妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

EveryDay,EveryNight

 

「お前が頑張った結果だろ」とウジヒョンは言うけれど、そうだろうか。
自分の曲に、自分の歌。それに自分で踊りを考える。ただ頑張っただけじゃ、こんなに幸せには、きっとなれない。

ウジはいつだって忙しい。教えて貰わなくたってそんなこと判ってるのに、眼の前で腕を組んで座ってるイジフンは、「今日はもうお前のための時間だから」と言う。
もう昼は過ぎたから、たったそれだけ......とも言えるけれど、日頃の仕事ぶりを知ってるだけに、そんなに自分に時間を使っても大丈夫なのか......って気にもなる。
まだ方向性も決まってない。やりたいことは無限にあるけれど、それを現実にするための、1つ何かコレ......ってものがまだない。

「曲のタイトルでもいいし、雰囲気でもいいし、フレーズでもいいし、踊りでもいいし、イメージでもいいし。スニョイなんてたまに、吠えたい俺......ってだけで俺に曲を書けとか言い出すぐらいだからな」

そりゃホシならそれぐらいでもどうにかなるかもしれない。でもディノにはそこまでの自信も傲慢さもなかった。
結局「お前の好きなようにしたらいい」っていう話なのに、ウジの時間をすでに30分も使ってしまったと密かにビビってすらいたディノだった。
だって時々、邪魔はしないけど誰かが宇宙工場を覗きに来るから。それがメンバーならディノだって気にしないけど、明らかに何か仕事の話をしたがってそうなスタッフだったり、手に書類とか持った大人の人だったりするから、目の前のウジの偉大さを知るばかり。

「どうしよう。焦る」

素直にそう言えば、「どこに焦る必要があるんだよ。好きな時に好きな曲が浮かんだら、そこを取っ掛かりにすればいいだろ」とウジが言うけれど、そうじゃない。

「ウジヒョン、俺がちょっと悩んでる間、仕事してていいよ。その代わり、明日もちょっとだけウジヒョンの時間ちょうだい」

情けない顔でそう言えば、ウジが驚いた顔をした。

「なに、お前が焦ってるのって、俺の時間を気にしてなのか?」

いや逆に何をそれ以外に気にすることがあるのか。そんな感じで頷けば、「ハニヒョンやスニョイの背中見て育った割には、お前、ずる賢くないっていうか、真面目っていうか......」と言われた。
確かにハニヒョンのように頭の回転は早くないし、ホシヒョンのように闇雲な勢いはないかもしれない。ちょっと反省しながらそう言えば、「お前バカだな」とも言われた。

「俺は仕事するけど、何か見つけたら言いに来いよ。今日でも明日でも明後日でも、何時だっていつだって、全然良いぞ」

それだけ言ってウジは本当にパソコンに向かって仕事をはじめた。
また誰かが覗きに来て、そんな姿のウジを見て話し合いは終わったんだとばかりにウジに話しかけてくる。
何かの仕事の締め切りのはなしだったり、何かの曲の編曲のはなしだったり、何かの歌の微妙な歌詞の変更についてだったり。
そのどれもにウジは即答して、仕事が滞る風もない。
何時だっていつだってと言っては貰えたけれど、きっとウジのことを独占はできないだろう。
ちょっとだけ凹みつつ宇宙工場を後にしたディノだったけれど、その話を95ラインの3人にしたら、「ディノや、何も閃かなくたって、お前は毎日ウジのところに行って、ウジヒョンちょっとだけ時間ちょうだいって言ってもいいんだぞ」とエスクプスが言う。ジョンハンも当然のように「タヨナジ」と言う。
それからジョシュアが「EveryDay,EveryNight,EveryTime」と言った。
ディノでも判るその英語に「チンチャ?」って聞けば、「お前以外の誰がそれを許されるって言うんだよ」と笑われた。

それから毎日ディノは「ウジヒョン来たよ」って言いながら宇宙工場に顔を出す。
ウジはパソコンに向かったままだったけど、それでも「おぉ」と言う。それから時々「何か見つかったか」と聞いてくれて、それからもっと時々、「こんなのは?」と曲の断片を聞かせてくれた。
ディノがホシのようにウジのことを無理やりどうのこうの......できるようになることなんて絶対ないだろうが、それでも毎日元気よく宇宙工場に通う。
何度か閃いて、色んなことをウジに話して、曲ができて。たくさんの言葉から歌詞ができて。こんな踊りが良いと言えば、それがすぐに曲にも反映されて。
自慢の歌ができた。でも何より嬉しかったのは、95ラインのヒョンたちの言うことは本当だったから。
もちろん弟として大切に思ってくれてるのはちゃんと判ってたけど......。

「ほんとにありがと。全部ウジヒョンのおかけだ」

本気でそう言ったのにウジはいつも通りな感じで「お前が頑張った結果だろ」と言っただけだった。

The END
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