ヒーローだって色々ある
※ヒーローだって色々あるcontentsページ。別に順番に読まなくても平気だと思われるけど。
ヒーローが守るもの
「じゃぁヒーローは誰が守るんだよ」と言ったのはエスクプスで、戦いの場で仲間たちのことを守ってばかりいるもんだから誰かに何かを言われたらしい。もはや援護射撃とかではなく、鉄壁の守りだったから、そりゃ言われるだろうって感じなのに、エスクプスは簡単には引かない。
はじめて戦いの場に出た時、緊張もあってディノは失敗した。
ヒーローだって無敵って訳じゃないから、何かあればケガだってするかもしれないし、結果、時と場合によってはヒーローとしての現場から去っていく人もいる。
勢いあまって前に出過ぎてしまって、気づけば敵に囲まれていた。
でも無傷で助かったのは、当然のようにディノを助けにきたエスクプスがいたからだった。
新人だったから、ちゃんと見ていてくれたんだろう。そう思ってたのに、聞けばエスクプスはヒーローを守るのが専門だとジョンハンが笑ってた。
よくよく見ていれば、確かにエスクプスは最初から仲間を守るためだけに動いてる。
なんなら近くに逃げ遅れた一般市民の皆さんがいたって、チラっとは見ても助けにはいかない。それなのにホシが敵味方関係なく突っ込むように縦横無尽に走り回った結果ドツボにはまって、ある意味自業自得なのに、やっぱりエスクプスは助けに行く。
ミンギュがうっかり必殺技的な武器を持ち忘れてカッコよく出て行った後を、エスクプスが追いかけて行くのだって、何度見ただろう。
それはそれでカッコイイけれど、ヒーローとしては怒られるかもしれない。
「まぁでもいいじゃん。俺ら結構人数いるし、1人ぐらいヒーローを守るヒーローがいても、結果守られてる俺たちがヒーローとして活躍してりゃぁ、問題ないんだし」
いつもそう言うジョンハンに助けられていたりする。
でもエスクプスがいると、ディノは安心して戦える。守られたいとも思ってないし、守って貰えると思ってる訳でもないけれど、なんでか安心するから。
誰のために戦ってるんだろう。何のために戦ってるんだろう。
ヒーローだって時々は考えるっていうのに、エスクプスって人はいつだって「俺はお前らのために戦うんだよ」と言う人だった。
そして本当にそう戦ってくれる人だった。
きっとヒーローとしてはちょっと間違ってる。でもそんなヒーローがいたっていい。
The END
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