LEFT&RIGHT2（MV100M Anniversary）
2022/8/8（月）記念すべきスンチョルさんのお誕生日に、見事100M達成♪
ということでレフライ2はじまります。
4周目～スタートです!!!!!
sevmin.hateblo.jp
統括リーダー、拗ねる
エスクプスが拗ねていた。口を突き出して怒ってるのが丸わかりなのに黙ってる。
もう確実に拗ねている。
「ヒョン、冗談でしょ？」
とりあえず、ミンギュが笑顔でそう言ったけど、「俺がいつ冗談なんて言ったんだよ」っていう答え方がもう拗ねていた。
ここは、車だって飛んでいく、ゲームの中の世界。
ヘンガレは今日も平和で、さっきまでは一緒に駆けまわったり、マフィアやろうって誰かが言えば最初は強気だったのに、途中「俺のこと殺さないで」とお願いモードに入り、殺されかけるとキレるという統括リーダーとしてあるまじき行いをぶちかましていたけれど、それでも楽しげだったはずなのに。
ピロンって変な音とともに、ヘンガレの世界全てに向けてシステムからの発表があったのは、先日まで行われていたチーム戦の結果だった。
殺し合いのゲームに宝探しにクイズ大会に、謎に我慢大会までセットになったチーム戦に勝利したグループに、人間が乗れるルンバが贈られるっていう、バカみたいなお知らせだった。
いやそんなバカデカルンバ、貰ってどうすんだよって皆が笑う中、エスクプスが物凄いショックな顔をしてた。
それから、「やー、こないだのチーム戦、お前等の集まりが悪いせいで俺ら負けたんじゃん」と言い出した。
「いやでもヒョン、俺ら2位とかだったなら悔しいのとか判るけど、17位だったじゃん？ もう悔しがる必要ないぐらい、ダメダメだったじゃん」
ドギョムがそう言ったのに、「俺、ルンバに乗りたい」とエスクプスが言いだした......。
買えるものなら買ってやりたいが、売ってるものではないだろう。
いやそれに、ルンバに乗って何が楽しいのか............。
「全員集まってたら、絶対俺らが勝ってたもん」
いや、もんって言われても......。
さっきまで一緒にいたのに、「あ、ごめん用事が」って言ってジョシュアがさっさと消えた後の出来事だったので、拗ねてるエスクプスをはいはいと適当にいなす人間もいなかった。
ジョンハンはいつのまにかいつものようにNPCのごとくそこにいるだけ。
一番役立つ96ラインのヒョンたちは、なんでか全員バタバタしてるのかさっきから何も言わない。
「そんなに欲しいの？ 本気で？」
ディエイトが確認するようにそう言えば、「欲しい」ってエスクプスが言う。
いやもう全然統括リーダーっぽくないってのに、車好きなのはみんながもう知っている。
果たしてルンバは車なのか......は気になるところだが、「交渉してみる？ だって多分、あんなの貰っても喜ばないと思うし、最初だけ乗ってみて、自慢して、それで終わりじゃない？」って言ったのはマンネなディノで、「俺の特別なバレーボールと交換してもいいよ」と言ったのはスングァンで、「いやそれはしまっとけ」とミンギュが言い......。
「じゃぁ頼んでみようよ」
最後にそう言ったのはバーノンで、相変わらずキラキラしてた。
とにかく今そこには、ヒョンラインがいなかった。
『欲しいものを欲しいと口にして手に入れようとするなんて、バカじゃないの？』
きっとウジが知ったらそう言ったはず。
でも拗ねてるエスクプスを前に、「俺たちがどうにかしてみるよ」ってドギョムが言ってしまったから............。
ちょっと機嫌が戻って来たエスクプスは、「じゃぁ明後日まで待つ」と、なんでか勝手に期限まで切っていたけど、誰もそれがそんなに大変なことになるとはまだ知らなかった。
The END
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