2人の距離は近い。まぁ一緒に暮らしてるし、同じベッドで寝てるし。時々は抱き合ったまま朝を迎えるし。
これはもう愛だな......とミンギュは思ってて、きっとウォヌだってそう思ってる。はずなんだけど......。
月に一度のセブチの集まりで、結構酒が入ってた時、ミンギュが愚痴ってた。
「ウォヌヒョンが一緒に寝てくれない」って。
弟たちはもうほとんど酔っているから何も問題ない。
飲んでないウジはその手の話題は聞いちゃいないし、自分が話題になってるのに、ウォヌも結構飲んでるからか、ただ曖昧に笑ってた。
「お? なんでだよ。お前どうせしつこくしたんだろ」
完全に酔ってて話した内容なんて全部忘れるくせに、ホシがそんなことを言う。
「いや全然。こないだ、トイレ行く夢見たから、俺そのうち漏らしそうって言ったら、次の日から別々に寝るって一緒に寝てくれなくなった」
ミンギュのその発言にみんなが笑う。
バカっぽいやら、お前らしいやら、あちこちから失礼なヤジが飛ぶ。
「お前さ。それ、実はもう漏らしてんじゃないの? お前が気づいてないだけで。だから避けられてんだよ」
頭なんて回ってないくせに、やっぱりホシがそんなことを言う。
思わずミンギュが「え?」となるなか、それこそミンギュっぽいとか、お前ならやってそうとか、やっぱり失礼なヤジが飛ぶ。
「え、嘘。そんなことないよね? ウォヌヒョン、俺もうやっちゃった?」
結構真剣にそう聞いたのに、肝心のウォヌはもう酔っていて、曖昧に笑ってるだけだった。
その後、同じ話題が続いた記憶もない。だけど店から出た時に2人で同じタクシーに乗った。そりゃそうだろう。同じ家に帰るんだから。
「帰ったらシャワーする?」って聞けば、「起きてから入る」ってウォヌはちゃんと答えたけどやっぱり眠そうだった。
だから酔いの助けも借りて「一緒に寝る?」って小声で聞いたのに、「別々」って答えられて凹む。
帰りついた2人の暮らす家。本当に自分の部屋に入って行こうとするから、「なんだよウォヌヒョン、何かあるならちゃんと言ってよ」って言えば、「え? 何もないけど」とウォヌが言う。
「じゃぁなんで別々なんだよ」
そう聞けば、「だってもうすぐツアーでホテル暮らしになるし、一人寝に慣れとこうと思って」と言ったウォヌが、ミンギュの返事も聞かずに部屋に消えてった。
なにその理由............。1人取り残されたその場所で、誰も見てないのに照れていたミンギュがいた。それこそ酔ってたからかも。
離れて寝てたって、2人の距離は近い。そう思ってニヤニヤしながら寝たのに、朝起きてその話題をしたら「え、俺そんなこと言った?」とか言うウォヌがいたけど............。
まぁウォヌだって酔っていたんだろう。
そして酔った次の日に、ほとんどの話題は覚えてないはずのホシが中途半端に覚えてて、「ミンギュが漏らしたらしい」とか言い出してミンギュのことを怒らせていたけど、まぁみんなは笑ってた。
The END
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