メンバー全員で出演したテレビ番組の中で行われたゲーム大会で、ウジが一人勝ちしてた。
悔しがったり面白がったり笑い倒したり、そんな中でもジョンハンは澄ました顔でズルをして、反則負けをしてたのは通常運転で。
最終的には最新家電や、レトロなゲーム機や、テレビ局近くのカフェのチケットなるものまでウジはゲットしていた。
それでテンションあがりまくっていたのは、セブチのメンバーたちだろう。
個人戦だったけど、結局それは、セブチのものになるから。
ウジだからっていう訳ではないだろうけど、ウジは大抵、それらを独り占めにすることなんてほとんどなくて、あっさりとメンバーに渡してしまうから。
楽屋に戻って来た時点で「ゲーム開けていい？」と言い出したのはウォヌとジュンで、当然ウジは好きにしろよって態度。いやでもそれは「移動前だから広げるなって」っと、まっとうなことを言うエスクプスに止められていたけれど、すでに楽屋の中だというのに最新家電はミンギュとドギョムとディエイトによって開けられて組み立てられていたりして......。
そして何故か姿の見えなかったジョンハンとスングァンとバーノンが戻って来たと思ったら、その手には近所のカフェの紙袋がしっかりと握られていて。
結局楽屋の中ですでに力尽きて寝てたウジには何も残らなかったけれど、ウジにとっては別になんでもない、それこそ通常運転かもしれない。
何か遊ぶ時も、食べる時も、選ぶ順番でジャンケンをすることはあっても、争うことなんてほぼないのは、素晴らしいことなのか凄いことなのか、はたまた当然のことなのかは、ほかのグループを知らないから判らない。でもどこに行っても色んなスタッフさんから、セブチは仲がいいって言われるから、そういうことなのかもしれない。
勝ち負けをしっかり決めて、負けたグループは食べられなかったはずの食事会だって、結局は全員が美味しく食べてしまった。
1時間って制約の中、時間を気にしてたのは先に食べてたメンバーたちだったし。
ゲーム中に敵対してるチームだったとしても、どうしたって弟たちを応援してしまうのはエスクプスだってジョンハンだってジョシュアだって一緒だった。
慣れないゲームでやり方が判ってなければ、全然普通にコツを教えてしまう。それで自分が負けてしまったって、同じチームの誰かに「もぉ、敵チームなんだから助けないでよ」って言われたって。
その同じチームにセブチ以外の誰かが入ってない限りは、ついつい、どうしたって兄たちは弟たちの面倒を見てしまうし、気にかけてしまうし。
そして楽屋の中ではほぼほぼ一番に負けたホシが、何故かウジが勝ったことを自慢している。ディノも一緒になって、何故か三番目ぐらいには負けたのに自分の戦い方を自慢していた。
そしてエスクプスに注意されていたはずなのに、ウォヌとジュンがすでにゲームをはじめていて......。
楽屋がいつものようににぎにぎしかった。
勝ったはずのウジは寝続けていて、負けたはずのメンバーたちが、それぞれに楽しそうに笑ってる。結局セブチはセブチだからなのか、それともウジだからか。
困ってるのは移動を知らせにきたマネヒョンぐらいだっただろうか。
まぁそれも、エスクプスの号令一下、動きはじめれば驚くほどに早く移動の準備を整えて、楽屋を空にしていたけれど......。
一番最後に起こされたウジが楽屋を出る頃には、最新家電は段ボールにしまわれて、移動車にちゃんと積み込まれた後だったし、新しいゲームのランキングにはウォヌの名前が一番に乗っていたし、カフェのチケットはすでに使い切られていたけれど、別段ウジが何か言うことはなかった。
それも当然、いつも通り。セブチは今日も平和。でもまだまだ仕事は続くんだけれど。
The END
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