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SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

ディノ、修行に出る

LEFT&RIGHT


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ディノ、修行に出る

「俺、全然活躍できなかったし......」

そう言って、凹んでばかりのディノだった。
スングァンがリアルな世界で襲われたと知ったって、何もできなかったし、いつも一緒にいるヒョンたちが、リアルな世界で動いてたこともなんとなく判ってたし。
何より犯人特定するために、シュアヒョンあたりがかなり暗躍したと、後から知った。
瓦礫の後片付けをした日には、確かに一緒にあそこにいたはずなのに......。

「ヒョン、俺もヒョンみたいになるには、どうしたらいいの?」

だからディノは、ジョシュアに直接そう言って、教えてよって詰め寄った。
目の前にいたジョシュアはいつもみたいにニッコリ笑って、「うぅぅぅぅん、ちょっと大変だけど、とりあえず教えるよ」と言ってくれた。

まさかジョシュアが、これだけ「真っ正面」から、そして「素直」だと、多分自分と同じ場所に立つのは無理だろうな......なんて思ってるなんて知らないディノだったけど。

「ほらあの日、俺はみんなと一緒にいただろ?」

と、ジョシュアが教えてくれたのは、「一度にどれだけ頭を切り替えられるか」っていう話だった。
確かにジョシュアは一緒にいて、なのにウォヌともウジとも話してて、それなのに犯人を引っかけるためにも動いてて、当然犯人を含め、興味本位に話しかけてくる人たちともやりとりをして、瓦礫を片付けていた場所では被害を被った人たちとも話してた。

「全員と話しながら、個別にも話しかけてを繰り返して、最終的には全員と個別で話せるようになったら、とりあえずは頭切り替えられたってことじゃないかな」

と、ジョシュアは物凄く簡単に言ったけど......。

「待って。ちょっと待って」
「いやだから、ちょっと待って」
「ごめん。待って」
「ヒョン、ちょっと待って」
「わー待って待って待って待って」

結局、あちらこちらと話してるもんだから、「待って待って」のオンパレードに終わっただけだった。

「シュアヒョンの立ち位置、案外一番難しいと思うけど、ディノはほんとにあそこ目指したいの?」

頑張った結果さらに凹んでたディノに声をかけてきてくれたのはウォヌで......。

「シュアヒョンを目指したいってことでもないけど、いざって時に役立つ男に俺だってなりたいんだもん。ウォヌヒョンみたいに、色んな人を動かすのは無理だし、ウジヒョンみたいに、プログラムとか判んないし。だからシュアヒョンが一番目指しやすいかと思ったんだもん」

そう言えば、「いやいや、俺とウジだって、シュアヒョンにはたちうちできないって」とウォヌが笑うから、ちょっとだけ救われたけど。

「でも、俺じゃぁどうしたらいいの?」

そうやって真正面からウォヌを見上げて聞いてくるあたりが、ディノらしいと言えばディノらしく、ジョシュアを目指しても無理だろうって気がやっぱりして、思わず「ノムキヨ~」とか言いそうになって我慢したウォヌだった。

「武者修行には、道場破りだ」

堂々と言ってのけたウォヌの言葉を、疑うことなく真剣な顔で聞くディノ。
もしもほかの誰かがいたなら、「は? 何言ってんの?」とツッコんだだろうが、残念ながらウォヌとディノしかいなくて......。

素直なディノは、思い立ったが吉日って感じで、「じゃぁヒョン、俺行ってくる」とすぐに修行に出てしまった。

「おぅ、行ってこい」

と、ウォヌも送り出したものの、ちょっと首を傾げてたりしたから、無理だとも思っていたのかもしれない。

 

The END
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