妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

ん、何があったの?

LEFT&RIGHT


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ん、何があったの?

ヘンガレの世界がざわついていたとしても、13人しか見えないログに不穏なことが残っていたとしても、何も気づかないし過去に遡って確認しようともしない。それがバーノン。

「ん、何があったの?」

今も瓦礫を地味に溶かす作業に没頭していて、一人気づくのが遅れたけれど、それすらもやっぱり気にしてない。
手には相変わらず太陽光線を出せる武器があって、瓦礫もほぼほぼ無くなったから、ようやく意識がほかのことに向いたんだろう。

でも何が凄いって、バーノンは結構本能で生きている時があって、誰も知らない何かに気づくことがある。
だって今も、まだあわあわしてるドギョムと、唖然としてるディノと、苦笑いしながらもほとんど知ってるジョシュアの姿をチラ見しながらも、遠くから走ってくるおじさんを見て、「あれ? ホシヒョンなんで?」と口にしたから。

ホシが逃げている。
結構必死に。
それはどう見たっておじさんで、どこをどう見たってホシのホの字もなかったけれど、でもそれがホシだと、バーノンには判った。
多分「なんでわかったの?」と聞かれたら、本人ですら答えに詰まるだろうけど、なんだろう? 走り方なのか。その目なのか。
でも一瞬目があった時に、ちょっとだけニヤってした感じが、いつものホシだったとしか言いようがない。
疑問に思うこともなく、確信したバーノンだった。まぁだからといって、ホシを助けようという発想にはつながらない。それがバーノン。

ホシが逃げてる理由とかを裏でこっそりウジとかに連絡して確認しようとか、仲間たちに相談しようとか、そういうことも考えない。それもバーノン。

ちょっとだけ皆とテンポがズレてるだけだし、いざとなったら役立つ男でもあるけれど、なかなかそんな場面はない。でもだからって文句を言うでもないし、拗ねるでもないし、いつだって楽しそうに笑ってる。まぁ暗躍とかコッソリとか密かにとか、そういう言葉は似合わない。だっていつだってキラキラ輝いているから。
もしもヘンガレの世界でキラキラしてる人を見かけたら、多分それはバーノン。

『見つけた』

ジュンからの連絡がウォヌに入り、その連絡がウジに伝わり。そしてウジからホシに、「終わらせていいぞ」と伝わった時。
ヘンガレの世界でホシがバーノンに向かって叫んだ。

「俺を撃てッ」

普通なら戸惑うのに、何故かバーノンは戸惑わない。
手の中にある武器がなかなかの威力だというのに、あまり気にしない。
ということで、バーノンはおじさんな、真正面から走ってくるホシに向けて、太陽光線を発射した。

「ボノナッ?!」
「ヒョンッ!」

ドギョムもディノも驚いて叫んだ。
まぁそうだろう。いきなりバーノンが見知らぬおじさんに太陽光線を発射させたんだから。
でも中身はホシなおじさんは、真正面から発射されたその太陽光線を、飛んで避けた。
まぁ自分で撃てと言っただけあって、避けられると思ってたんだろう。

「あ............」

ホシが避けたもんだから、その後ろにいた人間に太陽光線がモロに当たった。そして一瞬で、ヘンガレの世界から消えてしまった。見知らぬ人。
まぁ瓦礫も溶かすソレだから、人間もまた溶かすぐらいはするだろう。
それこそヒーローものの何でも跳ね返すスーツとかを来てない限りは............。

ちょっとさすがのバーノンも驚いていた。
でも「ちょっとヒョン、避けないでよ。後ろにいた人に当たっちゃったじゃん」と普通に話してたから、別段どうってことはなかったのかもしれない。

おじさんなホシは、「サンキューな」と言ってヘンガレからあっさりと消えてしまった。「はいはい。後は俺がどうにかするよ」とジョシュアがまた後処理に動いてくれていた。ドギョムとディノはバーノンのしでかしたことに驚きすぎて、怒ったウジの呪縛からは解き放されていた。

それから二人してバーノンに、「なんで人に向けて撃つんだよ」と怒ってきたけれど、「あれホシヒョンだったよ」と飄々とバーノンが言う。「いや、ホシヒョンだったとしても、撃っちゃダメなんだって」「え? なんで?」と、噛み合わない話が続いてた。

この世界を終わらす武器をその手にしてたって、別段普段と変わらない。
そう、それがバーノン............。

 

The END
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