ホシとウジと、ジュンとウォヌ。
成り行きとはいえ、神様の前で愛を誓ってしまった。
さすがに誓いのキスは求められなかったけれど、誓いのハグはした。
ホシの姉家族が、ファミリーウェディングをすると言い出した理由は知らないが、子どもが生まれた後に家族で結婚式をあげる人もいるし、最近では相手は同じでも、2度目3度目の結婚式をあげる人は多いらしい。
全然本格的ではないし、家族ぐらいしか来ないし。そう言われていた結婚式に、たまたま仕事終わりに揃ってた96ラインは一緒に来ただけのこと。
ウジなんていつものサンダルだってなのに。
でもやって来てみれば、ホシの家族は誰一人来てなくて、日程を間違えたのかと慌てて電話をかけてみれば、朝から子どもたちが熱を出しており急遽行けなくなったと嘆いてた。
「もったいないから、あんたたちで結婚式やっといてって、ヌナが言ってる」
ホシの姉は優しそうな人だが、やっぱりホシの姉ではある。発想がちょっと斜め上を行く。
そしてセブチでガンガン稼いでいるっていうのに、「もったいない」とか言われると確かに......とか思うのか、謎に96ラインでファミリーウェディングをすることになってしまった。
ドレスコードなんてないという。まぁでもアイドルなんてやってるから、着てるものはさりげなくそれなりなもので。
指輪なんてなくても大丈夫だという。でも一生を誓った指輪はもうそれぞれの指にはまってる。
気持ちだけあれば大丈夫ですとも言われた。
確かにそれだけあればいいだろう。でも、はて......。ウェディングをあげるような気持ちとは......とはなったけれど、「でも俺ら、一生一緒にいるじゃん」と言ったのはホシだった。
確かに一緒にいる。それはずっと側にいるという意味ではないかもしれない。時と場合によって、別々の場所で生きることもあるかもしれない。それでも気持ちはいつだって一緒で、誰かがどこかで頑張るなら、当然それを後押しするし、何かあるなら駆けつける。
たまたま一緒になっただけなのに。
気づけば運命だよなもう......とも思ってる。
一生ものだった。それはもう確実に。
なら何かを誓ったって。
そこまで考えたら、ファミリーウェディングをする条件は揃ってるようなもんだった。
健やかなる時も病める時も、喜びの時も悲しみの時も、富める時も貧しい時も、家族を愛し敬い慰め合い共に助け合い、命ある限り真心を尽くすことを誓いますか......。
4人の前で神父様が言う。
今さらだった。そんなのもう、ずっとそうだった。
だから当然のように4人とも「はい」と頷いた。
タイミングよく鐘が鳴る。まぁそういう演出なのかもしれない。
記念に4人で写真を撮った。
それから帰りに4人でちょっと豪勢な食事会もした。
今日のことがバレたらヒョンたちも弟たちも五月蠅いから黙っておこうって話が出たのに、「え、ごめん、俺もうセブチのカトクに写真出しちゃったけど」とホシが言い、見れば「なんで誘ってくれなかったんだよ」とすでにエスクプスが拗ねていた。そして「ズルイ」とスングァンは怒ってて、ディエイトやドギョムは「いいないいな」と羨ましがっていて......。
とりあえずそれじゃぁ今の場所だけは内緒にしとこう、全員集まって来られても困るからってウォヌが言ったのに、「え、ごめん。それもさっき......」とホシが言い、その数分後にはディノが一番乗りって言いながら現れていた......。
The END
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