ヒーローだって色々ある
※ヒーローだって色々あるcontentsページ。別に順番に読まなくても平気だと思われるけど。
姑息なヒーロー
ドカンと音がして、悪者の親玉っぽい男の人が倒れてく。ヒーローものではどこかで絶対見られる光景だけど。
「ハニヒョン、なんで待ってあげないの？ あの人、今なんか、悪者っぽいこと言おうとしてたじゃん」
ディノが言えば、ジョンハンは当然みたいな顔で「あ？ なんで待ってやらなきゃいけないんだよ」と言って、なんだか悪者っぽく笑ってた。
敵は倒せばいいという主義のユンジョンハンは、ヒーローだけどカッコよく戦おうだなんて微塵も考えてないようで、なんなら後ろからコッソリ近づいて倒すとかも平気でやる。
悪者が強そうだったりすると、下っ端の、倒され要因ぽい人たちに、「なんのシガラミもないんなら、逃げろ逃げろ」と足元から取り崩す作戦に出たりするし、「本気で負けそうになったら、とりあえず寝返っていいからな」とか、絶対ヒーローじゃないじゃんそれ......的なことも言う。
戦うのに時間制限なんてないのに「3分以内な」と強要する。ディノは全然知らないけれど、どうやら遥か昔のヒーローは3分で戦っていたらしい。そして父と母がいて、息子や従兄弟もいたとかいないとか。
だからヒーローにしては自分たちは人数が多く、13人もいるのかもしれない。
「ディノや、俺ちょっと、逃げた敵が落としてった武器拾ってくるわ」
いや大丈夫。それは絶対、敵の情報収集とか、今後の戦いにいかすために必要だからなんだ......。決して勿体無いとか、さらにそれを自分たちで使ってやろうとか、そう言うことでは絶対にないはず......。
ちょっとだけ願うような気持ちでそう思ったディノだったけど、ジョンハンはさらにその斜め上を行ったらしく、ムッとした顔で戻ってきたと思ったら「なんか金になりそうになかった」とか、絶対ヒーローじゃないようなことを言っていた。
え？ まさかの換金目的？ とディノがジョンハンばかりに気を取られてた間に戦いは終わってた............。
でもジョンハンがいれば負けない。それだけは確かで、「ある意味、秘密兵器だしな」とジョシュアは笑ってた。
しかしそんなジョシュアもまた実は秘密兵器と呼ばれてるなんて、ディノはまだ知らなかったけど。
The END
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