妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

BitterSweet

20210520の衝撃......

は?

f:id:sevmin:20210521175914j:plain

 

20210522の衝撃......

너 하나와 두 개의 달......は?

f:id:sevmin:20210522003417j:plain
f:id:sevmin:20210522003427j:plain

 


'Bittersweet' Making Film #WONWOO

20210523の追撃......

같은 곳을 바라보던 너와 서로가 마주 볼 수 있을까......むむ

f:id:sevmin:20210523003105j:plain
f:id:sevmin:20210523003114j:plain

 


'Bittersweet' Making Film #MINGYU

20210524の挟撃......

같은 시선 다른 마음......ぐ............

f:id:sevmin:20210524010328j:plain

f:id:sevmin:20210524010339j:plain

 

20210525の目撃......

f:id:sevmin:20210525000628j:plain

 

20210527の一撃......


WONWOO X MINGYU 'Bittersweet (feat. LeeHi)' Official Teaser

20210528の直撃......

WONWOO X MINGYU 'Bittersweet (feat. LeeHi)' Official MV

f:id:sevmin:20210528215919j:plain

f:id:sevmin:20210528215931j:plain

f:id:sevmin:20210528215941j:plain

f:id:sevmin:20210528215953j:plain

 

20210529の......


[SPECIAL VIDEO] WONWOO X MINGYU - Bittersweet (feat. LeeHi)

20210530の......

'Bittersweet' Making Film #WONWOO X #MINGYU

 

20210531の......

WONWOO X MINGYU 'Bittersweet (feat. LeeHi)' M/V BEHIND THE SCENES

 

20210603の......

[Vlog] 쉬는 날 일상, 집 꾸미기, 사진, 먹방 l Bittersweet Day l MINGYU 민규

 

 [Vlog] 운동, 방 꾸미기, 먹방, 노래 l Bittersweet Day l WONWOO 원우

 

20210605の......

WONWOO X MINGYU ‘Bittersweet (feat. LeeHi)’ M/V REACTION with SEVENTEEN

 

20210531の迎撃......

誰かがTwitterで、ただのミーニーじゃん......って呟いていた。

もっとこう、三角関係ハンパなかったり、女の子とベッタベタだったらどうしよう......とか思いつつ、いやでも、なんでもどんと来いな気持ちでもいて、毎日ちょっとずつ見せてくれるあれやこれやを楽しんでいたんですが、女優さんの女の子も可愛いし美人さんだし素敵で(でも私の中ではウォヌさんのが、どうしたって可愛いんだけど)、曲も映像も、歌詞も歌声も、空気感もそこから想像できるあれやこれやも全部素敵でミーニーで、誰にありがとうって言えばいいのかって感じでした。

あぁ、ほんとなら、祭り開きたいぐらいな気持ちではいるのですが、ちょっと今は無理。

でも、世界中のミーニー大好きな人たちと、手と手を取り合って踊り出したいぐらいのテンションではいるのです。

幸せをありがとうの気持ち山盛りです。

 

20210601の反撃......

うん。そう。反撃......。私の妄想の世界を、リアルな世界が軽々と超えていくけれど、負けないぜ~と、反撃を開始するのです......。

物凄くステキなMVだったけど、私の妄想の世界は負けないぜ~と、勝つ気満々www
いや、戦う意味はないんだけどさwww

という謎なテンションで、「BitterSweet(にがくてあまい)」スタートです♪

 

 

 

BitterSweet(にがくてあまい

そこは『BitterSweet』っていうカフェ。

薄暗い路地裏を抜けてたどり着く、ちょっと秘密めいた場所......だったはずなのに、店は今日も賑わっている。

「お勧めはなんですか?」

大学生くらいの女の子2人組が、カウンターの中にいる男に声をかけた。

この店の売りはその店名通り、にがくてあまいクッキーだったりチョコレートケーキだったりマフィンだったりするけれど、どれも店で作ってる訳でもなく仕入れてるものばかりだから、ここでしか食べられないとかでは全然ない。

「お勧めはありません」

無表情な顔と声で、カウンターの中にいる男が答える。

「じゃあ、カフェオレとチョコレートケーキ2つで」

女の子2人組はそんな男の態度にも怯むことなく、最初から頼もうと思ってたものを頼むとその場で支払いを済ませてとっておいた席に戻っていく。

だから彼女たちも知っているのだ。この店の1番のお勧めは、カウンターの中にいるその男だってことを。

「カフェオレとチョコレートケーキ2つ」

カウンターの中にいる男は、声を張り上げるでもなく、振り返るでもなく、どう聞いても全くやる気のない声でオーダーを通す。

でもそれが、この店の売りでもあって、物凄いbitterな感じの対応なのに、それに返されるのはデロッデロにsweetな甘い声なのも、当然ながらこの店の売りでもある。

「はい、カフェオレとチョコレートケーキ2つね。何番テーブル?」
「見忘れたし聞き忘れた」
「もうヒョン、毎回忘れるじゃん」
「あ? 誰だよ、店はじめる時に、ヒョンは何もしなくていいし、座ってるだけでいいからって言ったのは」
「はいはい、それは俺が言いました」

それほど大きな店でもないから、当然ながらそんな2人のやりとりは、各テーブルでにがくてあまいものを堪能してるお客様にも筒抜けで、当然ながらそれだって、この店の売りの1つ。

愛想もクソもなく、カウンターの中から1ミリたりとも動かない男。その名前をチョンウォヌ。

厨房にいる男にも厳しいが、初めてきた客に対しても厳しい。基本電子マネーしか認めないし、現金払いの場合は「釣りは出ない」と言い切る、サービス業を敵に回す男。

しかし何故か、お客様からは愛でられている。カウンターの内側でノートパソコンとかを置いて、小説とか書いてそうとか想像されては、何をしても許される男は、時々客がいたって店を閉めようとか言いだすけれど、特にこれといって苦情は来ない。

慣れたもんでお客様方が、慌てて皿に残ってるケーキとかを平らげて、飲み終わったカップや皿を、さげてきてくれる。
店のどこにも、「返却口」と書かれた棚なんてない店だっていうのに......。

厨房にいて、いつだってにこやかで柔らかく、誰にでも優しい男。その名前をキムミンギュ 。

この店をほぼ1人で切り盛りしてるし、どんなに忙しくたってウォヌの昼ごはんはちゃんと作ってたりするから、なんならウォヌの面倒も見てるけど、男前なのに仕事もできると巷では評判だった。

これは、そんな店の中で起きる日常の出来事。極上に甘い時もあれば、かなり苦いこともある、日常のひと欠片。

 

 

「信じらんない。どいつもこいつも、死ねばいいのに」

朝から結構激し目の雨が降っていた日。
荷物を守るためか自分はビショビショの状態で店にやって来たと思ったら、かなりな悪態をつく人がいた。

「ヌナ、いらっしゃい。ビショビショじゃん。タオル取ってくるよ」

その声に店の奥から顔を出したミンギュが、タオルを取りにいく。

「死ねばいいとか、普通言うか?」

店に入ってきた時からビッショビショに濡れてることには気づいていたけれど、タオルを取ってくることは気づかなかったウォヌが笑いながら言う。

それぐらい2人に近しい存在のその人は、2人と幼馴染という立ち位置の人だった。時々店にも来て、そんな時は普段無愛想なウォヌが笑って話すから、羨ましがられてもいたけれど、それ以上にありがたがられてもいた。

何よりその女性には、ちゃんと彼氏がいたから......。

「だってこの雨の中、資料取りに来いとか言う? それに断ればいいのに、取りに行かせる? クソクライアントにクソ上司が。ほんとサイテー」
「そのクソ上司って、今お前が付き合ってるヤツじゃなかった? 前、スッゲェいい男だって言ってたヤツだろ?」

 水も出さないウォヌのことは最初からあきらめてるのか、カウンターの内側に手を伸ばして、水を勝手にコップに注いでゴクゴクと飲んだ彼女は、「スッゲェいい男だもん」と悔しそうに言う。

でもタイミング良いのか悪いのか、ミンギュが戻ってきてタオルを頭の上にふわりとかけてくれるから......。しかも「ホットチョコレート作るから」と言ってそのまま奥に消えて行くから......。

「ミンギュとどっちがいい男?」とウォヌが笑って聞けば、「ムカツク」って答えたから、まぁそういうことだろう。
珍しく、本当に珍しく、ウォヌが声を出して笑ってた。

その時店にいたお客様方全員が、それぞれ神様に感謝して今日という日の幸運を噛みしめたほど。でもその日はまだまだ続きがあったけど。

「あぁ、こんなことなら、ミンギュにしとけば良かった」って、タオルでガシガシ頭を拭きながら、彼女が言ったから。

「あ?」
「なによ」
「その言い方だと、お前がミンギュを振ったみたいじゃん」
「ぁあ?」

付き合いが長いから、ウォヌの無愛想な受け答えにだって慣れているんだろう。
ウォヌ以上に不機嫌そうな顔と声で、真っ向勝負をして、やっぱりウォヌから笑いを引き出していた。

「はいヌナ。ホットチョコレート。なに? なんのはなし?」

ミンギュが戻ってきてそう聞くのに、「「別に」」って2人の声が揃う。

「今日は雨、ずっとこのままだよ。店が終わるまで待っててくれるなら、送ってくけど」

当然のように男前な発言をするミンギュに、「ありがと」って彼女が答えれば、ミンギュが「じゃ、ちゃっちゃと片付けるよ」と言ってまた奥へと消えていく。
そんなミンギュの様子に彼女がでっかい溜息を零せば、ウォヌが笑うから。

「言っとくけど、私が諦めてやったんだからね」
「はいはい」

ウォヌがそのまま、「なに? 礼でも言う?」とか笑って言うもんだから、彼女はまたでっかい溜息を零す。

「あぁ、あの頃、私は本気でミンギュばっかり見てたのに、全然だったなぁ」

それからそんなことをしみじみと言う。

「お? それなら俺だって、あの頃、お前のこと見てたじゃん」
「は? あんたはミンギュを見てる私を見てたんでしょ」

ウォヌが笑いながら言うのに間髪入れずに返された言葉が結構鋭くて、その当時の自分の気持ちを思わず考えたほど。

それから、「あぁ、そうだったかも」なんてしみじみウォヌが言うもんだから、「感謝の言葉なんていらないから、感謝の高額な品を寄越しやがれ」と彼女が言い出して、ウォヌがまたもや爆笑してた。

3人は幼馴染だったから、いつも一緒にいた。
思い出はそれこそたくさんある。
それでもいつからか、彼女がミンギュを見てることに気づいてしまったから、あぁいつかは俺が抜けるんだろうなって思ってた時も確かにあったのに。

「私、あんた達ともうつるまないから」

それなのにそう言って1番に離れて行ったのは彼女の方で、あぁ思えばそれは、今日みたいな雨が強い日だったはず。
きっとミンギュが、「なんでそんなこと言うんだよヌナ」って止めると思ってたのに、ちょっとだけ辛そうな顔をしたけどミンギュは何も言わなくて、逆に「どうしたんだよ」って言ったのはウォヌだった。

「あんた達と一緒にいたら、いつまでたっても私に彼氏ができないから」

そう言って、ミンギュが持ってた傘を奪って、「じゃぁね」って彼女が帰っていくのを、2人で見送った日。
結構な雨が降っていたのに。雨宿りするなり、傘を買うなりすれば良かったのに、なんでか雨の中に自分で出て行ったミンギュがウォヌのことを笑いながら呼ぶから。
なんでか2人して、肩を組んで歩いて帰った日。

見事にウォヌだけ風邪をひいて、ミンギュが自分で「バカは風邪ひかないから」って言って、笑う元気もないウォヌを笑わせようとしたりして......。

あれ以降、確かに3人でつるむことはなくなった。
彼女は街中でも大学でも見かけたけれど、女友達と一緒にいたり、時には知らない男と歩いていたりした。
本を貸してと言われて貸したり、お願いと言われて引っ越しの手伝いをさせられたりは相変わらずあったけど、3人で遊ぶことはなくて。

でもこうやって今でも近況が判る距離にいて、多分ミンギュとウォヌの間柄を正確に理解してるのも彼女だけだろう。

「こんな店、すぐ潰れると思ったのに」

しみじみと彼女が言うから、「俺も」とウォヌも言う。だって本当に、こんな場所でカフェって......って思ったんだから。

最初ミンギュは、画廊をやりたいとか言い出してウォヌも含めた周りから大反対されて、次は花屋がやりたいとか言い出した。しかもなんでか、カスミソウ専門店だとか謎なことを言いだして、やっぱり反対されていた。そして次に言い出したのはカフェで、最初の2つが謎すぎたため、一番反対は少なかったかもしれない。

今にして思えばそれはミンギュの作戦だったのかも。
最初からカフェなんて言い出せば、猛反対されるとわかっていたのかも。
結局あれよあれよとことは進んで、誰もがカフェになんて選ばないような場所に店を出して、今に至る。

その最初の日から、ウォヌは同じ場所に座っているだけで、ほとんど何もしてないけれど、「ウォヌヒョンはいてくれるだけでいいよ」と言ったミンギュの言葉通り、そこにいる............。
ミンギュは店の中を掃除しながら、料理を運びながら、売り上げの計算をしながら、ウォヌがそこにいるのを見るのが好きだというから............。

一瞬それを口にしそうになって、いやそれはさすがにダメだろうと我慢したけれど、口元が一瞬笑って、いやニヤけていたんだろう。
ただの友達なら気づかないはずのその一瞬の表情に、幼馴染が気づかないはずがない。

「はぁ......。信じられない」

わざとらしい溜息を彼女が零すから、やっぱりウォヌは笑ってしまった。
だからウォヌは『悪い』って言いかけたけれど、やっぱりさすが幼馴染。その一瞬前に「謝ったら殴るから」と言われ我慢したから。

彼女を送っていくと言っていたミンギュだったけれど、結局は送っていくことはなかった。
彼女曰く、スッゲェいい男なクソ上司である彼氏が迎えに来たから。

死ねばいいのにとまで言ってた割には嬉しそうに帰っていったので、うまくはいっているんだろう。

「あれ、ヌナは?」
「帰った」
「え、この雨の中?」
「彼氏が車で迎えに来たからな」
「あぁなるほど」

店の中を片付けるために戻ってきたミンギュが、テキパキと掃除するのをウォヌはただ見ているだけだった。
別段ミンギュは文句なんて言わない。まぁ言わせないけど。

こんな雨の日なのに結構いた客たちも、彼女がいなくなるタイミングぐらいで一斉にいなくなった。先払いだから特に何の問題もないし、よくできた客たちは当然のようにカップをきちんとカウンターまで運んできて、「ご馳走様でした」と言って帰っていく。

こんなうらぶれた場所のカフェなんて、柄の悪い人間のたまり場になってしまうんじゃないかと思っていたのに......。

彼女が去っていく時、ウォヌの耳元で囁いてった。曰く、「私が帰るタイミングで客も一緒に引けると思う。間違ってなかったら、ミンギュにもっとぼったくっても大丈夫って言っといて」ってことだったけど、ウォヌはそれをミンギュに言わなかった。
それで本当に値上げに走られたら、なんとなく嫌だったから。

「雨まだまだ降ってるけど、あの時みたいに、濡れて帰る?」

そんなことをミンギュが言うから、当然のように「は? 1人で帰れば?」と答えておいた。
今度も風邪をひくのは自分だけ......になりそうだから。
店の片づけが終わる頃になっても、雨は降り続いてた。

「傘1本でいい?」

ミンギュが言うから、やっぱり当然のように「は? お前傘なしで帰るの?」と答えておいた。
2人で1本の傘で帰るなんて、ビショビショになるのは判りきっていたから。

しょうがないとばかりにミンギュが傘を2本出してくる。
当然のようにそれを受け取って、雨の中へと踏み出した。それから店のシャッターを下ろすミンギュのことを、振り返って待っていた。

「     」

ミンギュが何か言う。きっと「お待たせ」って言ったんだと思うけど、傘を打つ強い雨音に何もかもがかき消される。
聞きなおす必要もない。会話が多少ちぐはぐになったって、すれ違ってたって、もう今となっては揺るぎようがないから。

雨の中に2人で歩き出したあの日から、一緒に歩き続けたから......。

 

The END
5231moji

 

BitterSweet(にがくてあまい)2

気づけばウォヌのことを見てた。
その意味に自分自身で気づく前からずっと、ずっと。
いつだって、ヌナのことが羨ましかった。幼馴染だけど1つ下のミンギュは、通う教室が違って、座る場所が違って、見る景色が違って、進む道だってたった1つしか違わないのに、その1年のせいで大分差が開いてしまうはずだったから。

なんでか、ウォヌのことを羨ましいと思ったことは一度もなくて、その事実に気づいてしまえば、自分がいつだって誰を見てたのかにも気づいてしまった。
ウォヌの横にはいつだってヌナがいたから、ウォヌを見れば、視界の中には自然とヌナが入って来ていた。常識とかが邪魔をして、自分の気持ちにすら錯覚しそうになっていたのかもしれない。

でも気づいてしまったから。
ヌナがミンギュのことを見てることに気づいたって、その視線に答えることはできなかった。だってそれよりも、どうしたってウォヌのことを追ってしまう自分がいたから。

ウォヌはヌナのことを見てた。幸せそうに笑いながら。楽しそうに。

「なんでいつもヌナのこと見てるの?」

そう聞いたことがある。「そんなの、好きだからに決まってるだろ」って言われたらどうしようと思いながら。でもウォヌは、「だってアイツ面白いから、見飽きないじゃん」と笑ってた。
それはなんとなく判るから、「確かに」と一緒になって笑ってしまったけど。

まぁ幼馴染だからだろう。
カワイイとかキレイとか以前に、結構な武勇伝を知っているから。
思えば大人しく見えて一番大胆だったのもヌナだし、無謀だったのもヌナだし、せっかちだったのもヌナだし、我慢強いなんて言葉と無縁だったのもヌナだった。

それなのにウォヌは驚くことはしても諫めることはしないし、基本面白いからって止めることもしないし、いつだって笑って「お前凄いな」っていうだけで、迷惑を被っていたのはミンギュだったかもしれない。

「たぶん私、前世で世界を救ったんだと思う」

ヌナがそう言ったのは、3人とも高校生の時。
なんでそうなったかは全然わからなかったけれど、学食での出来事で、いつの間にか見知らぬ女子たちに、ヌナが囲まれていた。

ミンギュはその出来事に最初から気づいていたけれど、とりあえずは気づいてないふりをしてた。ウォヌは全然気づいてなかったけど、学食の中でテレビドラマの中のように、食器やらがテーブルから派手に落とされて結構な音がしたから、さすがに気づいたんだろう。

見ればそこにヌナがいたからっていう理由で、ウォヌは何もわかってないのに近づいていくから、しょうがないとばかりにミンギュだって足を進めた。

きっとウォヌかミンギュか、もしくは両方ともなのか、ベタベタするなとか、幼馴染だからって生意気だとか、そんなことを言われてたんだろう。

当然ミンギュはそれも理解してた。そのうえで、どうしようか......って思ってたのに、何にも気づいてないウォヌが、「どうした? 派手に落としすぎだろ」って笑いながらヌナに近づいて、「ほら、買いなおして来いよ」って自分の財布を手渡した。
そこら辺にいた女子たちには見向きもせずに、「混みあってるとこに座ってるからだろ? 俺のテーブル空いてるけど?」ってウォヌが続けるのに、誰も何も言えずにいる。

きっとそのままなら、いつかヌナともどもウォヌも誰かに刺されそうな気がするから、ミンギュは笑って、「みなさんも大丈夫でした?」って声をかける。
もちろんそのまま、「うちのヌナ、結構抜けててやらかすこと多いから、すみません」ってウォヌと違ってミンギュはわざと言うけど......。

何人かの女子が、「わざとじゃないけど、当たっちゃって」って言いながら、落ちたトレイを片付けようと進み出てくれたから、「ありがとうございます」ってお礼だって口にした。
落ちたものを拾い集めたそのトレイに手だって出して「あとは俺がするんで、先輩たちは手、洗ってきてください」って親切っぽい態度だって示してみせた。
そうじゃないと遠くから、「ウォヌや~、ごめん1番高いの頼んじゃった~」っていうヌナの声にきっと気づいてしまうだろうから。

なんでか『ミックス定食ボリューム大』な、スポーツ系の男子が食べそうなメニューを嬉しそうに食べるヌナと、それを見ながら「お前凄いな」って笑ってるウォヌのもとに戻ってみれば、ヌナがミンギュに「ご苦労」って尊大に言う。

それからおもむろに、「たぶん私、前世で世界を救ったんだと思う」とか言い出した。
思わずウォヌと一緒に爆笑してしまったミンギュだった。

当然そんな姿は周りの視線をやっぱり奪っていたけれど、3人揃えばいつだって楽しいのは、もう子どもの頃からだからしょうがない。変に自分を装う必要なんてないし、失敗したって暴言を吐いたって、今さら気を遣うこともない。

でも次にヌナが前世の話題を持ち出した時には、「たぶん私、前世で世界を救ったかもしれないけど、その後暴君になったんだと思う」だった。

「好きな人に好きになってもらう方法は?」

ミンギュがそう言えば、ヌナは「諦めないこと」って答えた。それからウォヌは「ずっと一緒にいること」って答えた。
2人の答えが少しだけ似ててちょっと凹んだことを覚えてる。
それにミンギュにしてみれば、諦めないこともずっと一緒にいることも当然のことで、求めてるのは次の一手だったのに。

あぁでも結局ヌナには、「私はもう諦める。このまま諦めなかったら、ばばぁになるまで1人だもん」って言われたけど......。

「ねぇ、ウォヌが事故とかで死んだら、諦める?」

あの日、雨が強く降ってた日。3人で一緒に遊んだ最後の日。それはウォヌが一瞬トイレに立った僅かな時間。ヌナがそう聞いてきて、ミンギュは本当に僅かな時間だったけど真剣に考えた。

「いや、死んでも諦めないと思う」

正直に答えたら、「うん。あんたは我慢強いし、しつこいし、昔からウォヌのことしか見てなかったしね」って笑ってた。それからヌナは「私はもう諦める」って言った。

「2番目には好きだよ」
「知ってる。でも、ウォヌが死んでも1番にはならないんでしょ?」
「うん」

最後まで謝らなかったけど、「謝った方がいい?」とは聞いた。

「謝ったら殴る」

でもそう言われたから、謝らなかったことは正解だったらしい。
1本しかなかったのに、ヌナに傘を奪われた日。

「私、あんた達ともうつるまないから」

ウォヌが戻ってきたら、ヌナはそう言って、3人での関係を終わらせた。
何も知らなきゃ「なんでそんなこと言うんだよヌナ」って言ってたかもしれないけど、ミンギュはそれが自分のせいだって判ってたから、何も言えなかった。

きっと何を言ってもミンギュはヌナから殴られただろうし......。

「どうしたんだよ」ってウォヌが聞くのに、ヌナは「あんた達と一緒にいたら、いつまでたっても私に彼氏ができないから」って言って、あっさり「じゃぁね」って去って行った。
ミンギュの大き目の傘をさして、結構な雨の中、1人で。

だからあの日、雨宿りすることもできたし、タクシーを呼ぶこともできたし、新しい傘を買っても良かったのに、ミンギュはわざと雨の中を濡れて帰ることにした。それでちょっとぐらい風邪でもひかないと、悪い気がして。謝ることもできないから。

それなのに、結局風邪をひいたのはウォヌだけで、ミンギュはピンピンしてた。

「なんでお前だけ元気なんだよ」

ベッドの中から文句を言うウォヌの横で、「まぁ俺、昔から風邪とかひいたことないし」と言えば、「俺の風邪をうつしてやる」ってウォヌがミンギュに手を伸ばしてくるから......。

そのまま襲われるふりして襲ってみた。はじめてなのに結構なベロチューをしてしまったけれど、やっぱりミンギュは風邪なんてひかなかった。

もっと驚かれるか、それとも引かれるか、はたまた拒否されるか。
ちょっとだけ緊張したというのに、「お前、俺は風邪ひいて鼻つまりかけてんだよ。俺を殺す気かッ!」って怒鳴ってまたふて寝してた。
なんだか顔が赤くて、「ヒョン、顔が赤いけど大丈夫?」って本当に心配して声をかけただけなのに、殴られた。「こっちは風邪ひいてんだよッ!」って言いながら。

なんだかんだと結構元気なんで、安心したけど。
その日からずっと、ミンギュはウォヌの傍にいる。

 

The END
3394moji

 

sevmin.hateblo.jp