妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

ウォヌヨンが笑ってる BitterSweet

BitterSweet

ビタスイのミーニーの続きが書きたくて、でも長いのは書けそうになくて、ミニマムで時々、ビタスイの2人を書こうと思う............。えへへ。

sevmin.hateblo.jp

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ウォヌヨンが笑ってる

楽しいと笑う。当たり前だけど。
何気ないことで笑う。無意識に笑う。幸せそうに、楽しそうに笑う。
それだってきっと当たり前だけど、しばらく失っていたもので、最近になってようやく取り戻したものだった。
ミンギュが店の壁に新しく飾ったのは、少し古いポスターを入れた額縁。
何故か見ていたらちゃんとしてるのに、なんでかミンギュがその場を離れると少しだけカクンと右斜め下に傾く。
最初はあれって言いながら直したし、繰り返せばムカつくって言いながらもそれに対峙していたけれど、本当にミンギュがいなくなると傾く。
なんだかそれは、モノクロな時代がかかった懐かしいコメディ映画のようで、ミンギュがなんでかソーっと離れて振り返れば、やっぱり傾いていた。
助けようともせずにただ見ていたウォヌが、クスクスと笑う。
「絶対お前の歩く時の振動なんだって」
笑いながらウォヌが言うけれど、結構な抜き足差し足具合だってのに。
「じゃぁどうする? これってポルターガイストとかなのかもよ」
ミンギュが案外怖がりで、そういう類が嫌いだと知っていてウォヌが言う。
「あぁじゃぁ判った。右に傾くんだから、最初から左に傾けとけば?」
何度もやり直すミンギュをただ笑うばかりで助けてもくれないウォヌだったけど、役に立ちそうもない意見はくれた。
一瞬本気でそれを試しそうになって、「やだよ。それでも右に傾いたら怖いじゃん」とミンギュが言えば、今度は楽しそうに声をあげて笑った。
別に笑わないウォヌだっていい。
一緒にいてくれればいい。
そう思っていたけれど、楽しそうに笑ってくれるなら、そしてそれが無理してなくて幸せだったなら、やっぱりそれの方がいい。
笑っても哀し気だったり、口元だけでしか笑えなかったり。それでもどんなウォヌだって愛おしいと大切にしてきたけれど、ウォヌがあんまりにも楽しそうに笑うから、逆にミンギュが泣きそうになった。
泣きたいのは、言うことを聞かない額縁に対してだったかもしれないけれど......。
「俺がやってみるよ」
ウォヌが楽しそうにそう言って、本当に左に傾けて飾った。
やっぱり見てたら動かないのに、しばらくしたら右に少しだけ傾いた。
ミンギュが「怖ッ」って叫んだら、ウォヌが声を出して笑う。
「でもほら、なんか傾き加減が違うじゃん」
そう言って額縁を裏返してみれば、なんのことはない。額縁の裏、片方のみに重しがあっただけだった。
あぁそう言えば、1つ前に飾ってたのは油絵で、なんでか絵そのものが左右で重さが違ってたはず。それもまた左側に傾くもんだから、額縁の裏に右に重しを仕込んだことをすっかり忘れてた。
気づいてしまえばなんてことはないのに、ウォヌはその後も楽しそうに笑ってた。
そして結局額縁は、ちょっとだけ右に傾いた状態で飾られてある。
知り合いが店に来るたびに、ウォヌはそれを不思議な出来事のように語るようになったけど、それもまた楽しそうだった。

The END
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