンはすぐに全体を理解して、「バカばっかだな」と酷いことを言う。
でもまぁ、ミスをしない人間はいないし。どこにでもまさかの坂は転がっている。それがまた楽しくもある。
「よし、俺が動くぞ」
ウジにそう言いながら、エスクプスには「飯は無理そう」とカトクを打つ。
「全部自分でやれば良かった......」
確認をするだけで防げるようなことが、時々起こる。そのたびにウジはそう言う。
ある程度のミスもトラブルも仕方ないと許容しているジョンハンと違い、ウジの仕事は1人では確かに完璧に近いからだろう。
自分のところにあった時には完璧だった仕事が、自分の手を離れていくごとに崩れていくのは許しがたいのかもしれない。
ミスは単純で複雑だった。
担当者が体調不良で途中交代した時に、ちゃんとした引継ぎができてないまま、誰もそれに気づかずに大分仕事が進んでから発覚したとか。
「頭下げるなら、俺も一緒に行ってやろうか?」
途中エスクプスがそう言いながら様子を見に来たけど、余裕綽々なジョンハンを見て必要ないと思ったんだろう。「残業しがてら待ってる」と言って去ってった。
でも頭を下げるのは早くても明日だろう。それまでにできる限りのリカバリをして整えて、現場の担当者の話を聞いて確認して。そんなこんなで時間はあっという間に過ぎていく。
関わった人間たちが集まって来て、少しずつ綻びたそれらを直してく。
ホシが途中大量に差し入れを持ってきたけれど、「財布はクプスヒョンだから」と言っていた。
頭も下げに行ったし、現場にも介入したし、エスクプスの財布は盛大に当てにしたし、自分のミスをリカバリした訳でもないから、当然ジョンハンの評判はあがるし。
だから久しぶりにエスクプスとゆっくり時間をとれた時に一番に言ったのが、「いや冷静に考えても俺らがやっぱり一番じゃない?」だった。
「なんだよ急に」
そう言いながらもエスクプスだってまんざらでもないのか、喜んでいる。
「だって俺、攻守どっちも行けるじゃん。俺が攻めに出る時はお前が後ろ守ってくれてる感じ。お前が前に出るなら俺が守るし。そういうの、俺らだけな気がする」
きっと得意分野も違うかもしれない。そういう意味では色んな攻め方ができるとも言う。
「あ、そういう意味でも、俺らリバってみる?」
ジョンハンがそう言いながらエスクプスを押し倒そうとする。
エスクプスは笑って「本気なら考えるけど?」って言いながら、ジョンハンの身体を引っ張りながら押し倒された。
でもそのまま「やっぱいいわ。疲れるし」とジョンハンはあっさり興味を失って、エスクウスの動くその手を堪能しはじめた。
ちゃんと現実を生きているから仕事は当然のように2人の人生についてまわる。それを2人とも、うまく乗りこなせている方だと思ってて、プライベートも充実してる。
時々は忙しすぎてセックスもできないけれど、どんなに疲れててもセックスしたい時に抱き合える距離にいて、自分が思ってる以上のものを相手が与えてくれているとお互いが思ってる。
そしてそんな自分たちが最上だとも思ってるから。

The END
3094moji