妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

コッソリ拗ねミンギュ

 

判りやすく拗ねてる時もあるけれど、俺は別に平気って顔で、ミンギュは拗ねてる時がある。
それはトイレに行ってる間にドッキリを仕掛けられて、一人だけ派手にジャンプした日。皆で笑いはしたけど、その後も当然のようにハードな練習が続いて、衣装合わせがあって、衣装を着た状態での本番みたいな練習まであって、文句言ってる暇も拗ね続けてる暇もなくて、消化不良だったのが原因かもしれない。

でも物凄く拗ねてる訳でもなくて、ちょっとだけ、ほんとうにちょっとだけ拗ねてただけだから、誰も気づいてくれなくて、さらにちょっとだけ凹んでたかもしれない。

だけどいつもなら練習終わりにさっさと作業室に向かうはずのウジが近づいてきて、「お疲れ」って言葉がかけられる。

「ヒョン、これからまだ作業室?」
「おぉ、明日来るだろ?」
「うん。昼前には一度顔出す予定」
「じゃ悪いけど、途中で何か買ってきて。俺が好きそうなもの」

そう言って、ウジからカードが手渡されて、「お前も好きなもの、買ってきていいぞ」って男前な言葉が。

「山ほど買っちゃうかもよ?」って言えば、「好きなだけ買ってこいよ」って言いながら、ウジが去って行く。

面倒事を押し付けられたとも言えるかもしれないけれど、それよりも頼られる嬉しさや、信頼されてる感じがより嬉しくて、ちょっとだけ気持ちがホコホコする。

結構踊り尽くしたっていうのに、パフォチの面々はまだスタジオに残るという。
たった一度だけのパフォーマンスのために、いつもの踊りの一部を本気でブラッシュアップさせる。そのためだけに、パフォチは日夜頑張っている。
普段なら手を振ってくるぐらいなのに、ジュンが近づいてきて、ミンギュの背中を軽く叩いてく。

言葉なんてないけど、その分勝手にそれが、「お疲れ」だったり「気をつけて」だったり、労りや優しい言葉にミンギュの中で変換される。

「お、ミンギュや~」

そう言ってホシもやって来て、「お前の踊り、やっぱりデカくてカッコいいわ」って一言。ちょっと照れながらも「なんだよ急に」って言えば「お前が一人でジャンプしたとこ、お前だったから全然カッコよかったもん」って言葉が。

きっとホシじゃなかったら、それはミンギュにとっては傷に塩を塗る行為だったかもしれないけれど、踊りに関してだけは、ホシは嘘をつかないから。

「カッコよくないよ。俺一人だけだったし」

それでもちょっとだけ拗ねた顏で声でそう言えば、「面白かったけど、カッコ良かったよ。当然。だから俺たち、残る羽目になってるんだから」とミョンホが抱き着いてきてくれた。

みんなで笑って、あの時だってミョンホは抱きしめてくれたけど。
鏡越しに見たミンギュだけがジャンプしたその姿に、何か閃いてしまったホシがいて、パフォチの居残りが決まったというのだから、申し訳なく思いつつもちょっとだけざまぁって気持ちもあって、「お疲れ、お先」って物凄く笑顔で手を振ってやる。

ちょっとだけ楽しくなりながらもスタジオを出れば、そこにはウォヌが待っていた。
宿舎も部屋も同じだから、いつも一緒にいる必要はないだろって顔で、さっさと先に帰ってしまうことが多いってのに、珍しい。

「なに? 珍しい。待ってたの?」
「なんだ。もう拗ねてないじゃんお前」

そう言われて、すっかり機嫌が直ってた自分に気がついた。でも慌てて「いやまだちょっとだけ気分悪いよ」と言えば、「じゃ、帰りに何か買ってやるよ」とウォヌが騙されてくれた。

「すっごい高いものでもいい?」
「コンビニで好きなもの3個だけな」
「え、ケチくさくない?」
「じゃぁ1個でもいいけど」
「いやいや、3個でお願いします」

なんだか拗ねてたはずなのに、最後にはかなり浮かれてたミンギュだった。
きっとそのうち公式からビハインドが出るはずで、そうしたらまたミンギュは拗ねるかもしれないけれど、きっとその時も、誰かがミンギュに話しかけてくれるはず。

 

The END
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