「お前はさ、昔からスングァニに甘いよな」
そう言ったのはエスクプスで、言われたのはミンギュだった。
一発で勝ったのに結局スングァンに甘えるように頼まれて買い物部隊になったからだろう。
運転席に座って、当然ながらハンドルを握ってるミンギュは笑って、「そういうヒョンだって最終的には甘いじゃん」と言い返す。
ジャンケンには買ったのに買い物部隊になってしまった面々は、エスクプスにミンギュにバーノンにディノで、不思議と誰からも文句はあがらなかった。
「しょうがないよ。ウジヒョンとホシヒョンとディエイヒョンだもん」
バーノンが言う。そして3人がまぁなって感じで頷く。
「ウジヒョンがいたらお金はあるけど、今回会社のカード出てるしね。ホシヒョンがいたらキムチだけは確実に買ってくるだろうけど、お肉選びは微妙だろうね。ディエイヒョンは最終、高いので良いんじゃない？ とか言いそうだし」
しっかりもののマンネなディノが言う。そして3人がそうだよなって感じで頷く。
「まぁ再度買い物に出る羽目になるか、せっかくの美味しい肉を諦める羽目になるか」
ミンギュが言う。そして3人がやっぱりなって感じで頷く。
「でもお前はスングァニに甘いよ」
でもととりあえず、エスクプスが言う。
出発前に「最後尾は俺が行くから、ダメそうならすぐに電話しろよ」とか、「無理するなよ」とか、「休憩入る前にこっちにも連絡くれれば合わせるから」とか、やたらと話しかけていたのを見られていたんだろう。
「でもハニヒョンだってドギョミに同じようなこと言ってたし、クユズの面子はジュニヒョンにお前が頼りかもよって言ってたし」
運転できる人間も増えたしって、カメラが回る前に大雑把にクジで決めたらこの面子になって、一瞬慌てたのはスタッフもメンバーも一緒で、慌てさせてるドギョムとスングァンの2人はなんでかムンジュニがいれば事故らなそうだし、信号に引っ掛からないかもしれないとテンション高く喜んでいた。
真剣にやり直すか悩んで、結局このままでとなったのはやっぱり2人が楽しそうに喜んでいたからだろう。
「俺、運転時間が1時間超えると脇腹痛くなるけど、みんなはどうしてるの？」
出発前ギリギリになってスングァンが謎なことを言い出したため、どうやって運転したらそんなことになるんだと全員でまた少し慌てたりはしたけれど......。
出てすぐに入ったコンビニでジョンハンたちと被ったら、湿布やら痛み止めやらを探してるジョンハンとジョシュアがいて、考えることは同じだとエスクプスが笑ってた。
だからやっぱり、確かにみんな甘いんだろう。そしてそれはスングァンにだけってこともないはず。
自分の分だけカレーを持ってきたって言うバーノンに対してだって、なんだそりゃと思いながらもカワイイとしか思えないんだから。
それから必死にあれもこれも欲しいと言いながらスマホにメモってるディノのことだって、もちろんカワイイんだから......。
The END
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