このおはなしについて......
やっとMYMY2が終わったというのに、うっかりはじめてしまったMYMY3。
いやでも、MVのあのプールのおはなしが、いつか書きたいとは思っていたのですよ。
すでにこれまで長くお付き合いしてくださってきた方々は、気にせず読んでくださいませ。
そして残念ながらMYMY3からMYMYに触れる方は、続きものではないつもりですが、いやでも、頑張って「MYMY」を過去から読んでから、MYMY3に入った方が楽しい気がしないでもない<(_ _)>（←土下座しておくけどｗｗｗ）
ということで、「MYMY」contentsページです。
空に浮かぶプールサイド -MYMY 3-
スングァンが足を怪我してたから、船はいつもより高い場所を飛んでいた。空の上で、雲を大分下に見下ろしながら。
「わぁ、クプスヒョン、プールだ、あれプールだよ」
本物ははじめて見ると、ディノが船の上でどこかを指差していて騒いでた。
珍しくもウジが船の上にいなかった時で、「寝惚けてんのか？」と言いながら、呼ばれたエスクプスがディノの指差す方を見れば、本当にそこにはプールがあった。
でも、水は溜まってなかったけど。
ウジはあれから、ホシの側から離れない。
ケガをしたと言ったって、スングァンよりも、船から飛び降りたウジよりも、ホシの方が全然元気だったっていうのに。
操縦席にいたのはミンギュで、これまた珍しくジュンもいなかった。
ディエイトは大丈夫だと言ったけど、骨を折ってたって大丈夫と言う奴だからと、ジュンもまたディエイトの側にいたから。
それからジョンハンは、なんでかジョシュアの側にいる。時々はディノの側にも。
エスクプスが何度、「いやそこは俺の側だろ？」って言ったって、「お前はずっと俺と一緒にいただろ」とか言って、ジョシュアとディノの側にばかりいる。
まぁ気持ちは判るけど、「今だけだかんな」と文句を言うのは忘れない。
それに比べてウォヌとミンギュはいつも通りだった。
だから「お前らはいいのか？ 一緒にいなくて」って聞けば、ミンギュに「俺らは何も変わってないし、いつも通りだよ」と普通に言われただけなのに、なんでか負けた気がして悔しかった。
それから一番大変な目にあったのに、案外元気だったのはスングァンで、動けない身体を気遣ってくれるバーノンの態度が嬉しくて堪らないのか、外に行きたいだとか、トイレも行きたいだとか、船の中に戻りたいとか、お腹が空いたかもとか。ここぞとばかりに我が儘を言っている。
でもスングァンが言う我が儘のほとんどは全然我が儘じゃなくて、「クプスや、今度地上に降りたら、結構見た目ゴージャスな、でも重たくない敷物買ってきて」とかジョンハンが言うから、すかさずスングァンに、「ほら、我が儘ってこういう感じだぞ？ ハニのはもう我が儘を通り越して横暴だけどな」と教えてやる。
空の上は、そんな感じでおおむね平和だった。
そんな時に見つけたその場所は、本当にプールだった。でも水はなくて、それからプールとプールサイドしかない場所だった。
近づけば船を停めるための場所が広がった。だからそこは、誰かのための場所だったのかもしれない。でもプールは長く使われてなかったのか、掃除してからじゃないと使えないようにも見えた。
船がプールとプールサイドに目の前に迫る。
「俺が様子を見てくるから、ディノや、中の奴らを集めとけ」
何もないとは思うけど、何かあったら困るからそう言ったのに、「え？ なに？ クプスヒョン何か言った？」って言ったディノはもうプールサイドに立っていた。
「ヤーッ！」
怒ろうとしてそう叫ぶエスクプスの横を、「ボノナ、早く早く、俺も俺も」と言うスングァンに肩を貸しながらバーノンが通り過ぎていく。
船の中からは、「クプスヒョン、船をちゃんと停泊させるから、アンカー固定してきてよ」とミンギュから指示される始末。
「ヤーッ！ ちゃんとこういうのはヒョンが先に下りて危険がないかをッ」
諦めきれずにエスクプスがミンギュにそう言おうとしてるのに、船が止まったことに気づいて出てきたホシが元気に船から飛び降りて行った............。
船の中からは、ジョンハンが「水着なんて俺ら持ってた？」って言うのにジョシュアが「風呂みたいなもんだし、まっぱでいいだろ」とか聞き捨てならないことを言っている。しかし2人とももう泳ぐ前提で、こんな空の上に突然あらわれたプールに、不信感はないらしい。
「でもヒョン、空の上でこうして船を停めておけるのは、正直ありがたいよ」
出てきたジュンにそう言われて、確かに......とも思う。
燃料を使わずに空に居続けられるなら、スングァンやウジやミョンホのケガの治りだって早いかもしれない。
「とりあえず、アンカー以外にも別の場所にロープを繋いどくよ。いざって時のために」
そう言ってジュンが、船と空に浮かぶプールをロープでも固定した。
その頃には全員が船の甲板には出てきてて、プールとプールサイトを目にしてた。
ウジは早速その場所の計測をはじめて、「流されてないみたいここ」と、不思議なことを言いだしたけど、存在そのものが不思議なんだから、そんなこともあるだろう。
それに世界はまだ、自分たちの前には無限に広がっている。
いざって時には船に全員が駆け戻って逃げる可能性があるんだから、何から何までプールサイドに持っていくなよって注意した側から、なんでかウォヌは自分の枕と本を持ってプールサイドに立っていた。
寛ぐ気満々なその姿に、クユズが笑う。
「とりあえず、日焼けどめ～」
そう言ったのはミンギュで、雲が大分下にあって太陽の方が近いから、確かにそれは必要だろう。
ディノが一番にプールにおりて、掃除することだって楽しんでいた。
ミンギュは船の中で料理をして、それをプールサイドに運んだのはドギョムとディエイトで、そこではジョンハンとジョシュアがバーベキューの準備をしてた。
「いやお前ら、楽しみすぎだって」
エスクプスが呆れながらそう言えば、「大丈夫だって。どうせそういうのはしっかりと、96ラインがやってるって」とジョンハンが言う。
ジョシュアまでもが「そうそう。早速ウジとホシはこの下に潜ってみるって言ってたし」と言って笑ってた。
見回せば、確かにホシとウジは見えなかった。
だけどウォヌはもう微睡んでいる。
「クプスヒョンッ。見て見て」
スングァンが呼ぶ。だから「どうした？」って言いながら振り向いた。
どうせプール掃除を頑張ったんだとか、自慢するんだろうと思ってたってのに、スングァンはなんでか、得体の知れない物体を手にしてた。
「わ」なんでかスングァンが一言だけ口にする。
「わ？」だからエスクプスだって一言だけで問いかけた。
「わ......」スングァンが小声で一言だけ。
もう一回乗ろうかどうしようか悩みかけたっていうのに、「わー、ワニじゃんッ」ってテンション高く言ってしまったのドギョムだった。
確かにスングァンの手にはワニがいた。でも干からびて見える。大きさだって手の平よりはデカいが腕ほどはない。
だから多分死んで干からびたんだろう。
「水出すよ〜」って声は、少し遠くから聞こえた。それを口にしたのはディノで、また何を勝手にあいつは見つけて触ってんだって思った次の瞬間には、さらに遠くから、でももっとデカい声で叫ぶホシの声が聞こえてきた。
「アンデアンデアンデアンデアンデッ！ 水は出すなッ！」
日頃から騒がしいホシではあるけれど、そんなに必死な声で叫ぶことなんて滅多にない。
だからヒョンラインは一瞬で緊張したかもしれない。
「スニョア？ どうした？ 何か見つけたのか？」
ジョシュアが問いかけたけれど、返事はなかった。
ジュンが立ち上がって、声が聞こえた方へと移動して行くのを見ながら、エスクプスはスングァンに、「どこでそんなの見つけたんだよ。触るなよ。気色悪いだろ」って言いながら、近づいた。
視界の端では、「ジュナ？ スニョイは？」って言いながら立ち上がるジョンハンがいて、全員がどこにいのかを見渡してるジョシュアがいて。
だから油断した訳じゃないけれど、ワニが生きてるとは思いも寄らなかった......。
「ワニ生きてるぞッ！ 気をつけろッ、水分与えたら復活するぞッ！」
叫んだのはホシで、その手には確かに動いてるワニがいた。それほど大きくないから鷲掴みでどうにかなってる風だったけど、ワニが生きてて動いたら、そりゃ驚くってもんだろう。自慢じゃないがエスクプスは自分が怖がりだって自信がある。
「どわぁぁぁぁぁッ。ワニじゃんッ」
怖がり仲間のドギョムが叫ぶのを、ジュンが口を押さえて止めた。
「気をつけろ。唾でも生き返るから」
ジュンが怖いことを言う。
冗談だろって視線を送れば、「ホシのこれ、唾で擦ったら生き返ったって」と元気に暴れるワニを指差して教えてくれた。
「傷つけるのもダメだと思う。たぶん自分たちの血液でも生き返りそう」
ウジがそう言いながら、ぐるっと回ってきたのか船とは反対側から現れてそう言った。
聞き逃さなかったのはジョンハンで、「たち？」って聞きながらもキョロキョロすれば、「下にはビッシリいる。繁殖したのか元からなのかは判らないけど」とウジは怖いことを言う。
「ワニって言っても小さいから、どうにかなる？」
ディノが普通に聞いたのは、誰も慌てた素振りを見せていなかったからだろう。
だけどエスクプスをはじめ、ヒョンラインは全員、物凄いドキドキしてたはず。
すでにジュンは、船を固定したロープを外すために移動していたし、ニコニコしながらもジョシュアは船の中に戻ってて、持ち出したあれやこれやを手にもしてなかったから、捨てていくつもりなんだろう。
「ドギョマ、ちょっとお前、シュアに着いて行って荷物運ぶの手伝ってきて」
ジョンハンは慌てると失敗しそうなドギョムのことをそう言って、船の中へと移動させていた。
それからディエイトがスングァンとエスクプスの近くまでやって来て、スングァンの手から、まだ動かないワニを奪い取って行った。
ちょっとホッとしたのは、スングァンもエスクプスも同時だったかもしれない。
「落ち着くかどうか考えるから、一旦お前、船に戻ってろ。いざって時にその足じゃ、走れねぇし」
そう小さく言えば、スングァンはちょっとだけ不安な顔をしたけど頷いて、「ボノナ、ちょっと船に戻るよ」とバーノンに声をかけていた。
そうすれば当然、スングァンのことを手助けするために、バーノンも一緒になって船へと戻っていく。
落ち着いて行動すれば、全然大丈夫なはずだった。
なのにこんな時に限ってやらかすミンギュがいて、ディエイトが持つワニを笑いながら覗き込んだその時に、盛大にくしゃみをしたから。
ディエイトにだって唾が飛んだぐらいなんだから、ディエイトの手の中のワニにだって飛んだんだろう。
一瞬でワニは動き始めて、それに驚いたディエイトはそれを手放した。
「わーーーー、ごめん。俺がやらかした。ごめんみんな」
ミンギュがそう叫ぶのと、ジョンハンが「戻れッ」って叫んだのはほぼ同時で、ジョシュアもまた近くにあった荷物を持とうとしてたディノに向かって、「いい。捨てて行けッ、ディノやッ、走れッ」と叫んでた。
息を吹き返したワニの体液がまた他のワニを目覚めさせるのか、恐ろしい速度でワニたちが動き始めるのに、ホシはウジのことを支えながら、そんなワニを平気で踏みつけて走った。
まだ小さいワニだったことが幸いだったのか、でも数が多いだけに、少しでも齧り付かれたら痛みで足が止まるだろうし、そうすればワニたちから逃げ続けるのも難しかったかもしれない。
エスクプスは想像して真っ青になったというのに、見ればジョンハンがデッキブラシでワニを次から次へと弾き飛ばしてた。ディエイトも躍りかかって来た一匹を捕まえて、その一匹で後から後から湧いてくるワニを殴ってて、働きは凄かったけど見た目はちょっと微妙だった。
でもそのお蔭でロープを外したジュンは船に戻っていつでも船を出せる準備ができたし、ミンギュは駆け戻って来た弟たちが船に入るのを「慌てなくても大丈夫だから」とい言いつつ助けられた。
ジョシュアは甲板の上で、人数を数えてた。当然のごとく、誰一人としておいてはいけないから。
「クプスやッ！ 後はハニとエイシだけだッ！」
そう叫ぶジョシュアの声に、戦うジョンハンとディエイトをフォローしながら、エスクプスも下がっていく。
無事に船に戻った時には、かなり疲弊してた。でもあっという間にその場から離脱して、さっさと空の彼方に飛びだって、ホッとできると思ってたっていうのに、なんでか船はちょっと浮いただけだった。
「なんでお前が戦うんだよ。お前はケガしたばかりだろうがッ」
船に飛び込んだジョンハンが、そのままディエイトに怒ってた。ジョシュアもディエイトの手や肩を掴んで、「痛みはないか」と確認していた。だからディエイトは大丈夫だろう。
「ジュナッ。いいぞ、出ろッ」
手をあげてジュンにそう指示をしたというのに、なんでか船はピクリとも動かなかった。
「クプスヒョンッ、ウジが、諦めるには惜しいってッ」
ジュンが操縦席から叫び返してくる。
思わず色々考えるより前に、なんで俺の言葉よりお前はウジの言葉を優先するんだよと文句を言いそうになったけど、確かに惜しいと言えば惜しい。
船を固定できて、しかもその間はエンジンも止めていられるなら燃料が減ることもない。
誰もいない、自分たちだけが過ごせる場所は、安全が確認できてしまえばきっと得難い場所になる。
「あれが、どうにかなるのか？」
そう言いながら見下ろせば、さっきまではただの空っぽのプールだったはずの場所に、たくさんワニがいた。
「水を撒いてみよう」
ウジの意見に誰もが驚いていたけれど、それを一番に理解したのかウォヌが「それ、ありかも」と言う。
誰もが判らないからウジとウォヌに説明を求めるように見てるっていうのに、ウォヌは「長いホース探してくる」と言って倉庫に向かっていくし、ウジはホシに「貯水タンクのゆとり、どれぐらいあるか確認してきて」とか言い出して、言われたホシは何も疑問とも思ってないのか「へーい」と軽く返事をしてやっぱりさっさと動きはじめる。
「ウジや。水を撒くつもりなのか？ 本気で？ もっと動きまわりはじめるだろうし、最悪成長とかするんじゃないか？」
ジョシュアがそう聞いてはじめて、ジュンに船の微調整を指示してたウジが説明してくれた。
「水を撒いて、成長し始めたら諦めて逃げるしかないけど、そうじゃなくて起きるだけなら、なんとかなると思う」
ほらと、ウジが指差す方を見れば、太陽の光で乾き始めたワニからその動きがゆっくりとなってきていた。まだ動いてるワニも、もう少しすれば落ち着いていくだろう。自分たちの出す体液ですら水分と認識しても、偉大な太陽のもとでは長くは持たないんだろう。
「もっと盛大に水を撒いて盛大に起こして、起こし続ければ、合体してデッカくなるか、相打ちになるかのどっちかだと思う。駆除できるなら、それに越したことはないし」
動き始めた時には大慌てだったけど、言われてみれば、動きを止めるまでの時間はそれほどでもなかった。
「それなら、また動きを止めてから、地味に駆除するとかはどうだ？」
エスクプスの問いかけには、「たぶんそっちの方が時間がかかるし、うっかりミンギュがくしゃみをしたら同じことの繰り返しになる」とウジが答え、当然全員がそれでミンギュがまたやらかしたことを思い出した。
「ミンギュヒョンはもぉぉぉぉぉ」
スングァンが怒ってる。ケガを負った状態で必死に戻ったからか甲板に座り込んだままのスングァンの前にはジョンハンが座り込んでいて、足の状態を確認してた。
プリプリしてる表情も声もいつも通りだったから、座り込んでるのは痛みとかじゃなくて驚いたことの方が原因だったんだろう。
「ところでワニってどうやって生まれるの？」
ずっとヒョンたちの話を聞いてたディノが、突然そんなことを言い出した。何を急にって空気になったけど、「ディノは賢いな」と両手にたくさんの道具を手にして戻ってきたウォヌが褒めていた。
「そうだな。最初からあんに、たくさんのワニがいたとは思えないけど、あれが全部子どもだとしたら大きなのがいるはずだし、あれで大人だって言うなら、子どもがどうやって生まれるのかも理解してないと、駆除し尽くしたつもりになってこっちがやられかねない」
そんな説明の間にもジュンは船を僅かに動かして、プールからは少し距離を取りつつも水のかけやすい場所へと移動させていた。
ホシが盛大に、水をかけてやろうって感じだったのに、次に「ねぇ」って水をさしたのはディエイトで、「飛べるタイプのワニじゃないよね？」とか言い抱いた。
世の中に、飛べるタイプのワニがいるとは聞いたことはないけれど、確かに見たことがないからと言って存在しないとは言い切れないし、水を盛大にかけた結果飛び始めたらそれは怖いだろう。
「でも、俺、プールに入りたいよ」
ちょっとだけ躊躇したっていうのに、ディノが子どもっぽい口調で言うのに、思わず全員で笑ってしまった。
でもそれで、エスクプスの腹だって決まった。
「ホシや、水をかけろッ！ ジョシュアとミンギュは万が一に備えとけッ！」
エスクプスがそう叫べば、ウジが続けて「ジュナ、いざとなったら合図するから離脱するぞ」と口にして、ワニが飛んでくるのにだって備えた。
まぁ結局ワニは飛んでは来なかったけど。
そして水をかけてもかけても偉大な太陽の光に負けて、すぐにワニたちはまた眠りにつくのか大人しくなる。船の水を使い尽くすなんてことはできるはずもなく、「どうする？ 俺らの排泄物ぐらいしか、もうかけるものないけど」と真面目な顔してミンギュが言ったけど、それには当然全員が反対した。
幾らワニを駆除したって、そんなプールには入りたくないって............。
「よし。どう計測しても移動してないから、たぶん戻って来れる。次に来る時には大量の水と、ワニの天敵を連れて来よう」
ウジの提案に、素直に「おぉ」ってなったものもいれば、「ワニの天敵ってなんだよ」ってなったものもいた。でもウォヌやジュンはすぐに水を大量に運ぶための何かが必要だとかも話し合っていたから、全員前向きではあっただろう。
「いやとりあえず、急ぎ移動じゃない？ 俺ら水ないよ。最低限の飲み水は確保してるけど、余裕は全然だからね」
ミンギュのその声に、全員が動き出す。
なんでかディエイトが「わかった。ワニの天敵はライオンだって。この本にワニとライオンが戦ったって記述があるよ」とか言っていたけど、正直ライオンを見た人間は誰もいなかった。
「よし、じゃぁとりあえず、水とライオンを探しに行こう」
エスクプスがそう言えば、あちこちから「おー」と元気な声があがる。
そうして船はまた飛び立った。
向かう先などこかは、まだ誰も知らない。ライオンを誰も知らないのと同じように。
でもいつか戻って来る。そしてプールサイドで美味しいものを食べながら、楽しくのんびり凄く未来を思い浮かべて。
The END
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