ヒーローだって色々ある
※ヒーローだって色々あるcontentsページ。別に順番に読まなくても平気だと思われるけど。
ヒーローたちのメンバーカラー
ディノは自分がヒーローの一員になれると知った時、無謀にも、色は青がいいと思った。
ヒーローって言ったらやっぱり、青か赤で、でもきっともう青も赤も取られてるだろうから、それならギリギリ緑でもいい。そう思ってた。
「は? 色? あぁ、ヒーロー戦隊ものによくある、イメージカラーとかメンバーカラーみたいなあれな。あぁ、余ってる色は確か......黄土色だな」
今でもハッキリ、一言一句覚えてる。
ユンジョンハンが余ってる色は黄土色って言った時のことを。その横ではスングァンが、「青系は俺のだからダメだから」って言ったはず。
ヒーローで黄土色なんて聞いたことがない。でも一応スマホでどんな色か調べて、やっぱり違うと思ったけど、ショックなのを隠しもしなかったディノのことをニヤニヤしながら見てるユンジョンハンが見た目はあんまりにも天使だったから、揶揄われてるなんて全然気づけなかった。
それに、今思えばスングァンの「青系は俺の」発言も酷いと思う。系統で色を根こそぎ持っていくなんて。
自分が13番目だってことも知っていたから、本気でもう色は残ってないんだって思って落ち込んだディノだった。
でも結局そんなイメージカラーなんて全然なかったし、スーツだって、その後の変身後の姿だって、全然、青でも赤でも緑でも、好きに選べると知って感激したほど。
だからディノだって好きなカラーでヒーローを満喫してたっていうのに、時々スングァンが、「次の時は青系縛りね。全員で爽やかに行くからね」と全員が見られるカトクにそんなメッセージを送ってくる。
ディノはしっかりそれを見て、青系の準備をしていくっていうのに、カトクを見てない人もいる。
「シュアヒョン、なんでゴールドなの? カトク見てないの?」
スングァンがムキーって顔で声で文句を言っていたけれど、ジョシュアはカトクを滅多に見ない。既読スルーすらしないから、なんでか1人豪華にゴールドだった。
「ホシヒョンはなんでそんな、微妙な青系なんだよ。変な虫みたいじゃん」
青系でも文句を言われるらしい。確かにホシはタマムシ色的な、光の加減で青にも緑にも赤にも見えるような色だったけど。
「ディエイヒョンはダークが過ぎるよ。爽やかに行くからって言ったじゃん。それじゃぁ全然、正義の味方ちっくじゃないよ」
ついでにかなり落ち着いた色で決めてきたディエイトまでもが怒られていた。
そして正義の味方だってのに、3人は「そんなんじゃ参加できないよ」とスングァンに一緒に戦うことを拒否されていた。
驚くディノを他所に、ウジが「その手があったか」とか呟いていたから、ジョシュア以外はある意味それは作戦だったのかもしれない。
とりあえず青系が揃った。戦う直前、ヒーローだし、カッコよく「ブルー」とか「レッド」とか「グリーン」とか、色を名乗っていく感じのところで問題はまた起きた。
まぁどうしたって全員青系だからだろう。
「とりあえずブルー」エスクプスが言う。
「なんちゃってブルー」ジョンハンが言う。
もうその辺りですでにスングァンは物凄い怒った顔で睨んでいたけれど、それではじめちゃったもんだから、後から続くメンバーだって似たような感じになっていく。
「かろうじてブルー」ジュンが言う。
「それとなくブルー」ウォヌが言う。
「気持ちがブルー」ウジが言う。
え、気持ちが? って思ったのはその後に続くメンバーで、系統をいきなりウジが変えた。
なんで正義の味方の気持ちがブルーなのかは謎だけど、次に続いたミンギュは系統が変わって焦ったんだろう。
「ブルーサワーが好き」ミンギュが言う。
え、好きなもの? って思ったのは誰もが一緒だったけど、ドギョムの緊張はハンパなかったんだろう。
「ブ、ブ、ブ、ブルー」ドギョムが言う。
結局、ただブルーとしか言えなかったドギョムだった。
「スカイブルー」スングァンが言う。
「シアン」バーノンが言う。
え? ブルーがついてなくてもいいの? って思ったのは全員で、でも確かにシアンは青系ではあって。言ったバーノンは堂々としてるけど、スングァンは余計に怒ってた。
そして最後にディノが言う。
「オーシャンビュー」
え? もはやブルーでもない。いやうっかり、オーシャンブルーと言うつもりが言い間違えたディノだった。
スングァンはキレまくっていて、ディノは戦いながらも必死に謝って、結果誰が誰を倒したのかすら覚えてない。
時々タマムシ色のホシも暗躍してたし、派手なゴールドのジョシュアだっていたから。
The END
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