妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

ブスングァン、バイクでニケツする

LEFT&RIGHT


sevmin.hateblo.jp

 

ブスングァン、バイクでニケツする

学校からの帰り道。ブスングァンはリュックを肩にかけて、右手でスマフォを触りながら、ムシムシするなって思いながら歩いてた。別段いつもと変わらない日常。
帰りにコンビニに寄って炭酸でも買って、飲みながら帰ろうかと、帰り道のコンビニの場所を思い浮かべながら歩いてた。
ほんとうにいつも通りの、日常だったのに、何故か気づけば目の前に、大人な男の人が立っていた。スーツ姿の。普通っぽい見た目で。でも学生のスングァンに対して丁寧な言葉で「ブスングァンさんですよね?」と聞いてくるのが、ちょっとだけ不気味だった。
スングァンが何も答えずにいると、「あなた、左ですか? それとも右?」と聞いてきた。

スングァンは左だった。

でもそれは、誰も知らない世界の話。咄嗟に「は?」と言えたのは、なかなかだなと自分では思ってたというのに、「左ですよね。あなたはいつも」と言われて何も言えなかったから、やっぱりバレバレだったかもしれない。

何故にバレてるのかは謎だけど、それでも自分が左のスングァンだとバレてたとしても、どうってことないはずだった。
それなのに目の前のスーツ姿の男の人が、胸ポケットから名刺でも取り出すような素振りで取り出したのは、どこかを押せば刃が飛び出してくるナイフで、切れ味が異様に鋭そうなもので、咄嗟に肩にかけてたリュックで防いだから助かったけれど、物凄い真正面からそれを突き出してくるっていう、目の前にいる男は完全にイカれてた。

「これで、天使が釣れるなら、安いもんでしょ」

男がそう言って笑ってたけど、最後まで聞いちゃいなかった。とりあえずリュックを投げつけて走り出す。
そのまま何か適当に語ってくれてもいいようなものなのに、ナイフ片手に男が追ってくるもんだから、スングァンは必死に走った。

ゲームの世界なら戦ったことがあるけれど、リアルな世界でこんな目にあうのは当然ながら初めてで。振り返ってる場合じゃないけど怖いから振り返らなきゃやってられないし、振り返るたびに距離が詰められてる気もして。泣きそうというか、半分以上泣きかけながら走ってた。

テレビや映画やゲームの世界なら、逃げ込む場所があったりするのに、現実の世界ではあちこちにある店のドアやビルの階段が、全然目に入って来ないし、そこに入り込んでしまえばもう逃げ道がないような気もして、ただただ走るだけだった。

「スングァナッ」

映画みたいなことが起きたのは、突然名前を叫ばれたと思ったら、バイクに乗った大柄な男が突然横から現れたから。バイクの後輪を横に滑らせながら止まる。足が異様に長い男だったけど、そんな知り合いはリアルな世界ではいなかったから、スングァンの中では変な男2でしかなかったのに、「乗れッ。早くッ」と手を伸ばしてくる。

日頃のスングァンなら、絶対にそんなバイクには乗らない。でも後ろからはナイフを持った男が走ってくるんだから、そこは乗ってしまってもしょうがないかもしれない。
とりあえずバイクの男はナイフを持ってなかったから............。

なんでもない日常が、ひっくり返った日。
スングァンは見知らぬ男のバイクの後ろに乗った。
実はバイクに乗ったのも、はじめてだった日。

 

The END
1318moji