妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

🍒エスクプスパパになる🍒

えとえと......

2023年8月8日のクプスさんセンイルにあわせて、Twitterで呟きまくったおはなしです。
ちょっと毛色が違うというか。なんというか。
苦手だなって方は、ごめんなさいね。

 

🍒エスクプスパパになる🍒

「子どもができた」
それをエスクプスの口からはじめて聞いた時、ジョシュアは普通に「誰に?」って聞いた。身近で結婚してるメンバーの兄弟姉妹を思い浮かべながら、全員でプレゼントを買うつもりでいたのに、エスクプスから帰ってきた言葉は「俺に」だった。


「は? お前何言ってんの?」そう言えば、「お前もそう思うよな。俺もそう思う」とか言って、「ちょっと顔洗ってくる」ってエスクプスが去ってった。
揶揄われてるのかと思ったけれど、エスクプスの動揺具合に現実味が増す。
どこの? 誰に? ジョンハンは知ってるのか? 聞きたいことは多すぎた。


次に来たのはジョンハンで、ジョシュアと目があうと「聞いた?」と言った。
何を?なんて聞かずとも判る。だから頷けば、ジョンハンも「うん。そういうことだから」と言う。
次の言葉を待ってるっていうのに、ジョンハンの言葉はそれで終わりだった。
「殴ってやる」
だからジョシュアはそう言った。


別に2人の問題だから、別れが訪れたっていうなら、ただそうかってだけの話だった。
でも昨日だって鬱陶しいぐらいにベタベタしてたってのに。
チングとして、半強制的に馴れ初めから知ってる身としては、2人の仲は一生モノに見えていたのに。
そんな、裏切りみたいなことで、終わりを迎えるなんて。


「なんで殴るんだよ」
ジョンハンが意味がわからないって顔をする。
「俺ぐらいしか、アイツを殴れる奴がいないからだろッ」
珍しくジョシュアが怒ってた。
「いやでも不可抗力だし」
赤ちゃんは神様からの贈り物だからと言ったジョンハンは、泣きそうだった。
だからジョシュアは絶対殴るって決めた。


そして本当に、結構本気で殴った。
エスクプスはかなりな勢いで殴り飛ばされて、アイドルだっていうのに口の端を切って、顔だって腫らしてた。
驚いたのはその物音に駆けつけたマネヒョンと弟たちで、そこまで怒ってるジョシュアなんて見たことがなかったからか、全員言葉を失っていた。


ジョンハンは驚いて、バカみたいにポカンと口を空けているだけ。まだ怒ってるジョシュアはエスクプスの胸ぐらを掴んで、さらに続けて殴ろうとして、後ろからミンギュとウォヌに引き止められて、どんなドラマの中のワンシーンだよ......みたいな状況だった。
ケンカなんて、したこともないのに。


「なにやってんだよヒョンッ」と、ホシが叫ぶ。
スングァンやディノは「やめてよ。シュアヒョンやめてよ」と後ろの方から声を掛けるだけだったけど、ミンギュとウォヌに抑えられても本気で「離せよ。もう一発殴らせろッ」と怒ってるジョシュアは、エスクプスに向かってその足すら伸ばしたほどだった。


いつもなら弟たちの揉め事を諌めたり庇ったり宥めたりするはずの95ラインの揉め事に全員がビビってたかもしれない。
「とりあえず扉閉めて。ヒョン、悪いけど、一旦俺らだけで話すから」
冷静に言ったのはウジで、95ラインが役に立たないのなら、96ラインがしっかりするしかないからだろう。


マネヒョンを追い出して、13人だけになる。でも誰も口火を切らなかった。
ミンギュとウォヌの腕からは離れていたけれど、ジョシュアは自分からは口を開かなかった。言えなかった訳じゃない。ただ言いたくなかっただけ。でもジョンハンにはもっと言わせたくなかった。


「クプスヒョンなにやったんだよ」
ディエイトが言った。言いにくいことも、案外気にせず口にできるから。
ずっと驚いた顔して黙ってたドギョムだってそれに乗って、「話してよ」って言う。
倒れてたエスクプスが立ち上がる。それを手助けしたのはウォヌで、エスクプスがチラッとジョンハンを見た。


それからエスクプスは全員を見た。だから何か、それなりな理由を聞けるんだろうと全員が待ったのに、口を開いたのはジョンハンだった。「子どもができたんだよ。ただそれだけ」って。
ジョシュアは舌打ちして、ジョンハンの側にたった。
全員がその言葉を理解してみれば、誰も何も言えなくなっていた。


「俺だって驚いたけど」って口を開いたエスクプスの言葉を遮ったのはウジで、「シュアヒョンが怒るぐらいだから相当だとは思ったけど、解散危機とか空中分解レベルじゃん」と不穏なことを口にしたのに、なんでかそのままエスクプスの側に立つ。これ以上誰かに殴られないようにってことかもしれない。


2人の関係を、全員がすんなり受け入れてきた訳ではないかもしれない。でも愛は色んな意味で偉大だってことは、確かに認めざる得なかったのに。
愛はこんなにも無残に踏みにじられるものなんだってことも、教えるつもりなのか。何も言えなくなってる弟たちを前に、ジョシュアはまた舌打ちをした。


「やめろって舌打ち。無駄にカッコイイけど」と、この後に及んでジョシュアを諫めてきたのはジョンハンで、誰も何も言えない空気をあっさりと崩してくる。
「確かに過去一の大打撃だけど、解散も空中分解もないだろ。まぁ最悪脱退ぐらいで」
でも発言は結構な衝撃をもたらした。


「ど、どうするんだよ」そう声を絞り出すように言ったのはミンギュで、いつだって前向きなミンギュだって今回ばかりは......だったんだろう。
「どうもこうもないよ。赤ちゃんには罪なんてないんだし」そう言ったのはバーノンで、生まれてくる命を考えたんだろう。
そしてやっぱり沈黙が支配する。


「「罪ってなんだよ」」
揃ってそう言ったのはエスクプスとジョンハンだった。
本当ならもっと盛大に責められるべきはエスクプスなのに、それをジョンハンが庇うからややこしい。
でも確かに、事故だったにせよ、故意だったにせよ、罠にはまったんだとしても、命には違いない。


「とりあえずギリギリまで黙っとく。後はおいおい考えればいいだろ」
ジョンハンがそう言って「お前らがそこまで心配することでもないだろ」と言う。
確かに2人の問題だけど、アイドルをやってる以上メンバーの問題は如実にグループに降り掛かってくる。なによりこのままではジョンハンは辛すぎる。


「ギリギリまでって。いつまでだよ」とエスクプスが言うのに、「しょうがないだろ。ギリギリはギリギリだよ」とジョンハンが言う。
「もう無理だろうが」
「どこが無理なんだよ」
「もうギリギリのギリだ」
「まだギリギリのギだろ」
言葉を失う弟たちの前で、2人は今がギリギリのどこかで揉めていた。


「ちょっと待って」
最初に立ち直ったのはウォヌで、裏切った方と裏切られた方にしては雰囲気がおかしいと思ったんだろう。
何故って2人はギリギリ文字を分解してまで、せめぎ合いをはじめていたから。
「俺ら、勘違いしてないよね? クプスヒョンに子どもができたんだよね?」
ウォヌが聞く。


「え? クプスから聞いてないのかよ」とジョンハンが言うのと、「ハニから聞いてないのか?」ってエスクプスが言ったのはほぼ同時。
思わず全員の視線がジョシュアに集まる。
エスクプスから聞いた。子どもができたって」
だからジョシュアはそう答えたのに、それだけでは足りなかったらしい。


「バカげたこと聞くけど、誰に、子どもができたの?」
そう言ったのはやっぱりなんでも切り込んでいくディエイトで、誰もが一応、見知ったヌナとかの名前が出てきたら嫌だなって構えたっていうのに、それに答えたのはジョンハンだった。
「え、俺に」って。
....................................は?


「あ、ドッキリ?」
大分長い間沈黙していたけれど、ホシがそう言えば、なんだよって空気が流れて隠しカメラを全員が探し出す。
逆にジョシュアはムッとして、こんなのは許せないって空気だったのに、「いや、普通にほんと」って広げられたのは診断書とドラマでしか見たことのないエコー写真だった。


ドッキリでしょ? って諦められない派と、詳しく説明を聞きたい派と、とりあえず何も頭が受け付けない派に別れた中で、一番に動いたのはジュンだった。
「ハニヒョン、とりあえず座って」って、ジョンハンに椅子を勧めたから。
そんなの一番近くにいたジョシュアが気づかなきゃいけなかったのに。


「ごめん。ちょっと俺、顔洗ってくる」
そう言ってエスクプスのようにフラフラと出ていったのはジョシュアで、ジョンハンの手から奪った診断書に顔を突っ込んだのはウジで、「え、ギリギリまでって、踊るつもりなの?」って言ったのはミンギュで、「そんなのダメだよ」と言ったのはドギョムだった。


ジョシュアが戻ってきてみれば、今度はドギョムとジョンハンが今がギリギリのどこかで揉めていて、ドギョム曰くもうギリギリの全部まで後5パーぐらいだっていう話だった。
「どういう割合だよそれ」
ジョンハンが楽しそうに笑って、「本気だからね」とドギョムに怒られていた。


「ごめん。殴って」ジョシュアは謝った。
「いいよ。かなり頭ハッキリしたから」エスクプスは笑ってた。
驚きすぎてふわふわしてたからとも言ったけど、それはジョシュアも同じだったかもしれない。
でもさっきまでとは明らかに空気が違って、もう誰も黙ってない。というか、それぞれが五月蝿すぎた。


染色体異常だとか、特異体質だとか、本人すら気づかない半陽陰だったとか。色々言われたらしいが子どもがいるのだけは事実らしい。
でもそんな説明も何もかもどうでもよくて、「ハニヒョンはほんとに天使なんだよ」って言ったディノの一言で、全員の心の中はあっさりと片付いてしまった。


「どこまで情報を出すつもりなのか」って、酷く現実的なことを言ったのはウジで。
「いや、スローなダンスナンバーの曲があったっていいよね」って言ったのはホシで。
「もういっそ座って歌おう俺ら」とジュンが言えば、「いやそれ賛成」ってウォヌが喜んでいた。
96ラインは酷く現実的だった。


「お前はうっかり落としそう」ってミンギュに言ったのはディエイトで。
「お前は子守唄が五月蝿すぎそう」ってドギョムに言ったのはミンギュで。
「お前は、お前は、お前は......」って必死に考えるけどディエイトに向かって何も言えなかったのはドギョムで。
97ラインの3人は遠い未来を見据えてた。


「ハニヒョンこないだビール飲んでたじゃん」とスングァンが言えば、「もうセブチ全員で禁酒だよ」とバーノンが言い出して、反対するかと思いきや「賛成」ってディノまでもが賛同する。
何やら突然風紀委員みたいになったのはマンネラインの3人で、でもちょっとだけズレていた。


何より、何も言わずに行動にうつすジュンに全員が負けていた。
空調の温度設定が低すぎると思ったのか調節したし、仮眠用のタオルケットを持ち出して座ってるジョンハンにかけてあげたりもしてたから。
それからディエイトが常備してる常温の水を差し出して「冷たいのはダメだよ」とも言った。


「クプスや......。お前、下手すら種だけって言われそうだぞ」
思わずジョシュアがそう言えば、エスクプスが焦ってた。
いやでも実際、続けていくならそうなる可能性は高くて、当然続けていくっていう選択肢しかなくて。
苦労はしてもきっと苦ではないだろう。
なによりさっきまであった閉塞感がない。


公表するかどうかも、どこまで情報を出すかどうかも、決めるのはエスクプスとジョンハンだろう。だけどそれを当然のように支えて守るつもりでいる弟たちがいる。
きっと時代も味方する。
もう今は、色んなことを許容できる時代に少しずつ変わり始めているから。


誰かが不安を口にしても、誰かが希望を口にする。
それは今までにも見てきた景色と同じだった。
エスクプスがパパになる。それが一番信じられないけれど、「俺、もう一回顔洗ってくるわ」とエスクプスがまた立ち上がるのに、「俺も行くわ」とジョシュアも立ち上がった。


The END
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えとえと、戻って来た......

クプスさんのセンイルにあわせて、この内容で書こうと思って書いたので、自分的には満足なのですが、好き嫌いは別れそうというか。
今回のが苦手だったって方は、次の「👼ジョンハンママになる👼」は読まない方が良いかも?

でも本人は大満足なんですけどね......。